日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
Print ISSN : 0447-5933
ISSN-L : 0447-5933
32 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 32 巻 4 号 p. Cover13-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 32 巻 4 号 p. Cover14-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App3-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. i-iii
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. iv-v
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. vi-vii
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App4-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App5-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. Ai-Aiv
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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  • 鹽見 正衛, 高橋 繁男
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 299-306
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    植物と家畜の相互作用を含む草地生態系のモデルを構築するに当たって,放牧草地における可食草量と採食量の関係を明らかにすることは基本的に重要である。これら2つの量は,一般に,1日当たり可食草量DHAおよび1日当たり採食量DHIで測られている。この報告では,DHA-DHIの関係を表わす新らしい数式を導き,それを実験で得られた数値で確めた。この数式を用いると,DHIが不十分となるDHA量(臨界量)を統計的に推定することができる。Baker (1978)の輪換放牧のデータではDHAの臨界量は27.45乾物草量g/家畜生体重kg/日で,高橋ら(1981)のデータでは34.47乾物葉量g/家畜生体重kg/日であった。
  • 鹽見 正衛
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 307-312
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    放牧草地における草量の推定には,古くから,調査の対象となっている草地内に何点かのコドラート(枠)を置き,コドラート内の草量全部を刈取って秤量する方法が用いられて来た。調査に必要なコドラートの数は次のような種々の要因によって左右される。まず必要とする草量の推定精度に依存する。また,草地に草量の地理的なバラツキが生ずるのは,地形,土壌中の水分や栄養塩類の地理的バラツキ,採食の不均一性,植生のバラツキ,草地の大きさ等々にもとづいているからこれらが関係する。本報告では,コドラートの大きさと数の関係,および調査対象とする草地の面積とコドラート間の草量のバラツキの関係について考察を行った。1)コドラートの大きさと数について:コドラートの大きさが0.25m^2から1m^2の範囲でかつ混播放牧草地の調査においては,調査のために刈取る面積が同一なら小さいコドラートを用いる方が草量の推定精度が高くなることを示した。0.25m^2のコドラートと1m^2のコドラートを用いた草量調査の比較を行うと,0.25m^2のコドラート20個(5m^2)を用いて刈取りした調査から得られた草量の推定値と,1m^2のコドラート10個(10m^2)を用いた刈取り調査から得られた草量の推定値がほぼ同じ精度であることを明らかにした。2)調査の対象となる草地の面積とコドラート間の草量のバラツキについて:一般に,草地の面積が広くなるほどそこに置いたコドラート間の草量のバラツキ(分散)は大きくなる。面積が1000m^2から2000m^2までは,面積の拡大にともなって分散は急速に大きくなるが,それ以上草地の面積を拡大しても分散はあまり大きくならないことを明らかにした。
  • 杉本 安寛, 平田 昌彦, 上野 昌彦
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 313-320
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
