日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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31 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 31 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 31 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. i-vi
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. Ai-Av
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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  • 沢田 兵壮
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    輸入トウモロコシ品種を北海道十勝地方で栽培した場合,標示されている早晩性がどのように変動するかについて検討した。FAO指数や相対熟度(RM)がつけられているフランスとアメリカから導入した系統を,5年間帯広畜産大学の作物試験圃場で栽培し,早晩性の指標として絹糸抽出日を調査した。全体としては,FAO指数やRMの大きい系統が小さい系統より,遅くに絹糸を抽出する傾向がみられた。しかし,同じ早晩性標示をもつ系統の絹糸抽出日の変動が大きいため,標示が異なる系統の抽糸日に差がなかったり,標示の序列と抽糸日のそれが逆転することが多くみられた。
  • 岡田 忠篤
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    グリーンパニックの種子について,はく皮処理(包えい及び不稔花の除去)の効果及び実用化の可能性について検討した。種子齢にかかわらずはく皮処理により発芽率は高まり発芽が早くなった。しかしその改善の程度は種子齢が進むにつれて減少した。はく皮処理は,15℃の照明条件下では効果を確認できなかったが,15℃の暗黒条件及び30℃の明暗両条件で発芽を改善し,また塩類濃度による発芽障害及び土壌の低水分による出芽障害を軽減するなど,実用的意義が認められた。はく皮処理の効果は,発芽のための水分や酸素の供給の円滑化によるのでなく,包被中に含まれる発芽抑制物質の除去によるものと推定された。
  • 岡田 忠篤
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    グリーンパニックの種子に対し,水中浸漬処理,乾熱処理(30℃貯蔵)及びはく皮処理のうち2処理ずつを組合わせて施し,その発芽への影響を調査した。水中浸漬処理とはく皮処理には発芽抑制物質の除去という共通点が考えられたが,はく皮処理の効果は水中浸漬処理よりも勝り,はく皮処理は水溶性でない発芽抑制物質をも除去すると推定された。登熟時に多雨・低温等を経た種子には水中浸漬処理の効果が負に現れることがあり,それは特にはく皮処理を施した場合に著しかった。乾熱処理は他の2処理とは異なる作用によって効果を現わすと考えられ,この処理にはく皮処理を組合わせると著しい発芽改善効果を示した。
  • 杉山 修一, 片岡 政之, 高橋 直秀, 後藤 寛治
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 16-25
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)21品種,自生系統を含むメドーフェスク(F. pratensis Huds.)18品種を供試し,両種における栄養生長と生殖生長の関係を調査した。個体植条件(50cm×25cm)で実験圃場に栽植した2年目の個体を対象に,種子収量,年間3回,5回の2刈取処理における茎葉収量を調査した。その他,トールフェスクのヨーロッパ由来の自然集団15系統について,種子生産性の調査も行なった。生殖生長期における栄養茎と生殖茎の相対的比率に関して,栄養生長と生殖生長の間に負の関係が認められた。生殖生長期に栄養茎の割合の高い品種ほど,多回刈取区での収量性が高くなった。他方,生殖生長期に生殖茎の割合の高い品種は,種子生産効率は高くなるが,少回刈取区に比べ,多回刈取区での収量性は低下した。一般に,両種とも育成品種は,自然集団に比べて,生殖生長期におけ生殖茎の割合が高くなる傾向を示した。
  • 杉山 修一, 高橋 直秀
