日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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29 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1984 年 29 巻 4 号 p. Cover13-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1984 年 29 巻 4 号 p. Cover14-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. App11-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. iii-iv
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 田中 弘敬, 宝示戸 貞雄, 佐藤 信之助, 池谷 文夫, 川端 習太郎
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 269-275
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    北関東高標高草地に適するオーチャードグラス品種のタイプを知り,放牧用品種育成の基礎資料を得ようとして,2ケ所の現地試験地を設け,出穂期草型の異なる3品種を単,混播した後,4年間育成牛又はめん羊の放牧を行い,植生及び生産量の変化を刈取区と比較した。早生直立型品種アオナミは当初から生存個体数が多く,定着後の冠部被度も最も高かった。また冠部被度における品種の序列は,試験地,管理条件によって異なる傾向を示した。すなわち,大笹の刈取区ではラーター≒S143<アオナミ,放牧区ではS143≒ラーター≒アオナミ(ただしS143<アオナミ)であったのに対して,芝原の刈取区では,S143<ラーター<アオナミ,放牧区ではS143<ラーター≒アオナミであった。刈取区の生草重も両試験地を通じて,アオナミ又はアオナミを含む2品種組合せが大きかった。
  • 田中 弘敬, 宝示戸 貞雄, 川端 習太郎, 佐藤 信之助, 池谷 文夫
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 276-282
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    北関東高標高草地に適するオーチャードグラス品種及び品種内個体のタイプを知り,放牧用品種育成の基礎資料を得ようとして,2ケ所の現地試験地で出穂期の異なる3品種を単,混播し,放牧,刈取処理を行った後各区ごとに分げつを採取し,評価試験圃場に個体植して出穂期の形質を中心として集団間及び集団内の変動を調査した。多くの形質で諸要因の主効果及び交互作用が統計的に有意であった。主効果では品種,試験地の効果が有意になった形質が多かった。品種については国産の早生品種アオナミは年次の経過に伴う集団の変化はほとんど見られなかったが,外国産の晩生品種ラーター及びS143はいずれも大きく早生化した。3品種の混植割合の推定から競合の強さはS143<ラーター<アオナミの順と推定された。試験地ごとに見れば比較的標高の低い芝原からの集団が高標高の大笹からの集団よりも早生化の程度が著るしかった。放牧と刈取処理の効果も一部の形質で認められ,刈取区の集団が放牧区よりもやや早生化の傾向であり,先に行った中標高地での結果とは対照的であった。
  • 嶋田 徹, 新発田 修治
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    育成地や収集地を異にするオーチャードグラスの多数の品種および自生集団について耐凍性を比較し,北海道で栽培されるオーチャードグラス品種に必要とされる耐凍性の程度を検討した。北海道産の品種系統および導入品種からなる24集団間の比較では,耐凍性は育成地の1月の平均気温と密接な相関関係を示した。北海道産の品種系統のうち,帯広産の2系統は,最も耐凍性が大きかったカナダ産品種と同程度の耐凍性であったが,札幌産の5品種は耐凍性が中位で,一部の北欧・アメリカ産品種と同程度の耐凍性であった。また,北海道各地から収集した27自生集団間の比較では,耐凍性は,1月の平均気温より,15cm以上の積雪が生ずるまでにオーチャードグラスが受ける寒さの程度と関係していた。したがって,多雪な日本海側地域からの集団で耐凍性は小さく,寒冷少雪な太平洋側東部やオホーツク海側地域からの集団で耐凍性は大きかった。また,寒冷少雪地帯にある大規模草地の異なる標高から収集された9集団の比較では,播種されたアメリカ産品種マスハーディの耐凍性が自然選択により増大していることが認められた。これらの結果から,北海道で栽培されるオーチャードグラス品種には,耐凍性で品種の栽培地域区分を行うことが望ましいこと,その際,多雪地帯ではキタミドリ程度の中位な耐凍性で十分であるが,寒冷少雪地帯では,世界的にみても最高程度の耐凍性が必要であることがわかった。
  • 渡辺 潔, 佐藤 行寿, 桜井 保, 小山 康久
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 290-297