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    バヒアグラス(Paspalum notatum)草地にホルスタイン育成牛を輪換放牧した場合の窒素の流れを調査した。調査期間は1983年4月7日〜1984年4月6日(全期間)で,この期間を1983年4月7日〜7月14日(春期),7月15日〜8月31日(夏期),9月1日〜10月28日(秋期)および10月29日〜1984年4月6日(冬期)の4期間に分けて調査結果をとりまとあた。結果の概要は次のとおりである。1)全期間における植物体による窒素吸収量は375.4kg/haで,そのうちの約80%は土壌窒素に由来すると推定された。吸収窒素の157.8kg(42.0%)が家畜による採食,100.8kg(26.9%)がリター,62.7kg(16.7%)が掃除刈りへと流れ,54.1kg(14.4%)が植物体に蓄積した。2)窒素吸収とその流れには季節によって次のような特徴が認められた。春期は窒素吸収量96.8kg/haのうち73.0kg(75.4%)が家畜に採食され,25.5kg(26.3%)がリター窒素へ移行した。夏期は窒素吸収量81.9kg/haのうち25.8kg(31.5%)が家畜に採食されたにすぎず,62.7kg(76.6%)が掃除刈りによって搬出された。秋期は127.6kg/haの窒素が吸収され,59.0kg(46.2%)が家畜による採食,39.0kg(30.6%)がリターへ流れ,29.6kg(23.2%)が植物体に蓄積した。冬期の窒素吸収量は69.1kg/haで,34.1kg(49.3%)がリターへ移行し,35.0kg(50.7%)が植物体に蓄積した。3)家畜は放牧期間中に植物体より157.8kg/ha,濃厚飼料より133.7kg/ha,合計291.5kgの窒素を摂取し,そのうち39.3kg(13.5%)を家畜体に保持した。時期別には,春期,夏期および秋期にそれぞれ,136.7kg,66.7kgおよび88.1kgの窒素を摂取し,それぞれ18.1kg(13.2%),12.8kg(19.2%)および8.4kg(9.5%)を家畜体に保持した。
  • 田村 良文
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 321-327
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    秋季低温条件下に生長した栄養生長期のオオムギ,ライムギ,エンバクおよびイタリアンライグラスについて,非構造性炭水化物(NSC)の蓄積と生育特性との関係を,またNSC蓄積量(単位生体重当り含有量)を簡易に推定し得る指標を明らかにすることを目的として,1982年から1984年の3ヶ年間に延べ50品種,204試験区で測定した部位別生長量,乾物率等とNSC蓄積量との関係を検討した。NSC蓄積量は品種,窒素施用量の多少,また試験年次を問わず,根の生長量が大きいほど,また,T-R率が低いほど多い傾向を示した。これは越冬をむかえた植物体は,高い越冬性と越冬後早春の旺盛な生長を確保するために,光合成によって生産された同化産物をNSCの蓄積器官により多く分配してその量的拡大を図りながらより多量にNSCを蓄積するためと考えられる。乾物率は全調査形質中,特に地上部において,NSC蓄積量と安定して高い有意な相関係数(0.8以上)を示した。本実験の範囲内では,乾物率がNSC蓄積量を表わす指標として最も適切と考えられる。しかし,乾物率とNSC蓄積量の回帰は試験年次間で異なる場合が多かった。乾物率によるNSC蓄積量の推定は同一試験内で,同一調査時期に,同一調査法によって測定された乾物率の高低の相対的比較によるNSC蓄積量の多少の相対的な推定が原則となる。
  • 尾形 昭逸, 河野 憲治, 石川 愛子, 藤田 耕之輔
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 328-336
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型草類におけるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEP case)およびリブロース二リン酸カルボキシラーゼ(RuBP case)活性と葉身のN,P,K含量との関連の検討とその解析を目的として,ソルガム(Sorghum Vulgare,Sweet Siox IV)とシコクビエ(Eleusine Coracana,Yukijirushi)を,培地N,P,K濃度を各々4段階に変えて水耕栽培し,可溶性蛋白質含量,PEP case,RuBP case活性およびN,P,K含有率などを測定した。なお,単位葉面積当りの酵素活性(以下酵素活性)は単位葉面積当りの可溶性蛋白質含量(以下蛋白質含量)と単位可溶性蛋白質量当りの酵素活性(以下蛋白質当り活性)の積と考え,得られた結果について解析した。その結果,(1)単位葉面積当りの葉身N含量の増加に伴って,シコクビエとソルガムの両酵素活性は上昇し,その上昇率はRuBP caseで顕著であった。両酵素とも活性上昇の主な要因は蛋白質含量の増加であり,蛋白質当りの活性はむしろ低下する傾向を示した。(2)葉身P含量の増加に伴って,両酵素活性はシコクビエのPEP caseでは2.0mgP/dm^2,ソルガムとシコクビエのRuBP caseでは1.0mgP/dm^2までそれぞれ急上昇し,この上昇は主に蛋白質当り活性の上昇に起因した。(3)葉身K含量の増加に伴って,両酵素活性はシコクビエのPEP caseで11mgK/dm^2,ソルガムとシコクビエのRuBP caseで6mgK/dm^2まで上昇し,この上昇は主に蛋白質当り活性が上昇したためであった。(4)両酵素の単位蛋白質当りの活性は,葉の蛋白質含量が減少するとPEP caseでは顕著に上昇するのに対し,RuBP caseではわずかに上昇した。