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
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    トールフェスクの実生時における競争力の系統間差異とそれに係わる形質を調査する目的で競争ダイアレルの試験を行なった。供試材料は,2品種(ホクリョウ,Kentucky 31)とヨーロッパ起源の自然集団3系統(Bn 501 ; Bn 501,フランス; Bn 759,ガリア山岳地帯; Bu 767,アルプス山岳地帯)である。同一日に発芽した,ほぼ同じ大きさの各系統の種子を38cm×14cm×10cm深のポットに3cm×3cmで交互に値付けた。1ポット当り,5畦×13個体で3反復乱塊法とした。80日間生育させた後,各個体の草丈,分げつ数,乾物重を測定した。同時に,各系統5個体を直径10cmのポットに,個体植条件で生育させ,同一時期に,地上部乾物重,根乾物重,分げつ数,根数を調査した。結果1).単播では,個体重に系統間差異がみられなかったものの,混播では競争効果に有意な系統間差異が認められた。競争力は,ホクリョウ>Kentuck 31>Bn 501>Bn 767>Bn 759の順となり,品種は自然集団より高い競争力を示した。2).競争力は,個体植条件下での地上部乾物重と正の高い相関関係を示したが,根乾物重との間には明確な関係は認められなかった。また,根数多い系統ほど高い競争力を示した。3).相補効果に有意が差がみられ,混播は単播より多収となった。これは,混播では草丈のばらつきが大きくなり,群落構造が改善され,光ェネルギーが有効に利用されるようになったためと考えられた。
  • 尾形 昭逸, 実岡 寛文, 松本 勝士
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型飼料作物ダリスグラスCV.九州5号(Da),ローズグラスCV.カタンボラ(Ro),バヒアグラスCV.コモン(Ba),ソルガムCV.スィート(SS),ソルガムCV.ランチャー(Rs),トウモロコシCV.スノーデント1号(Zm),シコクビェ(Am),ハトムギ(Ha)を自動潅水装置で土壌水分をpF1.7,pF2.3,pF2.8の3水準に調節した水分処理区と無潅水区を設けた実験圃場下で栽培し,地上部・根部生育量,葉の水ポテンシァル,気孔抵抗,無機成分含有率を測定し,暖地型飼料作物の水ストレス耐性の草種間差と水ストレス耐性機構の解析を行なった。1)最高収量区に対する無潅水区の地上部相対生育量は,Da>Ro≧Ba>Rs>SS>Zm>Am>Haの順に大で,水ストレス耐性はDa,Ro,Baで高く,Zm,Am,Haで低く,Rs,SS,で中間的耐性を示した。2)水ストレスによりDa,Baの根重は増加,Ro,Zm,SS,Haでは低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレスにより根部乾重/地上部乾重比(R-T比)は,水ストレス耐性の高い草種でより高い傾向にあった。3)葉の水ポテンシャルは,水ストレスにより低下し,その低下は,Da<Am<Ba<Rs<SS<Ha<Ro<Zmの順に大で,水ストレス耐性の低い草種の葉の水ポテンシャルの低下は大であった。4)気孔抵抗は,水ストレスにより増加し,その増加は,Zm>Ha>Rs>SS>Am>Ba>Da>Roの順に高く,水ストレス耐性の低い草種の気孔抵抗の増加は大であった。5)無機成分吸収量は水ストレスにより低下し,その低下割合は水ストレス耐性の低い草種で大であった。また,水ストレス耐性の低い草種ではカリ,カルシウム,マグネシウムに比較し,窒素,りん吸収量の低下が大であった。
  • 尾形 昭逸, 実岡 寛文, 松本 勝士
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型飼料作物,ダリスグラス(Da),ローズグラス(Ro),スィートソルガム(SS),トウモロコシ(Zm),ハトムギ(Ha)を用い,土壌水分をpF1.7〜2.0,pF2.3〜2.5,pF2.8〜3.0の3水準に変えて土耕ポットに栽培し,地上部・根部生育量,葉の水ポテンシャル,気孔抵抗,無機成分含有率を測定し,暖地型飼料作物の水ストレス耐性機構の解析を行なった。(1)pF1.7〜2.0区に対するpF2.8〜3.0区の地上部相対生育量はDa>Ro>SS>Zm>Haの順で,水ストレス耐性の強い草種としてDa,Ro,弱い草種としてZm,Haがあげられた。(2)pF2.8〜3.0区での気孔抵抗はHa>Zm>SS>Ro>Daの順に高く,水ストレス耐性草種ほど蒸散速度は大であった。