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    追肥量の異なるペレニアルライグラスの2・3番草の生育並びに窒素含有率の推移を各8週間調査し,それらの刈取適期を検討した。生育・収量並びに窒素含有率の推移は全て3次の回帰式に有意に適合したので,それらの回帰式を用いて平均生産力(生体部収量/刈取後日数)の最大期と生体部収量の最大期を求め,それらの時期の生育状態や窒素含有率も算定した。多肥条件下では,平均生産力の最大期が枯葉多発の直前にも当たり,刈取適期と考えられた。その時期は刈取後2番草では5.5週,3番草では4.8週で,それらの時期の草丈は46,41cm,LAIは6.6,5.9,透光率は4.8,4.2%であった。少・中肥条件下では,平均生産力が比較的高くNの乾物生産効率(生体部収量/N吸収量)も高い生体部収量の最大期が刈取適期と考えられた。その時期は刈取後2・3番草の少肥条件では6.8,7.0週,中肥条件では6.8,6.7週で,それらの時期になっても,各区とも草丈とLAIが小さく,透光率は高く,枯葉の発生が少なかった。
  • 渡辺 潔, 佐藤 行寿, 櫻井 保, 小山 康久
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 298-303
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ペレニアルライグラスの2,3番草の再生に及ぼす追肥量の影響を明らかにするため,前報で求めた生育・収量の推移を表わす3次回帰式を用いて生長解析を行った。CGRの推移は乾物重の推移を表わす3次回帰式を微分して求め,NAR(CGR/LAI)の推移はCGRの推移を表わす2次式とLAIの推移を表わす3次回帰式かち算定した。草丈とLAI,透光率とLAI,NARとLAI及びCGRとLAIの関係も,それらの推移を表わす3次回帰式または2次式から求めた。追肥量は2,3番草それぞれ,N,P_2O_5,K_2O各多肥では0.8,0.4,0.7kg/a,中,少肥では各成分ともその1/2,1/4とした。多肥では,草丈とLAIはほぼ平行して増加し,透光率は著しく低下した。しかし,NARは刈取後6週迄は多肥の方が高く推移し,同じLAIの間で比較するとNARとCGRは多肥になるほど高く推移した。枯死部を含む地上部乾物重を対象に求めた2,3番草の多肥区の最大CGR,最適LAI,最大LAIはそれぞれ,8.6と5.3g/m^2/日,4.8と4.8,6.9と6.9であった。それらの値は,本研究が例年に比較して少雨条件下で行われたためか比較的小さく,少,中肥では肥料不足のためそれらの値は更に小さくなった。
  • 佐藤 徳雄, 酒井 博, 遊佐 健司
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 304-309
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    オーチャードグラスとアルファルファ混播の収量,構成割合および無機成分吸収量に及ぼす苦土石灰量と窒素追肥量の影響をみるために圃場試験を行った。処理は,造成時の苦土石灰量を,アール当たり60kg,45kgおよび30kgの3段階とし,利用年次の窒素の追肥量を,初年次は無Nとし,2年次以降はN_2(1.Okg/a),N_1(0.5kg/a)およびN_0(無N)の3段階とし,3反覆で行った。結果: (1)利用初年次はアルファルファの混生率を高めるために無Nで栽培したが,1番草の収量差が大きく現われ,苦土石灰30kg/a区の収量が最も多くなった。しかし,2〜4番草収量に及ぼす石灰量間の差は僅少であった。(2)利用2〜4年次の収量は多石灰区ほど多く,多N区ほど多い傾向がみられたが,石灰量間の差は有意でなく,N_2とN_1の差も有意でない。N_0はオーチャードグラスの生育量が劣り,N_2,N_1との収量差は有意であったが,苦土石灰60kg/a区ではN_0でも減収量が少なく,N_2,N_1との収量差は有意でなかった。(3)アルファルファの収量割合は多石灰区ほど,また,少N区ほど高い傾向がみられ,とりわけ,苦土石灰60kg/a区およびN_0区で高かった。(4)利用2,3年次の収量部分に含まれる無機成分量は,両草種共に乾物収量およびN吸収量と相関があり,N吸収によって両草種の生育が旺盛になり,その他の無機成分吸収量も増大することが認められた。
  • 佐藤 徳雄, 酒井 博, 遊佐 健司
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 310-316
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    前報に引き続き,苦土石灰量と窒素追肥量をかえて栽培したオーチャードグラスとアルファルファ混播の利用4年次の草種構成と土壌酸性との関係について検討した。処理は,造成時の苦土石灰量を,アール当たり60kg,45kgおよび30kgの3段階とし,利用2年次以降の窒素追肥量N_2(1.Okg/a),N_1(0.5kg/a)およびN_0(無N)の3段階とした。結果: 1混播の合計収量は,造成時の苦土石灰あるいは2年次以降の窒素追肥量が多いほど高まったが,窒素の増施は混播中のアルファルファ収量並びに構成割合を低下させた。2.利用4年次のアルファルファの株数および株当たり年間収量は,混播中のアルファルファ収量および構成割合と密接に関係し,苦土石灰が多いと高く,窒素追肥が多いと低くなった。3.供試土壌のpH(H_2O)とY_1は高い負の相関を示したが,総じて苦土石灰が多いほど,窒素追肥が少ないほどpHが高く,Y_1は低くなり,とりわけ中,下層土(15〜40cm層位)で,この傾向が大きかった。4.混播中のアルファルファの株数および乾物収量と土壌のpH(H_2O)やY_1との相関は,表層土よりも中,下層土で高かった。以上の結果から,オーチャードグラスとアルファルファの混生割合を永続的に維持するためには,表層土のみならず,中,下層土の改良が必要であることが示唆された。
  • 岡崎 正規, 山根 一郎, 小林 裕志, 佐藤 幸一, 鈴木 創三, 杉浦 俊弘
