地理学評論
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36 巻, 7 号
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  • 小野 忠熈
    1963 年 36 巻 7 号 p. 391-411
    発行日: 1963/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本州島の西端部に分布する,海岸の砂地形がつくられた文化期上の時期を系統的に明らかにするのがこの研究の目的である.その方法として,文化小期の明らかな遺物や遺構を,地質学における自然化石と同様に文化化石とみなし,確かな文化小期を示す土器を示準文化化石として取り扱い,必要な遺跡を発掘してそれらを含む各遺跡の文化層を検討した.これらのうち文化小期の確かな文化層を鍵層として,砂地形をつくる砂層の堆積相や,砂地形の分布・形態・構造などから解析し,それらを対比して,本地域における砂地形の砂層が堆積した文化期上の編年を行なうとともに,海岸に分布する砂地形の空間的な発達過程を明らかにして,現在の砂質海岸がつくられた時間的・空間的な発達の順序を系統的に跡付けた.さらに進めて,この研究の結果に基き,砂地形の形成期から推定される海面の相対的変化,沖積世の局地的地盤変動,居住帯の垂直的変化との関係,などについて考察した.
  • 青木 千枝子
    1963 年 36 巻 7 号 p. 412-423
    発行日: 1963/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    この研究は,水稲生産力の発展を類型区分することにより,第1報で明らかにできなかった点を再整理したものである.これは生産力構造そのものの各段階別,地域別分析を行なう前に,生産力がいかなる地域に,いかに展開してきたかを整理し,類型区分を行なうことが必要であると考えるためである.
    本論で明らかにした点をいうならば,地域類型は9類型に分類され,これらの類型は歴史的に固定されたものでなく,その地域的展開は発展の段階により異なるものである.そこで類型の性格的相異による地域的対向関係も,段階により異なってくる.このような現象は,つまり各地域の生産力構造の変化の仕方が異なると考えられる.
  • 大崎 晃
    1963 年 36 巻 7 号 p. 424-435
    発行日: 1963/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    伝統的な経営組織が存続するといわれる沿岸漁業の現様態について,大型定置網漁業を素材として若干の考察を試み,次の結果を得た.
    1) これまで農経・経済史学によつて一般にいわれてきた,漁場主制度や網元による漁場の地主的経営は,現今の定置網漁業については認めがたく,生産組合による経営が支配的である.生産組合経営にいたる過程とその組織には地域差がきわめて大きく,富山・石川・岩手の東目本諸県では,漁業制度改革後,旧網主層を中心とした生産組合,あるいはそれらとの共同経営化が進められたのに対し,三重・高知・京都の西目本諸府県では,昭和恐慌期頃から,旧来の大網組・大敷組合を基調として,生産組合経営化がなされた.
    2) 漁業生産組合運動の目本的性格は,近代化の反映であるよりも,漁村の前近代的社会関係の自己適応的再編成や,小漁民層による沿岸漁場利用秩序の確立運動の結果としてあらわれたことである.
  • 小畑 浩
    1963 年 36 巻 7 号 p. 436-440
    発行日: 1963/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    The author made a geomorphological survey of the valleys dissecting the Shirnosa Upland, one o the Pleistocene uplands developed in the area surrounding Tokyo. In the studied area, the Shimosa Upland has an elevation of 15-20 meters, and it consists of volcanic ash formations, the so-called Kanto Loam, and sand layers named the Narita Layer. The valleys are insequent with a dendritic pattern. The valley slopes are classified into two categories; steep slopes (20-45°) which are supposedly formed by landslides and gentle slopes (not more than 10°) which are considered to be erosional surfaces.
    The author investigated the distribution of the two kinds of slopes by field surveys and photo inter-pretation. The development of the valleys on the Shimosa Upland can be generalized as follows;
    (1) In the earlier stage, a valley is rapidly lengthened by headward erosion by landslides.
    (2) In the intermediate stage, as headward erosion becomes less active, gentle slopes appear at the head of a valley and subsequently widen the area downstream.
    (3) In the later stage, no landslides at the head occur any longer nor is a valley lengthened. Gentle slopes develop widely on the head and the sides of a valley.
  • 1963 年 36 巻 7 号 p. 441-449_2
    発行日: 1963/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 36 巻 7 号 p. 450a
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 36 巻 7 号 p. 450b
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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