  • 津川 兵衛, トーマス サセック, 丹下 宗俊, 西川 欣一
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 337-347
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,越年茎の節にある芽からの当年茎の出現時期,越年茎の節当り当年茎発生数,当年茎の枯死率および当年茎発生に対する3つの芽の貢献度のちがいのようなクズの茎葉生産に関連する最も基本的な問題について検討した。本研究結果は六甲山系山麓部に当る神戸市東灘区本山町岡本北畑にあるクズの自然群落から得られた。越年茎の芽からの当年茎の発生は4月上旬から6月上旬まで続いたが,当年茎数の80%は4月末までに現われた。越年茎の節当り当年茎発生数は,維管束環数1環の越年茎では5月から10月にかけて0.61から0.15まで次第に低下した。2環の越年茎ではそれは調査期間を通じて0.11〜0.18の範囲にあり,はっきりした季節変化は認められなかった。3環以上の越年茎の節当り当年茎発生数は前2者よりかなり低かった。越年茎の節の3つの芽のうちどれが当年茎を発生したかにより節は7つのタイプに分けられた。当年茎発生については中央の芽よりも左右の芽の貢献度が大であった。当年茎の枯死率は1環の越年茎では7月から10月にかけて上昇し続けた。2環の越年茎では枯死率は1環の茎にくらべて低かった。3環以上の茎では当年茎の枯死は認められなかった。以上のことから,当年茎は主に維管束環が1環の越年茎の節にある芽から発生し,3つの芽のうち中央の芽よりも左右の芽の方が当年茎発生に重要な役割をはたしていると結論される。
  • 川本 康博, 増田 泰久, 五斗 一郎
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 348-353
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    青刈ソルガムと青刈大豆との混作栽培(同一畦混作,交互畦混作)における両草種の競争関係を,個体密度と関連して検討した。単位面積当たりの乾物収量は,ソルガムでは単作区,混作区共に,個体密度を高めるに伴い著しく増大したが,大豆ではその傾向は顕著ではなかった。混作区の乾物収量はソルガム単作区より若干低く大豆単作区より高かった。また,混作区における両草種それぞれの乾物収量は,同一畦混作区が交互畦混作区より高い傾向を示した。乾物収量から算出した各個体密度における相対収量は,ソルガムでは0.5以上で,個体密度を増加するに伴い高くなる傾向を示したが,大豆では0.5以下で個体密度の影響は認められなかった。合計相対収量については,同一畦混作区が交互畦混作区より高い値を示し,また,個体密度を高めると共に高くなり,混作効果が増大することが認められた。個体密度を高めるに伴って,混作ソルガムのNARは高まる傾向を示した。ソルガムのSLAは疎植,あるいは混作によって低下した。また,混作区間の比較では,同一畦混作区の方が低いSLAを示し,光合成能が高いことが推察された。大豆のNARは混作によって低下し,SLAは高くなった。単作及び混作でのソルガムあるいは大豆の平均個体重と個体密度間に密度効果の逆数式が適用された。大豆1個体の影響がソルガムの何個体分に当たるかを示す値であるソルガムの密度換算率は1より小,大豆の密度換算率は1より大となり,ソルガムが大豆より競争上優勢であると同時に,ソルガムは種内競争,大豆は種間競争の影響を強く受けることが示された。ソルガムではこの傾向は個体密度を高めるに伴い顕著となった。各個体密度における混作効果を,ソルガムと大豆の密度換算率の積をもとに検討したところ,個体密度を高めるに伴い混作栽培が有利となることが示唆された。
  • 青田 精一, 渡辺 好昭
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 354-360
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    転換年次の異なる圃場で栽培したトウモロコシの生育相,養分吸収とその品種間差を1981年に検討した。試験方法は転換1年目と転換8年目の圃場でP3715,タカネワセ,G4553の3品種を供試して,窒素施用量を標準,多窒素(1.5倍),無窒素の3水準で栽培し,抽雄期と黄熟期に刈取って生育量を調査するとともに,器官別のT-N,P,K,Ca,Mg含有率を測定した。転換1年目の無窒素区では生育が極めて悪かったので,標準と多窒素区で検討したところ,雌穂長,雌穂重割合,TDN収量は転換1年目が8年目に比較して明らかに劣っていた(有意水準1%)。しかし稈長,稈径では有意な差はみられず,これをトウモロコシの生育期でみると,転換年次の差は,栄養生長期よりも登熟期で大きいと考えられた。特にタカネワセは他の品種に比べて葉数は多いが,転換1年目で枯葉数多く,雌穂長,雌穂重割合などの形質が著しく劣っていた。無機成分含有率は同化器官である葉では転換1年目が8年目に比較して低く,含有量も転換1年目でN,P,Kの3要素が特に少ないことが特徴的であった。品種間ではタカネワセが特異的で,N,P,K,Ca含有率は葉で低く,逆に茎でNを除くP,K,Ca,Mgが高かった。また窒素含有量は転換1年目では抽雄期よりも黄熟期で減少するなど,登熟期の養分吸収が他の品種と異なった。転換1年目無窒素区の生育が窒素施用区及び8年目無窒素区に比して極端に悪かったこと,また転換1年目で多窒素区の増収割合が転換8年目に比して大きいことから転換初期で施用窒素への依存度の高いことを確認した。