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 317-321
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    青森県十和田湖の北東部の火山灰地帯の山間部において切盛土工によって草地基盤を造成し,牧草栽培の試験を行った。この地域の土壌は4つの土層から成っているが,切土にはもっとも厚い浮石礫層があらわれやすい。前報ではこの浮石礫層を切土として牧草栽培試験を行ったが,この土層は水の保持に関する性質が不良なため,牧草栽培に不適当で,覆土を行なわないと牧草の生育が著しく悪かった。そこでアオバン層(厚さ35cm),アカツチ層(厚さ55cm)を切土面にだすような造成を行い,種々の施肥条件下で栽培試験を行った結果,満足すべき牧草の生育が得られた。したがって不良土であっても化学的性質のみ悪い下層土は表土扱いをしなくても牧草地確立が可能であることが明らかになった。
  • 宮城 悦生
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 322-330
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ネピアグラスの生産におよぼす刈取間隔の影響を検討するため,刈取間隔を4週間隔(4週区),6週間隔(6週区),8週間隔(8週区)および10週間隔(10週区)の4試験区を設定し,1980年と1981年の2ヵ年間栽培試験を実施した。生草および乾物収量は刈取間隔が長くなるにしたがって増加し,10週区の年間10a当りの生草収量は28t以上,乾物収量は4.5t以上が得られ,各試験区間に0.1%水準で有意差が認められた。茎数は刈取間隔が長くなるにしたがって減少したが,茎重は刈取間隔が長くなるにしたがって増加した。草丈は刈取間隔が長くなるにしたがって長くなり,10週区では両年とも最後の4回刈を除き200cm以上に達した。一茎当り葉数および一葉当り葉面積も刈取間隔が長くなるにしたがって増加した。しかし,葉重比は刈取間隔が長くなるにしたがって低下した。葉面積指数(LAI)は刈取間隔が長くなるにしたがって増加し,各試験区間に0.1%水準で有意差が認められた。以上の結果からネピアグラスは刈取間隔が長くなるにしたがって茎数と葉重比は減少するが,茎重,草丈,一茎当り葉数,一葉当り葉面積は増加するものと推察される。さらに,一茎当りの葉数および一葉当り葉面積はLAIの変化に大きな効果をもたらすことから,これらの形質の増加にともなってLAIも増加した。また,LAIは乾物収量と大きな関連をもつことから,LAIが増加したことは結果的に乾物収量の増加に大きな効果をもたらしたものと考えられる。
  • 中村 徹
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 331-340
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道の亜高山帯にある札幌手稲スキー場で,植生と土壌の対応関係について調査した。植生調査の結果,本スキー場の植生から,周囲の森林1群集,ゲレンデ内半自然草原3群落2下位単位3ファシース,およびゲレンデ内の人工草地2つ,の合計9植生単位を識別した。また土壌調査の結果,本スキー場の土壌は自然土壌の1土壌型3土壌相,人工土壌の2土壌型,合計5タイプの土壌単位に区分できた。これらの各植生単位,土壌単位の成立・配置およびこれらに加えられた人為干渉を総合的に考察した。その結果,本スキー場の植生と土壌は,スキー場造成時の人為干渉の影響下で成立し,人為の質や大きさに応じて,両者が対応しつつ配置されていることが明らかになった。
  • 中村 徹, 石川 優
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 341-349
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    北関東山地帯にある水上宝台樹スキー場で,スキー場造成時の人為干渉が植生と土壌におよぼす影響について調査した。植生調査の結果,当スキー場の植生は周辺の森林を含め7群落に区分できた。これらの群落は人為の質と大きさに対応して形成されたものである。土壌調査の結果,当スキー場の土壌は断面形態から6つの単位に区分できた。これは人為による土壌の攪乱状態を反映している。植生と土壌の対応関係を具体的に知るために各単位の分布を地図上に示し,現存植生図と土壌図を作製した。これらを重ね合わせることにより,それぞれの土壌単位にそれぞれ特定の植生が対応している様子が明らかになった。北海道の亜高山帯にあるスキー場の場合と同じように,植生と土壌は明らかな対応関係を持ち,そしてその対応関係は人為による植生や土壌の攪乱状態を反映していることが示された。
  • 阿部 亮, 岩崎 薫
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 350-353
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    飼料中のデンプン含量を簡易に,しかも一度に多数の試料について定量する方法の検討を行なった。とうもろこしサイレージ,配合飼料原料および配合飼料を供試し,酵素分析(α-アミラーゼとプロナーゼの連続処理)によって細胞内容物質(OCC)を測定し,同時に別の実験でプロナーゼ処理のみによる可消化有機物(POM)を測定した。その結果,OCC-POMの値と,デンプン含量との間には高い値の相関係数が得られ,回帰推定の標準誤差の値も小さいものであった。従って,とうもろこしサイレージ,配合飼料原料および配合飼料の場合には,OCC,POMの含量を求め,その差の値を回帰式(表2,3)によって補正する事により,デンプンの含量を推定する事が可能であるという結果を得た。
