日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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33 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1988 年 33 巻 4 号 p. Cover13-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
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  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. i-ii
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. iii-iv
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 雑賀 優, 甘利 和明, 鈴木 信治
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 309-314
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
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    増殖世代経過に伴う特性変化を明らかにする目的で,イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)3品種について,育種家種子,原種及び市販種子の特性を長野県佐久市と栃木県西那須野町で比較した。佐久と西那須野における品種特性値の差は,出穂始日,穂先端高を含めたほとんどの形質で「ミナミワセ」より「ナスヒカリ」の方が大きかった。世代間に有意差が認められる形質数は「ミナミワセ」が「ナスヒカリ」及び「ヤマアオバ」に比較して低く,品種内変異の小さい品種で低い傾向が認められた。また形質間比較では出穂始日に有意差が認められる頻度が高かった。増殖世代経過に伴う出穂始日の特性値変化は,「ミナミワセ」では一定の傾向が認められなかったが「ナスヒカリ」と「ヤマアオバ」では早生化し,穂先端高等の草丈に関連するいくつかの形質では,佐久における「ミナミワセ」を除いて高くなる傾向がみられた。採種年次の異なる育種家種子ロット間の比較を「ナスヒカリ」について行ったところ,出穂始日を含むいくつかの形質で有意差が認められた。2場所間の特性値の差,育種家種子と原種の特性値の差及び育種家種子ロット間の特性値変化は,種子が国内で増殖される場合でも特性変化に十分な配慮が必要なことを示唆している。
  • 雑賀 優, 甘利 和明, 鈴木 信治
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 315-320
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
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    増殖世代経過に伴う特性変化を明らかにする目的で,オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)2品種について,育種家種子,原種及び市販種子の特性を長野県佐久市と栃木県西那須野町で比較した。増殖世代間に有意差が認められる形質数は,「オカミドリ」が「アオナミ」に比較して少なかった。これら2品種に関する限り,有意差が認められる頻度は出穂始日の品種内変異の大きさと関係していた。世代経過に伴う特性値の変化は,両品種とも出穂始日は播種翌年で早生化の傾向が,草丈に該当する穂先端高では高くなる傾向がみられた。出穂始目の世代間差は播種翌年に比較し翌々年では縮小し,穂先端高は逆に拡大した。採種年次の異なる育種家種子ロット間の比較を「オカミドリ」について行ったところ,止葉長で変化した可能性が高いが,他の重要な特性変化は認められなかった。オーチャードグラスの特性変化を検定する場合,秋播き地帯では翌年の出穂が十分でないため,翌年だけのしかも1場所の調査結果では不足と考えられる。
  • 津川 兵衛, サセック トーマス, 丹下 宗俊, 西川 欣一
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 321-331
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
