日本草地学会誌
Online ISSN : 2188-6555
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66 巻, 2 号
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研究報告
  • 住田 憲俊
    2020 年 66 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2020/07/15
    公開日: 2021/03/25
    ジャーナル オープンアクセス

    2015年5月から2017年9月に,プラウを用いて耕起反転作業を行い播種する体系(慣行耕耘体系)と耕耘作業を省略もしくは簡易化して播種する体系(簡易耕体系)によりトウモロコシとイタリアンライグラスの二毛作栽培を行い,各体系における両作物の乾物収量を比較した。簡易耕体系では,プラウでの耕起反転を行わず縦軸型ハローで二作とも耕耘播種を行う体系(簡易耕体系1)とトウモロコシは不耕起播種で行いイタリアンライグラスはディスクハローもしくは縦軸型ハローで簡易耕する体系(簡易耕体系2)を設定した。二作とも縦軸型ハローを用いた簡易耕体系1での3年間の平均トウモロコシ乾物収量は1929kg/10a, その間の2年間の平均イタリアンライグラス乾物収量は1131kg/10aだった。慣行耕耘では,トウモロコシが1915kg/10a, イタリアンライグラスが986kg/10aで,二作とも縦軸型ハローを使用した簡易耕体系1とプラウを使用した慣行耕耘体系に乾物収量の差はなかった。一方,トウモロコシの不耕起播種を行った簡易耕体系2では,慣行耕耘と比べて2016年のトウモロコシ乾物収量が21-23%減収した。また,慣行耕耘体系では簡易耕体系に比べてイタリアンライグラスの乾物収量については2年間とも有意な差はなかった。

  • 藤原 和史, 杉浦 綾, 鶴田 克之
    2020 年 66 巻 2 号 p. 81-90
    発行日: 2020/07/15
    公開日: 2021/03/25
    ジャーナル オープンアクセス

    採草地管理は,労力面などから往々にして草地更新を行わず雑草が侵入し易くなっている。そこで,本研究では,無人航空機による空撮画像を基に,主要雑草の1つであるギシギシ類を畳み込みニューラルネットワークで検出できるソフトウェアの開発を目的とした。無人航空機により採草地(8,240m2)を高度10mで空撮後,画像からギシギシ類とギシギシ類以外箇所を切り取った。その後,畳み込みニューラルネットワークで,ギシギシ類識別モデルを作成した。この識別モデルを汎用プログラム言語Pythonで実装し,雑草検出ソフトウェアを作成した。最後に,1番草から3番草までの各時期12枚の空撮画像から評価を行った。その結果,目視による検出に対して,開発ソフトウェアによる検出率は1番草では85.4%,2番草では78.6%,3番草では93.0%であった。

放牧・酪農による中山間地活性化の可能性を探る
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