日本草地学会誌
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研究報告
  • 足利 和紀, 出口 健三郎
    2019 年 65 巻 3 号 p. 167-172
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル 認証あり

    チモシーのシバムギ(QG)およびリードカナリーグラス(RCG)に対する競合力の栄養系間差異と評価方法について,両雑草との混植下においてチモシーの20栄養系を用いて検討した。その結果,乾物重について大半の収穫時において有意な栄養系間差異と中程度から高い広義の遺伝率が認められ,育種改良の可能性が示唆された。また,本競合力の指標である2か年合計乾物重は両雑草競合条件間で強い遺伝相関を示し,さらに1,2番草収穫時の草勢と1,2番草収穫後の再生草勢は2か年合計乾物重と強い遺伝相関を示した。したがって,RCG競合条件と比べチモシーへの抑圧が過大でなく,調査がより簡便であるQG競合条件において草勢を評価することにより省力的な選抜が可能と結論づけられた。

  • 足利 和紀, 出口 健三郎
    2019 年 65 巻 3 号 p. 173-183
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル 認証あり

    チモシーのシバムギとリードカナリーグラスに対する競合力の無競合条件での間接選抜の可能性とマメ科牧草に対する競合力選抜方法であるシロクローバ(WC)競合条件選抜の有効性について,チモシーの20もしくは25栄養系を用いた2試験から検討した。その結果,本競合力の指標の雑草競合条件での2か年合計乾物重に対し,無競合条件での早春・1および2番草の草勢,2番草草高について比較的強い遺伝相関と間接選抜効率が認められ,重回帰分析と正準判別分析からはその他に1番草茎数密度,2番草節間伸長茎割合が有意に選択され,これらを指標とした無競合条件での間接選抜の有効性が示唆された。一方,WC競合条件でのこれら解析結果からは,間接選抜の適用は困難であり,本選抜のみでは不十分な場合もあることが示唆された。

  • 足利 和紀, 出口 健三郎
    2019 年 65 巻 3 号 p. 184-194
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル 認証あり

    チモシーの地下茎型イネ科雑草に対する競合力の選抜方法の有効性を確認するために,5品種系統と20または25栄養系を用いたシバムギ競合条件での3試験から,雑草競合条件で選抜された栄養系群の後代と無競合条件で間接選抜された栄養系群の特性について検討し,収量性以外の他の主要形質との同時改良の可能性についても検討した。その結果,選抜上位群後代は選抜下位群後代と比べ有意に多収であり,個体植条件下での選抜が後代でも,さらには群落条件下でも有効であることが示唆された。また,間接選抜群は未選抜群に比べ有意に多収であり,無競合条件での間接選抜の有効性が示唆された。一方,耐倒伏性や栄養価形質との同時改良に際しては,障害となりうる相関関係が認められる場合もあり,有望な遺伝子型間で交配していく必要があると考えられた。

  • 小橋 有里, 関 誠, 宮腰 雄一
    2019 年 65 巻 3 号 p. 195-203
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル 認証あり

    分離給与条件における泌乳牛への籾米サイレージの最大可能給与量を検討するために,in situ法により調製方法の違いが第一胃内乾物消失率に与える影響を明らかにするとともに,泌乳前期から後期の牛9頭を供試し,全飼料中の20%に当たる籾米サイレージを1日2回,または4回に分けて給与する飼養試験を行った。籾米はサイレージ調製により,また破砕粒度を細かくすることにより培養初期の第一胃内乾物消失率が高まった。乾物摂取量,乳量,乳成分などの飼養成績,第一胃液や血液の性状に飼料や給与方法による影響は認められなかったが,2頭で籾米サイレージを完食できない日が確認された。これらの結果から,分離給与条件における籾米サイレージの最大可能給与量は全飼料中の20%程度であると推察された。

植物遺伝資源利用における課題と今後の展開
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