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    クズの分枝構造ならびに茎葉生産に関する基礎データを得る目的で,地面にほ伏した茎について茎上に芽が形成された年(第1年目)とその翌年(第2年目)における萌芽様式を調べた。第1年目には,節にある3腋芽のうち,中央芽は左右の芽に対して優先的に萌芽する傾向があった。中央芽が発育不全で枯死・脱落し,左右の芽が休眠中の節(node type B)の割合は,主茎と分枝を平均すると,85%以上と最大であった。3つの芽とも休眠の節(node type A)と左右の芽は休眠し,中央芽が分枝を発生した節(node type C)の割合はともに約6%であった。node type Aは主茎,分枝とも茎の上部,中央部よりも下部に多かったが,node type Cは茎の上部ほど多かった。node type Bは上部,下部よりも中央部の方がわずかに多かった。主茎と分枝あるいは茎の部位により差はあるが,67〜84%の茎が第1年目を休眠のまますごした。第2年目には,中央芽優先の萌芽傾向は第1年目より少しは弱まるが,維持された。node type BとCよりもAの節の休眠芽の方が第2年目も休眠する傾向が強かった。また,茎の下部ほど休眠芽の割合が高く,逆に上部ほど萌芽する芽の割合が高かった。以上に述べた結果は,芽の休眠とその打破に関与する植物ホルモンの生産と集積ならびに茎と芽の維管束連絡の低下によってもたらされ,クズ特有の分枝構造ひいては茎葉生産構造の確立に寄与しているとみられる。
  • 菅原 和夫, 伊沢 健
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 332-337
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
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    オーチャードグラスをN水準(N,3N区)を変えて栽培し,刈取後の再生葉身の発育およびクロロフィル(Chl.),N,P,可溶性炭水化物など光合成と関連の深い成分の変化を調べた。刈取7日目までは両処理区とも再生組織の大部分は切断葉身であったが,10日日以後は切断葉身と完全葉身とからなった。3NはN区にくらべ,再生速度や葉の展開速度が速く,再生地上部にしめる葉身重の割合も大きい。葉身のChl.含有率は,N区の切断葉,3N区の完全葉では10日目にはほぼ最高値を示し,その後の変化は少いが,3N区の切断葉ではさらに高含有率となる。N区の完全葉ではChl.濃度の増加速度が他とくらべ著しく遅い。TCA不溶性N(TCA ins-N)含有率は,刈取直後より3N区がN区より高いが,両区とも一時減少し,その後Chl.の増加にともない5日目頃より再び増加する。切断葉,完全葉とも10〜14日目に最高値を示す。従ってChl./TCA inS-N曲線は,Chl.含有率の低いN区の完全葉をのぞき,10〜14日目に勾配が緩慢となった。なお3N区の切断葉での10日目以後のChl.集積時にはTCA ins-Nの増加は伴わなかった。TCA ins-P,85% Ethanol可溶糖とも3N区がN区より高く,10日日頃に最高値を示した。再生期を7日目までの初期とそれ以後の中後期に分けてみると,高N栄養では低Nにくらべ,初期は伸長とChl.の増加速度が,中期以後は個体当りの葉身数とChl.含有量が特に勝っている。また低N栄養の完全葉では,Chl.の集積が著しく遅れるなどN栄養により葉身の緑化速度に顕著な差が認められた。再生葉へのN給源として,前期の葉身(大部分が切断葉)では刈株の貯蔵-Nが,中期以後のものでは再生過程の吸収-Nが重要と考えられる。
  • 高橋 佳孝, 大谷 一郎, 魚住 順, 余田 康郎, 五十嵐 良造
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 338-344
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    寒地型牧草における根滲出物の生長抑制作用の草種間差異を明らかにするため,9種の牧草を砂耕栽培している"ドナーポット"(対照区は砂のみ)からの流出液を,"レシーバポット"に砂耕栽培している牧草に定期的に灌注し,それらの生育反応を地上部乾物重によって比較した。得られた結果の概要は以下のとおりである。1. 各ドナー牧草の滲出物は同種または異種のレシーバ牧草の生育を抑制あるいは促進したが,全レシーバ草種を平均してみるといずれも抑制的で,この平均的抑制作用はペレニアルライグラスが最も高く,ルーサンが最も低かった。一方,個々のレシーバ牧草の反応をみると,オーチャードグラス,ペレニアルライグラス,レッドトップ,リードカナリーグラスおよびアルサイククローバの5草種はすべてのドナー牧草の滲出物によって生育が抑制され,また,ルーサンを除くすべての草種では,ドナー牧草9処理区の平均乾物重が対照区よりも劣った。2. マメ科牧草の滲出物を受けたレシーバ牧草の乾物重は概してイネ科牧草滲出物の処理区に比べて高く,この傾向はルーサンとシロクローバでとくに顕著に認められた。3. アルサイククローバ,シロクローバ,ペレニアルライグラスの3草種は異学種の滲出物より同一草種の滲出物によって生育をより強く阻害され,その他の草種では異なる草種の滲出物による抑制度の方がむしろ大きかった。また,異草種の滲出物に対する感受性の大きい草種ほど同一草種の滲出物に対する感受性も高いという一般的傾向が認められた。
  • キム サントク A., 吉田 重方, 大久保 忠旦, 佳山 良正
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 345-355
