本研究は,超集約的な食料生産システムの生成について,新潟県妙高市の屋内型エビ生産システム(Indoor Shrimp Production System, ISPS)の開発・運用をめぐるアクターのネットワークに着目しながら検討した.ISPSをめぐるネットワークは,高度な技術や機器の取込みを通じて,周囲の自然条件がもたらしうる病気などのリスクを回避させている.また,開発・運用の諸局面において多様な空間的範囲のアクターが関わり,現在の形態へと変化した.特に開発が本格化する段階において,高度な技術や機器がネットワークへ動員され,ローカルな生産の場におけるアクターの振舞いの不確実性が増した.その状況において,国内の研究者らが関係を調整する新たな技術・機器を動員することで,ネットワークが安定していった.そして,その過程と連動しながら現在の生産システムが生み出された.ただし,ISPSの性能に関わる新たな研究課題の設定を契機として,生産システムは新たに編成される可能性がある.
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