地理学評論
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38 巻, 8 号
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  • 松本 豊寿
    1965 年 38 巻 8 号 p. 485-500
    発行日: 1965/08/01
    公開日: 2008/12/24
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    15C.以降の中世末城下町は完成期の近世城下町に対してはまさしく“初期城下町”なのである.これは戦国大名の分国領主制確立と共に城館下に建設された首都としての封建集落である.その給人居住域は中世家族屋敷村に,商工居住域は地方の市町に起源をもつ.中世末城下町は城下市町の都市的純化の発展度により“郷村的城下町”→“半都市的城下町”の系列をもつが,城下町の都市性に対する給人居住域の農村性の対立,こうした両者のアシバランスな地域構造が指摘される.このような城下部分域の双分的な都市域的合一以前の構造が初期城下町を通じての特色である.給人の中世的知行制,兵農未分離は城下給人居住域の消費都市域化への成長をこばむ基本条件である.中世末城下町の領入商圏は地方市町のそれに対する単なる相対的優位にとどまり独占的商圏を形成するものではない.城下町における一般市場の未熟の上に乗る偏倚的な領主市場の結合は,領内商圏と領外商圏の恒常的な対応的結節作用を妨げる.こうした商圏の諸性質は経済センターとしての城下町の限界を規定し,大型城下町への発達の支障条件となる.豊臣政権下の城下町は従来の中世的なものに対する否定と止揚が指向されるが,これはやがて“都市的城下町”としての近世城下町への道を開いてゆくものである.
  • 関口 武
    1965 年 38 巻 8 号 p. 501-518
    発行日: 1965/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    大雨予想資料などに基づき, 1951~61年の台風時の日本の日雨量分布形態を比較検討した.その結果,分布型としては,地形性レインバンド型,前線型,海岸型,雷雨型,その他の5種類があることを知った。最も数多く出現する代表的な台風の雨は地形性レインバンド型である.台風来襲時の65% の雨はこの型で降り,雨量も多い.とくに強い台風の時の雨は例外なしにこの型であった.レインバンドは伊豆・丹沢一足尾・那須,紀伊一鈴鹿・伊吹など8カ所に出現し,その方向は当時の卓越風向とほぼ平行していた.少くとも5~6km層まで風のシャーがなく,強い南寄りの風が吹いている場合に発達する.
    前線型以下の分布型は弱い台風か,距離が遠く日本への影響が少ない場合にみられることが多く,雨量も少ない.これらは他の原因に対して代表的な雨量分布型が台風の来襲時にも,たまたま出現したもので,台風時の代表的な雨量分布型とはいえない.
  • 小池 一之
    1965 年 38 巻 8 号 p. 519-525
    発行日: 1965/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    阿武隈川中流域には二本松付近に発達する丘陵地をへだてて,南に郡山盆地,北に福島盆地が発達する.これらのうち,郡山盆地を中心に地形調査を行ない,つぎのような点が明らかになった.
    (1) 郡山盆地には堆積期を異にする湖沼ないし沼沢性堆積物によって構成される二つの堆積地形一形成期の古いものより矢吹丘陵および郡山台地一が発達する.
    (2) 矢吹丘陵を構成する矢吹層は白河石英安山岩質熔結凝灰岩層の噴出に伴う河谷の堰止めに,郡山台地を構成する郡山層は主に二本松丘陵に対して盆:地側の相対的な沈降に,それぞれの堆積の原因が求められると堆定される.
    (3) 盆地内では,南(阿武隈川上流)ほど古い地形面の占める面積の割合が大きく,しかも。地形面は北に向って傾動しているようにみえる.
    (4) 郡山層の堆積の中心部,郡山市街付近では,郡山層など盆地堆積物の厚さは100mに達するもめと思われる.
  • 鶴見 英策, 野上 道男
    1965 年 38 巻 8 号 p. 526-530
    発行日: 1965/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1965 年 38 巻 8 号 p. 531-542_2
    発行日: 1965/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1965 年 38 巻 8 号 p. 540
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/12/24
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