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    放牧地および採草地に生育する牧草,雑草のカリウム含有率の実態調査を行うとともに,牧草のカリウム含有率と土壌中の交換性カリウム含量および牧草収量の関係について検討した。その結果,下記のことが明らかとなった。同一時期における放牧地と採草地の牧草の平均カリウム含有率は供試草種(イタリアンライグラス,オーチャードグラス,トールフェスク,アルファルファ,アカクローバ,シロクローバ,カラスノエンドウ)のすべてにおいて,後者に比べて前者で高かった。また,草種の中では採草地,放牧地のいずれにおいてもシロクローバが最も高く,トールフェスクが最も低かった。オーチャードグラス放牧地のカリウム含有率の年間の変動幅(5.8〜1.5%/乾物)はトールフェスク放牧地のもの(3.8〜2.0%/乾物)に比べて大きく,その平均含有率も高かった。また,上記の放牧地に隣接する採草地に自生する雑草のカリウム含有率は5.9〜1.9%/乾物の範囲内にあった。上記の両放牧地の土壌中交換性カリウム含量はほぼ同一の年間変動を示し,その変動幅はオーチャードグラス放牧地では35〜62mg/100g土壌(平均48.3mg),トールフェスク放牧地では33〜61mg/100g土壌(平均44.4mg)であった。しかし,いずれの放牧地においても,土壌中交換性カリウム含量と牧草のカリウム含有率の間には有意な相関関係はみられなかった。オーチャードグラス採草地における牧草のカリウム含有率と刈取り後の土壌中の交換性カリウム含量を調査したところ,土壌中の交換性カリウム含量が10〜25mg/100g土壌範囲内にある場合には両者の間に一定の関係がなかったが,10〜65mg/100g土壌の範囲内にある場合には両者の間に5%水準で有意な正の相関関係が認められた。また,その場合,土壌中交換性カリウム含量が25mg/100g土壌までは土壌中交換性カリウム含量の増加に伴って牧草中カリウム含有率が3.5%位まで上がり,草収量も高まる傾向にあった。これらの結果から,トールフェスクに比べてオーチャードグラスのカリウム感応性は高いが,後者の放牧草地には適正値以上のカリウム肥沃度があり,カリウムが牧草生育の制限要因として働いていないものと考えられた。
  • 名田 陽一, 高橋 俊
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 356-362
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    前植生の生産力を生かし,かつ新しい草種を追播で導入するために,追播に適する草種の選定を行った。さらに,放牧地における追播法として,追播直後から放牧を続け,前植生による披陰を除去する方法の可否を検討した。追播法はすべてドリル播きにした。まず,1区面積1.5m×1.5mの小規模試験で8草種の放牧および採草条件下における追播適性を比較した。放牧地の前植生はケンタッキーブルーグラス主体であり,採草地はオーチャードグラス主体であった。追播翌年の結果では,ペレニアルライグラスとアカクローバが放牧地,採草地ともに定着が良好であった。また,トールフェスク,チモシー,アルファルファは定着がみられなかった。オーチャードグラス,シロクローバ,メドゥフェスクは,播種当年の定着は確認されたが,翌年には既存牧草との区別が出来ず,追播のための適否は判定出来なかった。つぎに,比較的大規模にペレニアルライグラス,シロクローバ,トールフェスクをそれぞれ放牧地に追播し,放牧条件下における各草種の定着を調査した。その結果,ペレニアルライグラスおよびシロクローバは十分な定着を得たが,トールフェスクの定着はみられなかった。以上の結果から,ペレニアルライグラス,アカクローバ,シロクローバは追播に適することが判明した。また,追播直後からの放牧は,追播幼植物が喫食されたり踏圧を受ける不利益以上に前植生による被陰がとり除かれる益があり,定着に有利なことが判明した。
  • 名田 陽一, 高橋 俊, 佐藤 康夫
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 363-370
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    アカクローバをオーチャードグラスまたはチモシー主体の採草地へ追播するために,除草剤による前植生の一時的抑圧を検討した。試験1では,完全枯殺用除草剤であるグリホサートを少量散布し,前植生を長期間抑圧し,かつ再生を期待する試験を行った。試験2では,パラコート除草剤を前植生の一時的抑圧に用いる場合の薬量を0,200,300,500cc/10aの処理区について検討した。試験3では,パラコート散布後のアカクローバ追播のための追播時期を,6月1日より9月15日までの半月ごとに検討した。グリホサート少量散布の予備試験では,散布量は50〜30cc/10aが適当であり,それ以上の散布は前植生であるオーチャードグラス株を減少せしめることが判明した。本試験では,除草剤散布後アカクローバをドリル状に追播した結果,アカクローバの定着は,パラコート300cc/10a区,グリホサート50cc/10a区,同30cc/10a区,除草剤無散布区の順に良好であった。パラコートの散布量試験では,200cc/10a散布が適当であった。パラコート散布後のアカクローバの追播時期の試験では,8月1日,8月15日播種区の定着が悪く,平均気温19℃を越える夏期の追播は好ましくないことが判明した。
