阿武隈川中流域には二本松付近に発達する丘陵地をへだてて,南に郡山盆地,北に福島盆地が発達する.これらのうち,郡山盆地を中心に地形調査を行ない,つぎのような点が明らかになった.
(1) 郡山盆地には堆積期を異にする湖沼ないし沼沢性堆積物によって構成される二つの堆積地形一形成期の古いものより矢吹丘陵および郡山台地一が発達する.
(2) 矢吹丘陵を構成する矢吹層は白河石英安山岩質熔結凝灰岩層の噴出に伴う河谷の堰止めに,郡山台地を構成する郡山層は主に二本松丘陵に対して盆:地側の相対的な沈降に,それぞれの堆積の原因が求められると堆定される.
(3) 盆地内では,南(阿武隈川上流)ほど古い地形面の占める面積の割合が大きく,しかも。地形面は北に向って傾動しているようにみえる.
(4) 郡山層の堆積の中心部,郡山市街付近では,郡山層など盆地堆積物の厚さは100mに達するもめと思われる.
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