  • 萬田 富治
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 361-368
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    同一原料草から圃場乾草,針金架乾草,サイレージを調製し,多湿乾草は収納時にプロピオン酸アンモニウム(ATP)を添加して,乾物損失率,栄養価を調べ,めん羊と牛による採食量および第一胃内容液,血液性状を比較した。これらの実験は,3年間にわたって繰り返し行なった。予乾サイレージは乾物損失率が低く,栄養価およびめん羊による栄養摂取量がもっともすぐれていた。針金架乾草は圃場乾草よりも乾物損失率が低く,栄養価が高く,めん羊による栄養摂取量も多かったが,予乾サイレージにはおよばなかった。水分30%の多湿乾草のベール時にATPを1%添加して保蔵した場合は発熱し,カビが発生したが,水分25%の多湿乾草に3%添加して保蔵した場合は発熱やカビ発生が防止され,無添加区よりも栄養価が高く,栄養摂取量も多かった。サイレージは乾草に比べると,第一胃内容液のVFAモル比は酢酸比が低く,プロピオン酸比と酪酸比が高く,発酵効率は勝れていた。しかし,原生動物数は少なかった。乾草の調製法間の比較では飼料成分や消化率と第一胃内容液のVFA組成の間には一定の関係はなかった。貯蔵中に発熱し,カビが発生した乾草を給与しためん羊では,血清中の総蛋白質濃度とグルコース濃度が低下する傾向を認めた。
  • 内田 仙二, 北村 征生
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 369-374
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    南西諸島で生産される暖地型牧草から,高品質サイレージを安定的に調製する方法について検討するために,石垣島で栽培されたローズグラス並びにネピアグラスを材料に使用し,各種処理による調製試験を現地において実施した。出穂初期のローズグラス(R)及び前回刈取後6週間目のネピアグラス(N)を,それぞれ収穫し,約1cmの切断長に細切して埋蔵に供した。4l容の実験用サイロを使用し,無処理(C),ブドウ糖2%添加(G),市販乳酸菌剤(Sila-bac)0.1%添加(S),ブドウ糖2%と乳酸菌剤0.1%を混合添加(GS),ギ酸0.5%添加(F)並びに材料草を5時間予乾した材料(W)によって,それぞれサイレージを調製した。でき上がりサイレージについて,有機酸組成,発酵的品質,乾物人工消化率などを調査した。FLIEG法による評点は,ローズグラスサイレージで,RC区52,RG区96,RS区30,RGS区98,RF区51,RW区98(点)であり,ネピアグラスサイレージで,NC区1,NG区99,NS区0,NGS区100,NF区56,NW区75(点)であった。両草によるサイレージとも,ブドウ糖添加並びにブドウ糖と乳酸菌剤の混合添加によって,乳酸生成が促進され顕著な品質改善がみられた。ギ酸の添加並びに材料の予乾によって,サイレージ発酵は総体的に抑制され品質改善が認められた。乳酸菌剤の単一添加による品質改善効果は認められなかった。乾物消化率は両サイレージとも,一般に発酵的品質のすぐれたものほど高い傾向にあったが,予乾サイレージのそれは品質良好でも低い値となった。
  • 内田 仙二, 北村 征生
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 375-380
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    南西諸島で生産される暖地型牧草から高栄養・高品質サイレージを調製するための基礎研究として,石垣島で栽培されたローズグラスとマメ科のスタイロ及びサイラトロを材料に用い,それぞれイネ科草とマメ科草の混合割合を変えた材料によるサイレージ調製試験を実施した。出穂初期のローズグラス並びに前回刈取後10週目のスタイロ及びサイラトロを,それぞれ収穫後ただちに約1cmに細切し,ローズグラスに対しスタイロ(S)またはサイラトロ(M)を生草重量で,100:0(0区),75:25(25区),50:50(50区),25:75(75区),0:100(100区)の割合に混合して実験用サイロに埋蔵した。でき上がりサイレージについて発酵的品質,有機酸組成,加熱乾燥試料による乾物人工消化率(IVDMD)などを調査した。