  • 平田 昌彦, 杉本 安寛, 上野 昌彦
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 371-386
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge)放牧草地において,ホルスタイン育成牛を用いた輪換放牧を行い,家畜の排糞が草高ならびに採食量(被食量)におよぼす影響について調査した。このために,草地に3つの処理を施した;ND処理(糞を置かない処理),JD処理(6月に糞を人為的に置いた処理),AD処理(8月に糞を人為的に置いた処理)。また,糞の消失速度についても調査した。1. 糞の消失は,AD処理のほうがJD処理よりかなり遅かった。2. JD,AD処理の草高は,一般に,糞を置いたのち最初の放牧後からND処理に比べて高い値をとった。この排糞による草高の増加は,JD処理よりAD処理においてかなり長く続いた。3. JD,AD処理における採食量は,おおむね,糞を置いたのち最初の放牧でND処理に比べて低下した。この排糞による採食量の低下は,JD処理よりAD処理で大きく長くみられた。さらに,それ以降の放牧では一般に,JD,AD処理における採食量はND処理と比べてほぼ等しいか高い値を示した。4. 家畜の排糞により草高や採食量が影響を受けた面積は,JD処理よりAD処理のほうが大きかった。5.JD,AD処理における年間採食量はND処理とほぼ等しい値を示した。しかし,その部位別割合には処理間でいくらかの違いがみられた。
  • 平田 昌彦, 杉本 安寛, 上野 昌彦
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 387-395
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge)放牧草地において,ホルスタイン育成牛を輪換放牧し,家畜の排糞が草地の植物体ならびにリクー乾物重におよぼす影響について調査した。草地には3つの処理が施された;ND処理(糞を置かない処理),JD処理(6月に糞を人為的に置いた処理),AD処理(8月に糞を人為的に置いた処理)。1. JD処理では,植物体ならびにリター乾物重ともND処理と同様な値をとった。AD処理では,植物体乾物重はND処理に比べ高い値をとったが,リター乾物重はND処理と同様な値をとった。2. JDおよびAD処理では,糞を置いたのち,ND処理に比べ,剪葉の程度(採食利用率,被食率)が低下した。この剪葉の程度の低下は,JD処理に比べAD処理において大きく長くみられたが,このことには,糞の消失がJD処理に比べAD処理で遅いことが関係しているものと考えられた。3. 以上の結果より,JD・AD処理間で,植物体乾物重におよぼす家畜の排糞の影響が異る理由の1つとして,糞を置いたのちにみられる剪葉の程度の低下に違いがあることが指摘された。
  • 大島 光昭, 長友 武志, 窪田 拓男, 田野 仁, 岡島 毅, 佳山 良正
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 396-401
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    1986年4月17日刈り取りの生育期のイタリアンライグラスから天日乾草およびサイレージを調製するとともに,これを破砕後,生重の50%を脱汁して得た搾汁粕(プレスケーキ)からも同様の方法で乾草およびサイレージを調製し,それらの栄養価をヤギによる4×4のラテン方格法で比較した。天候不順により,乾燥に5日を要した。サイレージ品質は,いずれも優れていた。プレスケーキの一般成分組成は原料草に比し粗繊維が多く,他の成分が少なかった。粗蛋白質,粗脂肪およびNFEの消化率は,サイレージよりも乾草で,また原料草よりもプレスケーキで低かった。そしてこれらの差が,乾物および有機物の消化率やTDNおよび可消化エネルギー含量に反映された。粗繊維の消化率は,飼料間に有意差が認められなかった。ヤギの窒素蓄積率は,原料草の乾草およびサイレージとプレスケーキサイレージの間に差がなく,プレスケーキ乾草のみが劣った。以上の結果は,プレスケーキを貯蔵する場合,悪条件下で天日乾燥すると著しい栄養価の低下を招くが,サイレージではその程度が低く,プレスケーキサイレージの消化性は原料草乾草と等しく,その窒素のヤギによる利用性は原料草乾草のみならず,消化率でやや優る原料草サイレージとも変わらぬことを示している。よって,プレスケーキと原料草の栄養価を比較する場合,貯蔵法をも考慮に入れる必要があろう。
  • 細川 吉晴
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 402-408
