北海道東部の乳牛を集約放牧するメドゥフェスク・シロクローバ混播草地に対する施肥適量を明らかにするため,少肥区と対照区の2施肥処理を比較した。少肥区の施肥量は,チモシー・シロクローバ混播放牧草地の施肥適量に準じ,N, P_2O_5, K_2Oの順に45, 45, 48kg/ha,対照区は北海道施肥標準に準じ,72, 96, 132 kg/haとした。少肥区では放牧前の草量が対照区を下回ることがあったが,採食量が対照区に劣ることはなかった。放牧草と土壌のリン酸とカリウム含量には,少肥区よりも対照区で蓄積傾向が明瞭であった。また,放牧草の飼料品質から見ても,少肥区の優位性が高かった。以上により,本試験で供試したるメドゥフェスク・シロクローバ混播放牧草地(普通黒ボク土,有効態リン酸含量39 mg/100g,交換性カリウム29mg/100g)の施肥適量としては,掃除刈りを実施しない条件で,少肥区の施肥量が適切と結論した。
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