日本草地学会誌
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65 巻, 4 号
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研究報告
  • 小倉 振一郎, 前川 悠衣, 田中 繁史
    2020 年 65 巻 4 号 p. 231-235
    発行日: 2020/01/15
    公開日: 2020/05/22
    ジャーナル オープンアクセス

    桑園放牧経験がウシの桑葉摂食行動に及ぼす影響を明らかにするため,遊休桑園に放牧区を3つ設置し,黒毛和種成雌牛6頭(うち3頭は前年に桑園放牧経験有り,3頭は経験無し)を2頭ずつ6-7月に放牧した。放牧開始日に各個体を追跡し,桑葉の摂食様式を記録した。放牧経験のある個体は経験のない個体に比べ,高い位置にある桑の枝葉の引き下ろし回数が多かった(P < 0.01)。また,当年枝を舌で巻き取りながら複数枚の桑葉を1口で摂食する頻度が高く,桑葉の直接捕捉による摂食は少なかった(P < 0.001)。一方,放牧経験のない全ての個体で,当年枝の摂食失敗が確認された(P < 0.001)。桑樹の折り倒しは,放牧経験のある個体でのみ確認された。以上より,ウシは桑園放牧経験を通じて摂食様式を学習しながら発達させ,桑葉の摂食効率を高めている可能性がある。

  • 神園 巴美, 嶝野 英子, 内野 宙, 河本 英憲, 出口 新, 魚住 順
    2020 年 65 巻 4 号 p. 236-241
    発行日: 2020/01/15
    公開日: 2020/05/22
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,国内食用ダイズ品種(タチナガハ,きぬさやか,リュウホウ,スズカリ,ふくいぶき)について生育ステージ別(子実肥大盛期,黄葉中期)に化学成分含量を調査し,予乾および乳酸菌添加がホールクロップサイレージ発酵品質に及ぼす影響を検討した。その結果,タンパク質含量は品種や生育ステージの違いによらず20 %以上の値を維持した。その他の成分については特に,脂肪含量で品種間差が認められた。サイレージ発酵品質については品種の違いによらず,牧草体系を想定した子実肥大盛期では予乾処理,ダイレクトカット収穫体系を想定した黄葉中期では乳酸菌添加処理が良質な発酵品質を得るために有効であることが示された。以上から,国内食用ダイズ品種のホールクロップサイレージとしての潜在的能力が明らかとなった。

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