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    放牧牛と脱柵の前兆として架線間からの頭出し行動を規制する牧柵構造を検討する必要がある。柵柱間隔を2,3,4,6,8,12mとし,3段張りの有刺鉄線,4段張りおよび5段張りの有刺鉄線と組み合わせ架線の牧柵構造に対し,体高127.4cm,体重456kg(いずれも平均)の日本短角種と体高125.9cm,体重395kg(いずれも平均)の黒毛和種の各々成雌牛2頭ずつを供試し,牧柵ラインから90cmの位置に撒いた濃厚飼料を採食するために180秒間にどの架線間から頭出しを行うかその回数と時間を測定した。なお,架線張力は各試験前に20kgfに調整するとともに試験後にも測定した。放牧牛の架線間からの頭出し回数は,黒毛和種が日本短角種よりも多く,組み合わせ架線が有刺鉄線よりも多く,頭出し時間は逆に頭出し回数が多いほど短かった。頭出し行動と柵柱間隔との関係は明らかにならなかった。また,頭出し回数1回当たりの時間は,柵柱間隔が広いほど長くなる傾向があり,架線高さでは5段張りで40〜60cm,4段張りで30〜90cm,3段張りで40〜80cm間に長かった。とくに,5段張りでは高さ40cmの架線下から前脚を折り曲げて採食する行動が目立ったので,最下段の架線は地上30cm程度とし架線高さ約30〜80cm間を強固にし,有刺鉄線4段張りの牧柵では,柵外への頭出し時間から判断して柵柱間隔を最大6mとすべきである。さらに,放牧牛の頭出し行動後の架線張力の低下は頭出し回数が多かった個所に多く,とくに架線間隔をなす上側架線に目立った。これらの張力低下は日本短角種よりは黒毛和種に,有刺鉄線よりは組み合わせ架線に顕著であった。
  • 細川 吉晴
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 409-414
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    放牧牛の頭出し行動を規制する牧柵構造を把握するために,柵柱間隔4,5および6mで架線高さ30〜80cmの間隔を狭めた有刺鉄線4段張り牧柵に,日本短角種と黒毛和種の各々成雌牛2頭ずつを供試して試験を行った。なお,架線の高さは慣行型が地上30,30,30,30cmで,試作I型が30,25,25,40cmで,試作II型が30,20,25,35cmである。放牧牛の架線間からの頭出し回数は,柵柱間隔が短くなるほど少なくなり,試作I・II型が慣行型よりも少なくなり,30〜80cmの架線間隔を狭めた効果がみられた。架線張力の低下は頭出し回数が少なくなるほど小さくなり,試作II型が最も小さかった。架線間からの最長頭出し時間は,日本短角種が30〜80cm間に1頭・試験当たり約20秒以内であり,黒毛和種が0〜50cm間に約10秒以内で,試作II型の柵柱間隔4mの場合はほかの牧柵と比べて最も短かかった。また,有刺鉄線4段張り牧柵では,隔障機能の指標として積算頭出し時間(試験時間180秒間)を検討した結果,この数値の上限値が90秒の柵柱間隔4mの試作II型が最も脱柵を規制する構造であると思われた。
  • 丹比 邦保, 熊井 清雄, 福見 良平, 堀内 悦夫
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 415-417
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 鹽見 正衞, 斎藤 吉満
    原稿種別: 本文
    1988 年 33 巻 4 号 p. 418-427
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 文献目録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. 428-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. 429-430
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. 432-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. 433-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1988 年 33 巻 4 号 p. Ai-Aiii
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 目次
    1988 年 33 巻 4 号 p. Aiv-Avii
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1988 年 33 巻 4 号 p. Aviii-Axi
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 索引
    1988 年 33 巻 4 号 p. Axii-Axix
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年 33 巻 4 号 p. App3-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1988 年 33 巻 4 号 p. Cover14-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 表紙
    1988 年 33 巻 4 号 p. Cover15-
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
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