中規模の拡がりをもつ関東平野部における気温分布を取りあげ,それに及ぼす海風の影響を重視して,当地域内に散在する約170ヶ所の区内観測所の資料から, 1958年夏半年の日最高気温分布図を描き比較検討した結果.一般風向により特微的な分布パターンが生じることが判つた.そこで一般風の風向風速により, 3m/s以下(海風型), 3m/s以上の風についてはSW~SSW (SSW型), S~SSE (S型), SE~ESE (ESE型)およびE~ENE (E型) の5つのグループに分類し,各グループの日照率50% 以上の日の中から,特徴的なパターンを示す図のみ10例づっ選び出した.
海岸線からの距離を考慮して作つた7km間隔のメッシュの各交点における温度傾度を,選び出した50枚の分布図から読み取り,それを各10例つつ合成して, 4, 5, 6, 8, 9図を作成した.各図から一般風向別の海の影響の強弱を知ることができる.それを模式的に表わしたのが第10図である.
最後に中気候的特徴は,日最高気温の日々変化量によつてもかなり良く表現できることを述べる.
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