サイレージのFLIEG法による評点は,スタイロ混合サイレージで,S0区52,S25区41,S50区41,S75区31,S100区24(点)であり,サイラトロ混合サイレージで,M0区52,M25区24,M50区15,M75区1,M100区5(点)であった。すなわち,両サイレージともマメ科の混合割合の増加に伴なって,発酵的品質は劣化する傾向にあり,混合割合と評点との間にスタイロサイレージでr=-0.97(P<0.01),サイラトロサイレージでr=-0.91(P<0.05)の有意な負の相関が認められた。そして,マメ科の混合割合の増加とともにサイレージの乳酸含量は減少し,VFA含量は増加する傾向を示した。サイレージのIVDMDは,マメ科割合の高い劣質サイレージで低下する傾向にあった。本試験の結果から,これら暖地型マメ科牧草の混合によって発酵的品質の低下する原因は緩衝能が高いことによることが示唆された。
  • 正岡 淑邦, 荒 智
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 381-388
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    ガスクロマトグラフ(GC)でサイレージ中の乳酸と揮発性脂肪酸(VFA)を同時定量する場合,抽出液中の有機酸をあらかじめ遊離処理させる必要があることを明らかにした。測定用カラムにはThermon-3000(Shimalite,TPA担体)を用いた。有機酸が塩の形態で存在するとこのカラムでは検出されなかった。塩を0.1%の硫酸酸性液にするとVFAは遊離し検出されたが十分でなく検量線は湾曲した。また乳酸は全く検出されなかった。その後,硫酸を含まない試料を注入しても乳酸のピークはあらわれず,硫酸添加による有機酸の遊離処理はこのカラムに不適当と思われた。一方,有機酸塩を陽イオン交換樹脂(1R-120)でバッチ法を用い遊離させると有機酸は完全に検出されたので,この方法でサイレージを分析した。サイレージ23点の有機酸量を陽イオン交換しないで測定すると陽イオン交換した場合に比べて乳酸では0-95.8%(平均71.3%),酢酸では81.8-108.1%(平均97.8%)であった。他のVFAには処理間に大きな差は認められなかった。抽出液中には乳酸やVFA以外の陰イオンも含まれており,この多くは無機イオンと考えられた。サイレージのpHが高くなると,あるいは総酸中の有機酸比率が多くなると乳酸の検出率が低下した。乳酸とVFAとの同時定量にはサイレージ抽出液中の有機酸を遊離化することが不可欠であり,陽イオン交換法が望ましいと結論した。
  • 正岡 淑邦, 高野 信雄, 太田 顯, 越智 茂登一
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 389-394
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    暖地型飼料作物の生育する土壌中の水分や肥料施与量が細胞壁成分におよぼす影響を検討した。まずライシメーターを使用し地下水位を5cmに保って9草種11系統の牧草を生育させ,自然降雨区に対する多湿区の相対生長量とセルラーゼによるin vitro細胞壁消化率(CWCD)の関係を草種間で比較した。次に水耕法でN,P,K,Ca,Mgの各供給量がソルガムの細胞壁生成におよぼす影響を検討した。多湿環境によっていずれの植物体もCWCDは低下した。ただし相対生長量が大きく耐湿性に優れたカブラブラグラス,オオクサキビとマカリカリグラスは多湿環境下での細胞壁の増加が少なく,相対的な消化率低下が小さくなった。各ミネラルとNの施用過剰または不足はソルガムの細胞壁増加を促し,その消化率を低下させた。とくにNの不足はリグニン化を早め難消化性の細胞壁比率を高めた。生育にストレスをあたえるような土壌水分や肥料環境は細胞壁の消化率低下を強ある点で一致した。
  • 細川 吉晴
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 395-401
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    草地利用を適切に行う牧柵を設計するために各種の牧柵と,架線の高さに応じて可変できる餌棚を設置して,供試牛2頭を用い,柵外の餌棚に対する放牧牛の頭出し行動を制御する牧柵構造を検討した。頭出し行動は架線間からの頭出し回数でとらえたが,スパンが2〜12m,餌位置が0.5〜1.5mの範囲における頭出し回数は,スパンが狭く,餌位置が牧柵架線から遠いほど少なくなった。また,3,4,5段の架線段数,有刺鉄線と丸鉄線とこれらの組み合わせの架線種類,および25kgfと50kgfの架線張力の条件下における頭出しの頻度は地上60〜100cmに多く,これは供試牛の体高の45〜75%に相当した。架線張力の差異は明らかでなかったが,有刺鉄線は丸鉄線や組み合わせ架線よりも牧柵からの頭出し行動を制御する機能が高かった。また架線張力は頭出し行動によって低下したが,このことは放牧牛が有刺鉄線の上側よりも下側から頭出しを行ったために生じやすいと思われた。
  • 細川 吉晴
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 402-407