  • 田野 仁, 柴田 章夫
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 354-361
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本報告の目的は,放牧時の牧草摂取に伴う牧草蛋白質のルーメン内分解をin vitroで測定する方法を発展させることにあった。そのin vitro方式は材料に牧草の凍結乾燥標品を用い,これをルーメン内容物の二重ガーゼ〓液と共に改良注射管中で短時間(2時間)培養するもので,人工唾液の添加を必要とせず,従って炭酸ガス通気も省ける簡便な方式である。生草を凍結乾燥,熱風乾燥および天日乾燥して培養材料とし,2時間培養によるアンモニア生成量を比較すると,凍結乾燥草からの生成が最も大きかった。そのアンモニア生成量を材料の窒素成分量から計算すると,材料中の非蛋白態窒素画分からのみならず純蛋白画分からも派生すると計算され,牧草蛋白質の分解が証明された。一方,熱風および天日乾燥材料では,この様な短時間培養では,蛋白画分の分解は明確でなかった。in vitro法に用いる材料としては,凍結乾燥草が生草に最も近似していると結論された。in vitroにおける培養は,更に,乾物当り粗蛋白質(CP)含量14.4-24.4%,非構造性炭水化物(TNC)含量9.5-19.6%の幅で含有する凍結乾燥草6試料を用いて行われた。この場合,牧草のCP含量と生成されるアンモニア量との間に正の相関関係が認められた。生成されたアンモニアの一部はルーメン内微生物に再利用されるが,その際に食餌の炭水化物がエネルギー給源となる。牧草のみを摂取する場合,牧草窒素成分の分解(アンモニアの生成)の速度はかなり速いので,これに対応するルーメン内の炭水化物代謝は易分解性のTNC由来のものによるとみられる。牧草中のCP含量とTNC含量は負の相関を示し,CP/TNC比とアンモニア生成量は正の相関関係を認めた。低TNC高CP草では微生物に再利用されるアンモニア量が少なく,アンモニアの過剰の蓄積がおこると受取られた。VFA生成量と草のCPまたはTNC含量とは明確な関係は認められなかったが,これはTNC画分からの生成と共に高CP草の場合には蛋白質由来のVFA生成量が増す故であろう。このin vitro法の特徴は短時間培養にあるが,アンモニア生成の経時的推移からみて,牧草の易分解性窒素部分は2時間以内に分解的に利用されてしまう実験事実に基いて,培養時間を2時間に定めた。放牧動物は牧草を少量づつ度々摂取しており,その際,牧草蛋白質はルーメン内で逐次容易に分解されるので,摂取された窒素成分の変化は短時間発酵の繰り返しとみることができる。これらの観点から放牧における牧草窒素成分のルーメン内消化をin vitroにおいて追跡する場合,短時間の培養法が適当であると指摘できた。また,短時間培養である為に培養中のpH変化は少なく,緩衡液を必要としなかった。
  • 笹山 清憲, 中村 清孝, 萬田 正治, 黒肥地 一郎
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 362-367
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    フン虫の牛糞への日周飛来消長とその季節変化および気象要因との関係を明らかにするため,1979年5月から11月まで鹿児島大学付属入来牧場の改良草地,庇蔭林に牛糞を入れたザルトラップを設置し,飛来するフン虫を採集した。同時に温度,湿度,照度および風速を測定した。1.フン虫の日周飛来消長には,飛来が昼に集中するタイプ(昼型),夜に集中するタイプ(夜型)ならびに時期により昼型となったり夜型になったりするタイプ(季節型)の3種類の型があった。昼型の代表的な種類は,オオマグソコガネ,フトカドエンマコガネ,オオセンチコガネ,センチコガネ,夜型は,フチケマグソコガネ,ウスイロマグソコガネ,オビマグソコガネ,ゴホンダイコクコガネ,季節型は,カドマルエンマコガネであった。昼型,季節型を示すフン虫は,大きさが中型種に属するものが多く,夜型のフン虫は,小型種に属するものが多い傾向がみられた。2.フン虫の日周飛来消長の季節変化は,カドマルエンマコガネを除き大きな変動はみられなかった。カドマルエンマコガネの日周飛来消長は,季節変化がみられ,5,10,11月には昼間,7,8,9月には夜間に飛来数が多い傾向がみられた。夜型,季節型のフン虫の飛来は,19:00〜21:00が最も多かった。3.フン虫の飛来は気温が10〜28℃の範囲でみられ,特に19〜24℃に多かった。またフン虫の飛来数は,湿度が高くなるほど多く,逆に照度,風速があがると減少する傾向がみられた。
  • 川村 修, 田中 重行, 三秋 尚
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 368-370
