ソルガムの散播栽培では,出芽数の安定確保が難しく,作業方法によっては,播種後の出芽・定着が不良なことがある。そこで,本研究ではソルガム品種「葉月」を散播厚播きした直後に数種の土壌撹拌と鎮圧方法を組合せた土壌表層処理を行い,出芽に及ぼす影響を検討した。播種後にロータリにより深さ5cm程度の土壌撹拌を行うと,鎮圧の有無・強さに関係なく高い出芽率が得られた。播種後に土壌撹拌を全く行わない場合,無鎮圧は勿論のこと軽い鎮圧でも十分な出芽率が得られなかったが,中度あるいは強度の鎮圧を行うと出芽率が増加した。播種直後に強度の土壌撹拌を行うと出芽が抑制され,特に鎮圧が組み合わされると出芽率は目立って低下した。以上の結果から,ソルガムの出芽を安定的に高く維持するには軽度に土壌撹拌するか,土壌撹拌しない場合は,中度あるいは強度の鎮圧する方法が望ましいと考えられた。
抄録全体を表示