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    牧柵架線に弛みがあれば放牧牛の脱柵行動がどのように行われるかについて,1群22頭で実験を行った。牧柵スパンの中央に10cmの弛みがある場合は,架線間への頭出し回数は弛みがない場合よりも1.3〜1.4倍多く,脱柵そのものの回数は4段張り牧柵よりも架線間隔の広い3段張り牧柵に多かった。こうした脱柵行動は,餌位置が1mのとき体高の38〜70%に当たる50〜90cmの架線間に多かった。また,コーナー柱が鉛直であれば架線が緊張しているため,頭出し回数はコーナー柱が約5度傾いた場合よりも多かったが,脱柵回数は架線が弛んだ後者の場合に多かった。さらに脱柵行動に伴う架線張力の変化は,弛みのない架線に顕著でその張力は47〜81%低下したが,弛んだ架線では張力の増減が若干生じた。したがって,脱柵行動を制御するには,全体的に50〜90cm間の架線を補強したり,コーナー柱を堅牢に設置すべきである。また,脱柵行動では脱柵経験牛や比較的体高の低い放牧牛が先導し,他の牛もこれに追随する群としての特徴が見られた。
  • 小川 増弘, 箭原 信男, 増淵 敏彦, 押部 明徳, 加茂 幹男, 中川西 弘之
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 408-413
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    アンモニア処理乾草を主体にし,稲わらを含む乾草14点について,緬羊を用いた消化試験によって実測されたTDN,DCP含量と各成分の含量との関係から,TDN及びDCP含量の推定式を検討した。OCC+OaとOb,OCCとOaあるいは粗蛋白質含量とDMDを用いた,それぞれのTDN含量に対する重回帰式,OCC+Oaの1次と2次の回帰式,DMD,OMDの2次回帰式などは,いずれも寄与率が高く,標準誤差は小さな値を示した。そのため,これらの回帰式はTDN含量の推定式として有効であると認められた。その中で,特に,OCC+Oaを独立変数とする2次回帰式,Y=16.651+1.494X-0.012X^2(Y:TDN含量,X:OCC+Oa)は寄与率が最も高く(R^2=0.951),標準誤差が最も小さく(Se=1.184),優れた推定式と判断された。DCP含量の推定では粗蛋白質含量を独立変数とする1次回帰式,Y=-2.100+0.684X(Y:DCP含量,X:粗蛋白質含量)は寄与率が高く(R^2=0.949),標準誤差が小さかった(Se=0.708).これらの回帰式はアンモニア処理乾草と同無処理乾草のどちらについても,そのTDN及びDCP含量を高い精度で推定可能な式であると判断された。
  • 石黒 哲也
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 414-416
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 正岡 淑邦, 高野 信雄
    原稿種別: 本文
    1987 年 32 巻 4 号 p. 417-418
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. 419-428
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. 429-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. 430-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1987 年 32 巻 4 号 p. Bi-Biii
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1987 年 32 巻 4 号 p. Biv-Bvii
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1987 年 32 巻 4 号 p. Bviii-Bx
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1987 年 32 巻 4 号 p. Bxi-Bxvii
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App6-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 32 巻 4 号 p. App7-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 32 巻 4 号 p. Cover15-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 32 巻 4 号 p. Cover16-
    発行日: 1987/01/31
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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