また,葉の水ポテンシャルはHa>Zm>SS>Ro>Daの順に高く,水ストレス耐性草種ほど葉の水ポテンシャルの低下が大であった。さらに,葉の水ポテンシシャル(Y)と気孔抵抗(X)との間には次の一次回帰式が成立し,水ストレス耐性草種ほど回帰係数が大きい傾向にあった。Da:Y=-1.23X-2.72(r=0.977),Ro:Y=-1.19X-2.50(r=0.954),SS:Y=-0.90X-2.62(r=0.933),Zn:Y=-0.69X-3.41(r=0.989),Ha:Y=-0.65X-4.34(r=0.986)。(3)水ストレスにより根の生長は抑えられ,その程度はDa,Roで小さく,Zm,Haで大であった。(4)水ストレスにより無機成分吸収は著しく抑制され,その程度はHaで大であった。以上の結果から,暖地型飼料作物の水ストレス耐性機構の要因として,水ストレス下でも根圏を拡大させ,蒸散速度を高く維持することによって葉の水ポテンシャルをより低下させ,土壌よりの水分・養分吸収を低下させない機能があげられた。
  • 青田 精一, 渡辺 好昭, 石田 良作
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    低湿重粘土転換畑における飼料作物の地下部生育の年次変化及び種間差と土層酸化の関係について4カ年検討した。試験は長大作物(トウモロコシ,ソルガム),暖地型牧草(ローズグラス,グリーンパニック)と,参考に大豆の5種を供試して,当地の標準耕種法で栽培した。播種は5月中旬,刈取時期はトウモロコシ黄熟期,ソルガム出穂期に2回,暖地型牧草は3回,大豆は成熟期で,根系及び土壌調査は10月上旬一斉に行った。地上部収量は長大作物が勝ったが,根重は長大作物より暖地型牧草が多かった。各作物を通じ,転換1年目は根の上層分布割合は高く,最長根も非常に浅いなど,根の伸長阻害がみられた。転換後の経過年次とともに根は深部に伸長し,根圏の拡大がみられるが,その過程は急には進まなかった。作土下の伸長根の分布をみると,ソルガムは転換2年目,暖地型牧草は3年目で,前作物の水稲根跡の空隙を通過して深部に満遍なく伸長する根がみられるが,トウモロコシと大豆では伸長根の大部分が亀裂中に分布するなど種間差が明らかであった。最長根は4ヵ年を通じ,ソルガム>暖地型牧草>トウモロコシ>大豆の順に深く伸長した。また土層の酸化は最長根長に全く一致する形で進み,土層酸化に及ぼす伸長根の影響が推察された。しかし,亀裂の深さは大豆で最も進み,土層の乾燥過程は種間差が明瞭であった。作物の蒸散による土中からの吸水をpFの推移からみると,下層ではソルガムが供試作物中最も多かった。一方裸地区のpFは作付区に比して著しく低く,植生による土層からの吸水が確認された。
  • 北村 征生, 尾形 昭逸
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型マメ科牧草Macroptilium atropurpureum cv. Siratro (サイラトロ)およびStylosanthes guianensis cv. Schofield (スコフィールド)を赤黄色土(国頭マージ,強酸性)では4段階のP×4段階の炭カル施与,赤褐色土(島尻マージ,アルカリ性)では6段階のP施与条件下で栽培し,得られた乾物収量を施肥により変化した土壌の理化学的性質との関係で考察した。結果:赤黄色土。サイラトロにおよびスコフィールドともにP施与量が増大すると乾物収量は増大したが,炭カル施与ではサイラトロの場合,400-800kg/10aの施与で乾物が増収し,P施与との相乗効果も認められた。スタイロの場合は,炭カル施与によって乾物収量が低下するため,200kg/10a程度の施与量にすべきと考えられた。土壌中の可給態Pは,Pおよび炭カル施与によって増大したが,炭カル施与により土壌pHが7以上になると減少した。また,炭カル施与量の増大とともに土壌pHは上昇し,800kg/10a以上の施与量になると置換性Al^<+++>およびH^+は著しく減少した。このような土壌の理化学的変化が上述のサイラトロおよびスコフィールドの乾物生産量におよぼす影響を両草種の生理的特性との関係で検討した。赤褐色土。P施与量の増大とともに土壌中の可給態Pは増大したが,サイラトロおよびスコフィールドの乾物物収量に大きな変化は認められなかった。これは,本土壌のpHが両草種の生育にとって高すぎることに起因するものと考えられた。
  • 北村 征生, 庄子 一成
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 67-75
