地理学評論 Series A
Online ISSN : 2185-1751
Print ISSN : 1883-4388
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84 巻 , 4 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
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論説
  • 森嶋 俊行
    原稿種別: 論説
    84 巻 (2011) 4 号 p. 305-323
    公開日: 2015/09/28
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,近代化産業遺産保存活用の動きが広まる過程を分析することにより,鉱工業都市の脱工業化段階での都市構造や産業構造の再編に対し,中核企業と地域各主体の関係がどう投影されるかを論じることである.具体的な事例として大牟田・荒尾地域における石炭産業関連近代化産業遺産の保存活用運動を挙げ,これを検討した.当該地域における近代化産業遺産保存活用の実践は,産業特性や立地の条件によってもたらされる地域産業構造変化に加え,中核企業の歴史的な起源と地域政策に左右され,中核企業による遊休不動産処分施策に対応するかたちで進行した.保存活用運動に関連する主体は,当初は企業や自治体であったが,後にNPOや地域住民も参加するようになった.これらの主体は,「国家」「地域」「経済」「文化」といった観点から価値を主張するようになった.近代化産業遺産に対するまなざしの変化と多元化は,地域経済の変化とあいまって,保存活用の実践形態の多様化に作用した.
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  • 市川 康夫
    原稿種別: 論説
    84 巻 (2011) 4 号 p. 324-344
    公開日: 2015/09/28
    ジャーナル フリー
    本稿は,長野県飯島町を事例に農業集落という限られた範囲を超えて設立された広域的地域営農の存立形態を,それを構成する多様な主体の役割やそれら相互の連関の分析から明らかにすることを目的としている.研究対象地域では,農業従事者の高齢化が進み,農外就業機会に恵まれていることから小規模兼業農家が多く存在している.また,中山間農業地域で特徴的な傾斜地水田が卓越していることから,草刈りを中心とした畦畔管理が,飯島町の農業生産性向上を阻害している.この地域では,複数の農業集落から構成される地区を単位に,多様な主体を取り込んだ広域的地域営農が展開している.各主体がそれぞれの役割を担いながら相互に連携していること,さらに小規模兼業農家や高齢者,非農家の労働力を農作業・農地管理作業に積極的に活用することが,広域的地域営農存立の重要な基盤となっている.
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短報
  • 上杉 昌也, 浅見 泰司
    原稿種別: 短報
    84 巻 (2011) 4 号 p. 345-357
    公開日: 2015/09/28
    ジャーナル フリー
    本稿では, 所得格差が広がったとされる1990年代後半以降, 小地域レベルにおいて世帯収入階層による居住分化が進んだかどうかを検証し, その要因や背景について考察した.初めに町丁目単位での所得分布を推定する方法を提示し, 1998年と2003年の東京都大田区を事例にその空間分布を比較した.その結果, 5年間における世帯収入水準は全体的に低下する中で空間的にも居住分化の進展の兆しが見られた.これは持家世帯や単身世帯の居住分化が高まったことに付随するものと考えられるが, 貧困層の空間的隔離が問題視される北米の諸都市と比べればいまだ低い水準である.大田区で居住分化が進んだ要因を居住地移動から分析した結果, 近隣移動が居住分化の進展に寄与している可能性が大きいといえる.他方で大田区では脱工業化を背景として, 地区によっては区外からの流入も含めた短期間で大量の人口流入が居住分化を抑制していることも予想される.
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  • 堀 和明, 廣内 大助
    原稿種別: 短報
    84 巻 (2011) 4 号 p. 358-368
    公開日: 2015/09/28
    ジャーナル フリー
    2004年7月の福井豪雨は足羽川の谷底低地に大きな被害をもたらした.特に人工堤防の決壊は, 多くの地点に破堤堆積物を残した.本研究では現地調査や空中写真判読にもとづき, 福井市高田町における破堤堆積物の特徴を記述した.また, 低地上の過去の農地配列や低地を構成する地層をもとに, この地域で生じてきた洪水の性質も検討した.破堤堆積物の特徴は以下の通りである.(1)人工堤防や河床から供給された可能性の高い巨礫が破堤箇所前面にローブ状あるいは舌状に広がる.(2)砂質堆積物は洪水流の流下方向に200 m以上にわたって分布する.層厚は最大80 cm程度であり, 下流側への層厚の減少は顕著ではない.(3)砂質堆積物が分布する南側では乾裂のみられる泥質堆積物が地表面付近を覆う.また, 耕地整理前の農地配列は今回と同様の洪水が繰り返しこの低地で生じてきたことを示唆する.
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  • 高屋 康彦, 小口 千明
    原稿種別: 短報
    84 巻 (2011) 4 号 p. 369-376
    公開日: 2015/09/28
    ジャーナル フリー
    史跡・吉見百穴の坑道壁面における凝灰岩の塩類風化による岩屑生産の速度を把握し, 塩類と岩屑の量的関係を求めるため, 崩落物質を回収する現地調査を1年間にわたって実施した.温度・湿度がともに低い冬から春先には粒状の風化による岩屑生産が著しく, それ以外の時期には岩屑量は非常に少なかった.壁面で観察された析出鉱物としては, 冬から春先にかけてはナトリウムミョウバンおよびハロトリカイトが顕著であり, 石膏とジャロサイトは年間を通して認められた.岩屑量および析出する鉱物種の季節性から, 塩類の析出に伴う岩屑生産に最も寄与している鉱物はナトリウムミョウバンおよびハロトリカイトであると考えられる.崩落した岩屑量と塩類量との間には一次の相関があることが明らかになった.
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