地理学評論
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38 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 古谷 尊彦
    1965 年 38 巻 2 号 p. 57-73
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    蔵王火山東麓地域で古い火山の形成,火山泥流地形および河成段丘の形成を編年的・生成論的に考察し,さらに,地盤運動との関係を明らかにしょうと試みた. 1) 青麻火山は中新統沼田層を不整合におおってほぼ円田層堆積期に水中でその噴火活動を始めた.活動は第四紀初期まで続き,この活動の末期には山体は陸上に現われそして活動は停止した.ついで,南蔵王火山の活動が始まった. 2) 南蔵王火山のからさわ泥流・川原子泥流・七日原泥流のうち,特に川原子泥流は“流れ山”を形成し,七日原泥流は扇状地状の地形を形成した. 3) 火山性以外の地形面は丘陵,原段丘,長袋段丘,新期段丘,扇状地および氾濫原に分けられた。このうち,新期段丘は七日原泥流の流下した時期に形成された. 4) 火山灰層中には温暖期と寒冷期を指示すると推定されるものがある. 5) 調査地域内の東部では小村崎-白石に構造線が想定された.これと村田衝上断層とは調査地域の地盤運動に影響をあたえ,また,この地盤運動の発生と南蔵王火山の活動の開始は密接な関係があると予想される。
  • 阪口 豊
    1965 年 38 巻 2 号 p. 74-91
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    1. 筆者は河川流域に関するいくつかの統計的法則性を明らかにし,流域の発展過程に関する知見を得た。
    2. 流域別の高度分布の型により日本島の地域区分を行った.
  • 水越 允治
    1965 年 38 巻 2 号 p. 92-102
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    都市内の気温が一般に郊外に比べて高いことは,これまでの研究から明らかとなっている.しかしさらに詳細にみると,高温域のあらわれる範囲や都市周辺に向っての温度の下り方はそのときどきで異なっている.都市気候綜合研究斑は熊谷市で市街地を縦・横断する気温の移動観測を反覆実施したが,この資料にもとづき,気温の縦・横断分布型と風の状態との関係を検討した.まず分布型を順位相関法を用いて若干のグループに分け,つぎに各グループについて分布のセクションをとった方向の風速成分の平均値を求め,グループによる平均値の差が有意かどうかを検定した。この結果有意な差のあることが認められ,都市気温の分布型は風の状態により変形をうけることを実証した.また高温域が風によってどの程度風下へ移動するか,都市内外の気温差と風との関係についても検討を行なった.以上のことから都市気温の分布型には大気の移流の影響が大きいこと,市街地を縦・横断する気温観測で都市気温分布の実態が相当程度明らかにできること,などがわかった。
  • 中山 正民
    1965 年 38 巻 2 号 p. 103-120
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    海浜における運搬・堆積の問題についてアプローチを行なうため,浅海測量・波浪・風などの資料がある浮島・三保・高知の諸海岸で・粒径・円形度・扁平度などの諸性質を調査した.熊野浦海岸も含めた礫浜における堆積物の諸性質についての研究結果をつぎのようにまとめた.
    (1) 海浜堆積物の粒径は,その供給源である河川堆積物の粒径に類似する.しかし,海浜における礫被は,河川堆積物における砂の割合や波浪とは関係がなく,海底勾配やバーの存在に大きな関係がある. (2) 局地的な粒径分布は,内陸側から汀線側へ粒径が次第に小さくなる構造の礫帯の集合である.このような礫帯は,砕波帯を表わし,波の到達回数の多い前浜や後浜前部は複雑,回数の少ない後浜後部は単純な形態を示す. (3) 波浪の性質が類似した海浜では,同じ粒径の礫は,量は異なるが,河口からの最大運搬距離は類似する.これは,広く開いた太平洋岸の海浜では,波浪め性質があまり異ならず, 256mm位までの礫なら海浜全体にわたって移動することを示す.このような海岸で,運搬方向に粒径が変化するのは礫量・地形・海底勾配などが異なるためである. (4) 海浜では,チャートのような硬い礫でも,磨耗作用によって円形度が高くなる.しかし,どんな礫質でも,運搬方向への円形度の増加は著しくなく,河川から海浜へ流出した場合も著しく増加しない.円形度が急激に高くなるのは,小岬で滞溜し,岩盤を通過して,磨耗が増加する問合に限られる. (5) 海浜礫は,円形度が増大するに従い,扁平度が増大する傾向がある.しかし,粒径が小さくなるほど,この傾向は不明瞭になり,まるく球状の礫になる.これは粒径の大きな礫と,小さな礫との磨耗過程が異なるためで,粒径の大きな礫ほど定着して磨耗されることを示す. (6) 32~16mmの硬砂岩礫が,平均円形度0.60・平均扁平度0.40以上を示す堆積物は,ほぼ海浜堆積物とみなして差支えない。
  • 藤田 佳久
    1965 年 38 巻 2 号 p. 121-123
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1965 年 38 巻 2 号 p. 124-141_2
    発行日: 1965/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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