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型マメ科牧草Stylosanthes guianensis cv. Endeavour (スタイロ)とMacroptilium atropurpureum cv. Siratro(サイラトロ)およびイネ科牧草Chloris gayana cv. Boma (ローズグラス)とPanicum maximum cv. Gatton (ギニアグラス)を強酸性土壌(国頭マージ)および微アルカリ性土壌(島尻マージ)に4段階の燐(P)施与量(0,100,200,400,600mgP/Pot)の下でポット栽培し,有効態Pに対する乾物生産およびP吸収特性を比較検討した。P施与に対する各草種の乾物生産およびP吸収反応は,イネ科草ではローズグラスよりギニアグラスで鋭敏に現われたが,マメ科草では明確な草種間差が認められなった。90%以上の相対乾物収量を得るためには,国頭マージの有効態Pをマメ科草で15ppm,ローズグラスで40ppm,ギニアグラスで25ppm以上の水準に保つ必要が認められた。島尻マージでは,これより低い水準の有効態Pで90%以上の相対乾物収量が得られた。各草種の乾物収量およびP吸収量は国頭マージより島尻マージで多くなったが,ギニアグラスはP施与量が多いと両土壌間における乾物収量の差が消失した。これは,吸収したPによるギニアグラスの乾物生産効率が他草種より高いため,国頭マージにおいても島尻マージに劣らない根系の生育を示し,土壌中の有効態Pの吸収量が多くなるためと考えられた。また,サイラトロとくらべて,スタイロの国頭マージにおける生育はP施与量が低い場合良好となったが,これは,スタイロの根が高いP吸収効率を示すことに起因すると考えられた。
  • 澤田 均, 津田 周彌
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 76-87
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    放牧草地におけるチモシー個体群の生活史特性の変異と,それに与える環境効果と遺伝効果を明らかにするために,造成後17年を経過した草地に調査区(40×45m)を設定し,近接した細個体群間で相互移植実験を行った。すなわち,分げつと実生の移植実験を行い,生存率・生長量・種子繁殖と栄養繁殖量を調査した。生存率・生長量は移植場所によって異なり,放牧圧・植生の変異と,移植個体の生活史特性の変異が密接に関連していた。実生は移植当年の生長量が小さく,種子繁殖量も著しく少ないが,分げつの移植当年の生長量は大きく,種子繁殖量も多く,移植の際の生活史段階によって生活史特性が異なった。細個体群間で生活史特性に差がなく,採集環境に移植した方が他の環境に移植した場合よりも生存率が高く,生長量が多いという傾向もなかった。これらのことは,このチモシー個体群の生活史特性の変異が環境効果によって生じ,遺伝的効果による部分が著しく小さいことを示している。
  • 秋山 侃, 安田 嘉純, 江森 康文
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 88-96
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1979年5月22日のランドサットMSSデータを用いて,栃木県北部の土地利用現況について最尤決定法による教師付分類を行なった。その結果,MSSのスペクトルパターンの違いにより14のクラスタークラスを分類することができた。更に最終的に統合して得られた9つの土地利用グループの判別効率は94.0%であった。このうち'林地'-'草地','市街地'-'裸地'の各グループ間で誤判読が認められた。このほか,'草地'-'ゴルフ場','裸地'-'耕地','水田'-'裸地','市街地'-'水域'のグループ間の混乱が多少あった。耕地や水田に関する誤判読は,ランドサットデータ取得日が5月22日で,作物生育初期であることに起因すると考えられた。次に栃木県北部に所在する大田原市,那須郡西那須野町,塩谷郡喜連川町について,ランドサットデータによる土地利用分類結果と,固定資産税概要調書から得た地目とを対比させた。その結果,ランドサットによる'林地'は,登録された地目の森林より過小に,'草地'と'耕地'はランドサットからの結果が過大に表れた。この違いの原因として,ランドサットデータ解析時の誤判読のほかに,登録された地目と実際の土地利用現況のズレによる部分も大きいと考えられ,適切な補正が行われれば,かなり高い精度で判別が可能であると推定した。
  • 秋山 侃, 安田 嘉純, 江森 康文, 深山 一弥
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 97-103