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    In the previous studies, the orchardgrass was devided by the pectinase treatment into the parenchyma fraction and the mechanical tissue fraction, and it was found that most of indigestible material of orchardgrass was recoved in the mechanical tissue fraction and that the percentage of the mechanical tissue fractions increased with advancing maturity of the orchardgrass. These results suggest that there may be significant relationship between the mechanical tissue fraction and the digestibility of grass. In this experiment, we compared the accuracy of predicting in vivo digestibility of grasses from the mechanical tissue fraction with those from the chemical composition and from in vitro digestibility by rumen fluid.
  • 岩崎 和雄, 板橋 久雄
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 371-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 和泉 康史
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 371-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大久保 忠旦
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 371-372
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 荒 智
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 372-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大森 昭一朗
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 372-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 中村 恵一
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 372-373
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 佳山 良正
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 373-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 平島 利昭
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 373-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 石田 良作
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 373-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 望月 昇
    原稿種別: 本文
    1984 年 29 巻 4 号 p. 373-374
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. 375-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. 377-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. 377-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. App12-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1984 年 29 巻 4 号 p. Ai-Aiii
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1984 年 29 巻 4 号 p. Aiv-Avi
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1984 年 29 巻 4 号 p. Avii-Aix
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1984 年 29 巻 4 号 p. Ax-Axii
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1984 年 29 巻 4 号 p. App13-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1984 年 29 巻 4 号 p. Cover15-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1984 年 29 巻 4 号 p. Cover16-
    発行日: 1984/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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