本研究では,シカとイノシシの捕獲数が多い岡山県美作市を研究対象地域とし,1990年代以降,野生動物による農業被害が深刻化する中で,狩猟活動がどのように変化してきたかを検討した.美作市は有害駆除捕獲や防護柵整備を中心に対策を進めてきたが,多くの農家が防護柵のみの対策に限界を感じ,自らわな猟免許を取り狩猟に新規参入するようになった.それらの狩猟者の習熟の早さや,狩猟に多くの時間を割けるなどの条件により,狩猟者当たり捕獲数が著しく増加した.また狩猟者を対象としたアンケートの結果,ほぼすべての狩猟者が今後も狩猟を継続する意向を持っていた.しかし,狩猟活動の継続には金銭的負担,時間的制約,高齢化による身体能力の減退などさまざまな困難が存在することも明らかになった.美作市における狩猟活動は,銃猟からわな猟へ,小物猟から大物猟へ,趣味やレジャーから義務や労働へと,その性質や役割を大きく変容させていた.
本稿は,美濃焼産地を事例に陶磁器需要減少への窯元の対応とその特徴について明らかにした.同産地では,戦後の生産拡大期における窯元の経営規模が焼成設備に反映され,大規模窯元はトンネル窯を,中小規模窯元はシャトル窯を主に導入している.焼成設備の違いは需要減少による影響に差異を生じさせ,スケールメリットが重要となるトンネル窯導入窯元の転廃業が進んだ.一方で,シャトル窯導入窯元は生産調整が容易であり,転廃業はみられるものの減少割合は小さい.現存するトンネル窯導入窯元は機械化やIT化を推進し,生産効率を向上させることで多品種大量生産体制に移行し,スケールメリットを維持した.シャトル窯導入窯元では自社の技術や設備を有効活用し,高付加価値製品の製造や多品種少量生産への移行を行った.このように,美濃焼産地における陶磁器需要減少への対応は経営規模により異なる特徴を持っている.
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