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    前報において1979年5月22日のランドサットMSSデータを用いて土地利用分類を行なった。このうち草地と分類された反射スペクトル値と西那須野町の3つの牧場,26牧区の採草地の1番刈収量から重回帰式を作成し,以下の結果を得た。1)単一チャネルとしては,バンド6(700-800nm,近赤外域)の反射と牧草収量との相関が大であった(r=0.823)。2)使用チャネル数をふやすにつれ,収量との相関は上昇したが,4チャネル使用時の重相関係数はR=0.923となり,これ以上使用チャネル数をふやしても,相関係数の増分は小さかった。3)そこで4チャネルを用いた下の式によって,解析対象全域の一番収量を推定した。Y_<est>(kg/ha)=-177.7X_1+132.5X_3+99.9X_4-216.2X_6+10642.5(R=0.923)ただしX_1…X_6はCh1…Ch6のCCT値を示す。4)その結果,牧草の収量を推定する手法の一つとして,衛星データの利用も有効であると思われる。
  • 上野 昌彦, 杉本 安寛, 平田 昌彦
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 104-109
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    斜面方位のちがいによる環境の差異がバヒアグラスの根群の発達に及ぼす影響を調べ,傾斜地草地へのバヒアグラス定着と地形要因との関係を明らかにしようとした。試験は傾斜角30度をもち,二つの斜面がそれぞれ南・北面の人工斜面に栽培したバヒアグラスを対象として,1981年7月〜82年9月に行った。地上部は茎数密度,出穂状況,茎葉再生量,地下部については一次根の根数,伸長速度,根重などを調査し,環境要因として両斜面の日射量,地温,土壌水分の変化を測定した。得られた結果の概要は次の通りである。1)茎数密度は3月上旬〜5月上旬に両斜面間に差が認められ,南斜面が著しく多かった。2)茎葉日再生量はいずれの時期も南斜面が増加した。3)北斜面の一次根数は試験期間を通じて少なく推移したが,南斜面では秋と翌春に著しく増加した。4)南斜面では3月上旬に一次根の伸長開始が認められたが,北斜面では約2ヵ月遅れた。5)根重は5月および8月に有意差が認められ,いずれも南斜面が多かった。以上の南・北斜面間で示された生長のちがいは,秋〜翌春の日射量の差によってもたらされる地温の影響によるものと推察され,バヒアグラス定着促進のためには,地形条件の一つとして斜面方位の影響を考慮する必要のあることが示唆された。
  • 正岡 淑邦, 高野 信雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 110-116
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型飼料作物の細胞壁消化率をセルラーゼを用いて測定し,消化率と細胞壁中の化学成分含有率の関係について草種間で比較した。供試草種はトウモロコシ,ソルガム,グリーンパニック,バヒアグラス,オオクサキビ,シコクビエ,ローズグラスであり,トウモロコシとソルガムは2回,他は3回,生育時朝をかえて刈取った。1)生育相が比較的若い場合でも細胞壁構成物質(CWC)の含有率が高いとCWC消化率(CWCD)やin vitro乾物消化率(IVDMD)が低く,生育相が進んだ場合でもCWC含有率が低いとCWCDやIVDMDは高い値を示した。2)オオクサキビのCWCDは調査朝間を通じて他の草種より高く,逆にローズグラスは低い値を示した。3)CWC中のリグニン含有率は生育がすすむといずれの草種も増加し,CWCDは低下する傾向を示した。但しその増加率又は低下率は草種によって異なった。CWC中のリグニン含有率の増加はオオクサキビが最高の52.9%を示した。一方,最低はバヒアグラスの1.2%でほとんど変化しなかった。4)CWCDの草種間差異はリグニン含有率が近似した材料間でも認められ,必ずしもリグニン含有率に影響されなかった。またCWC中のリグニン以外の成立であるヘミセルロース又はセルロースの各含有率とも関連性が明らかでなかった。以上より,暖地型飼料作物のCWCDに関する草種間差異は細胞壁諸成分の含有率とは異なる要因が影響すると考えられる。
  • 正岡 淑邦, 高野 信雄
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 117-122
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    分げつ発生数の多いセンダチと少ないヒロミドリの2種類のソルガムを用いて生育の進行や栽植密度の違いが細胞壁構成物質(CWC)の生成やセルラーゼによるCWC消化率におよぼす影響を検討した。栽植密度は3段階で,うね幅と株間を30cm×5cm,60cm×10cm,90cm×30cmとした。1)センダチは出穂以後も単位面積当りの乾物収量が増加した。この増加部分は難消化性CWCが大部分を占めた。細胞壁中のヘミセルロースとリグニンの各構成比は生育の進行とともに増加し,セルロースは低下した。2)密植すると各品種とも葉身比は低下し,出穂や開花時期が数日早まった。3)センダチの分げつ茎のCWC含有率は主稈のそれと同様に密植すると増加した。分げつ茎のCWC分解率は主稈のそれと大差がなく,この部分によるCWC消化率向上の効果は小さいと考えられた。密植はCWC中のヘミセルロースとリグニンの構成比を増加させた。4)密植すると単位面積当りの乾物収量は増加した。しかし乾物消化率は低化するため,可消化乾物収量の密度差は小さくなった。以上より,ソルガムは密植するとヘミセルロースやリグニンなどの細胞壁物質の生成作用が活発になり老化が促進されると判断された。また,いずれの品種も分げつの有無にほとんど影響されず可消化乾物収量を最大にする適正密度が存在すると考えられた。
  • 高橋 正行
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 123-129
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    水酸化ナトリウム(NaOH)処理稲わらサイレージの効果的な利用法について検討するため,NaOH6%処理稲わらサイレージとイタリアンライグラス乾草(試験1),またはイタリアンライグラスサイレージ(試験2)との給与割合を乾物比で100:0,50:50,25:75および0:100の4区とし,山羊4頭を用いる4×4ラテン方格法により消化試験を行ない,併せて窒素出納を調べた。NaOH6%処理稲わらサイレージの粗蛋白質および粗脂肪以外の成分の消化率は,いずれも乾草またはグラスサイレージのそれらよりも有意に高かった。NaOH6%処理稲わらサイレージと乾草またはグラスサイレージとの併用区の各成分の消化率の実測値は,それぞれの単独給与区の消化率とそれらの給与割合とから算出した理論値よりも高く,併用効果が認められた。乾草またはグラスサイレージの消化率を一定として求めた,併用区におけるNaOH6%処理稲わらサイレージ部分のすべての成分の消化率は,併用飼料の給与割合が増加するにしたがって向上した。100:0,50:50および25:75の各区におけるNaOH6%処理稲わらサイレージの乾物中TDNは,乾草と併用の場合57.2,59.7および62.5%,グラスサイレージと併用の場合57.4,59.9および62.7%となった。グラスサイレージとの併用により,グラスサイレージ単独給与の場合に比較して窒素の利用性が向上した。以上の結果から,NaOH処理稲わらサイレージの利用に当っては,NaOH処理にもとづく本来の消化性向上効果をより十分に発揮させるためには,単独で給与するよりも他の飼料と併用することが望ましく,とくにグラスサイレージとの併用が効果的と考えられる。
  • 高橋 正行
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 130-136
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    水酸化ナトリウム(NaOH)処理稲わらサイレージにおいて,NaOH処理の効果を十分に発揮させるための,窒素源としての尿素添加の意義およびその適切な添加水準について検討するため,試験1では,NaOH無処理およびNaOH6%処理稲わらサイレージに,それぞれその乾物の0および2%の尿素を添加した4種の飼料について,また試験2では,NaOH処理稲わらサイレージに,その乾物の0,1,2および2.5%の尿素を添加した4種の飼料について,それぞれ山羊4頭を用いる4×4ラテン方格法により消化試験を行ない,同時に窒素出納を調べた。試験1では,NaOH無処理稲わらサイレージの尿素0および2%添加区,ならびにNaOH6%処理稲わらサイレージの尿素0および2%添加区の乾物消化率は,それぞれ37.0,37.7,53.0および59.0%,乾物中TDNは,それぞれ34.7,36.4,46.6および52.6%,乾物摂取量は,体重に対しそれぞれ1.15,1.15,0.86および1.26%,蓄積窒素量は,それぞれ-0.9,-0.8,-2.0および0.4g/日であった。また試験2では,NaOH6%処理稲わらサイレージの尿素0,1,2および2.5%添加区の乾物消化率は,それぞれ43.4,55.1,56.2および58.7%,乾物中TDNは,それぞれ38.6,48.4,51.9および53.8%,乾物摂取量は,体重に対しそれぞれ0.95,1.26,1.26および1.52%,蓄積窒素量は,それぞれ-2.0,-0.4,0.2および0.6g/日であった。これらの結果は,NaOH処理は結果的に稲わらのエネルギー消化率を向上させるが,窒素はその際の制限因子となること,すなわちNaOH処理稲わらの微生物による消化速度および結果として摂取量を高めるためには,適当量の窒素の供給が必要であることを示すものと考えられる。
  • 青田 精一, 渡辺 好昭, 石田 良作
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 137-139
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    北陸地域に広く分布する低湿重粘土水田の転換畑は透水生が悪く,また,冬期間は積雪に覆われ,融雪水も加わって,春季の土壌は乾燥が進まず,耕転・砕土作業を困難にしている。転換畑の耕転・砕土性能を高める方法として,超低速耕転法,細砕土耕転法,アップカット・ロータリ法等が開発されたが,いずれの耕転法も土壌水分の多い転換初年目には十分な砕土率が得られず,作物の発芽,定着不良の一因となっている。そこで低湿重粘土転換畑で発芽定着に大きな影響をもたらす砕土率の実態とその経年変化,及び砕土率に及ぼす植生の影響について検討した結果を報告する。
  • 後藤 正和, 森田 脩, 市ノ木山 浩道
    原稿種別: 本文
    1985 年 31 巻 1 号 p. 140-142
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    冬季,関東地方以西の太平洋岸地域では,大陸性高気圧の影響で晴天の日が多く,乾燥した状態が続く。この安定した寒気と季節風を利用して,三重県内の一部の酪農地域では,ソルゴーの立毛貯蔵が試みられている。これは,ソルゴーを7月上旬-8月中旬と遅らせて作付し,晩秋以降,完熟期を過ぎた立枯れ状態のものを利用する,いわゆるフォゲージ的な利用に類するもので,梅雨期の湿害や台風による倒伏被害も少なく,また夏作物の収穫時の労力分散も図れるなど,栽培管理上の利点も多く,転換田などを活用した簡便な貯蔵飼料生産の手段として期待されている。しかし,ソルゴーは茎稈が早期に硬化しやすく,飼料品質や家畜による採食利用性にやや難があるとされている。従って,本報では,まず立毛貯蔵したソルゴーの家畜による嗜好性について,サイレージ調製したものとの比較検討を行った。
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 143-149
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 151-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 152-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 153-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 154-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 155-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 156-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 157-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1985 年 31 巻 1 号 p. 157-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 31 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1985 年 31 巻 1 号 p. Cover4-
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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