地理学評論
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40 巻, 10 号
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  • 藤原 健蔵
    1967 年 40 巻 10 号 p. 523-542
    発行日: 1967/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    山形盆地の地形と地下構造を,ボ-リング資料と物理探査成果を用いて検討したところ,その発達過程について次の成果を得た.
    1) 山形盆地は鮮新世末—更新世初頭におけるNNE-SSW性地殻運動(山形断層)の陥没区域として生じた.盆地基底は東半部に深く,また盆地中央部を斜交するNW-SE性構造の支配をうけて,南半部が北半部より深い.
    2) 陥没の初期段階では大規模な湖盆化がなかったらしく,盆地堆積物の下層部は割合粗粒で,花崗岩・石英粗面岩質のものが多い.
    3) 盆地南半部の上層部では,蔵王火山群の活動によって安山岩礫が急増する(第IV層).その後大規模な陥没によって広く湖盆化し,湖成層の堆積をみたが,やがて扇状地(第III層)の形成がこれに続いた.
    4) 以後顕著な陥没による湖盆化とそれに続く扇状地の形式が2回繰り返されて現在に至った.現扇状地の原面(I扇面)は最上川による盆地尻の下刻ないし扇面の増傾斜運動に応じて開析され,原面の下方に小規模なII・III扇面が発達していった.
  • 赤木 祥彦
    1967 年 40 巻 10 号 p. 543-552
    発行日: 1967/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    阿讃山地に発達するPedimentを検討した結果はつぎのとおりである.
    1) Pedimentの発達は地質的には花崗岩の上に讃岐層群が位置することが条件となっている.しかしこれは必要条件ではあるが十分条件ではなく,さらにこれら二つの岩質の境がある高度より高いこと,斜面の侵蝕基準面が安定していることがあげられる.
    2) 花崗岩と讃岐層群との境がある高度より低くなるといわゆるtalus slopeが直接段丘やその他の下位の面に続きPedimentはみられなくなり,反対にこの境が高くなるほどPedimentは大きくなっている.
    3) 花崗岩類中にホルンヘルスの砂岩などが狭在し,これが鋭敏にPedimentに影響しPedimentが乱されている部分がかなりみられる.
    4) 斜面の四要素である山頂平坦面, free face, talus slope, pedimentが明瞭に発達している.
    5) Pedimentは瀬戸内沿岸部で標高約40mの段丘に続いており, Pedimentの形成時代はこれらの段丘の形成された時代と時期的に重なる部分があったか,あまり離れない時代に形成された.
  • 小畑 浩
    1967 年 40 巻 10 号 p. 553-563
    発行日: 1967/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    筆者は前年の大山の調査につづいて三瓶山の地形と火山灰の調査を行った.三瓶山の火山灰についてはまとまって公表されたものがなかったので,本論によって一資料を提供しようとしたものである.この調査によって三瓶山の発達史の一部と,火山灰と段丘,古砂丘との関係,大山火山灰との関係がある程度明らかになった.
    三瓶山の発達史については
    1. 大田軽石流 2. 日影山ラヴァードーム 3. 浮布池軽石流および降下物
    4. 大平山砕屑丘 5. 三瓶主峰のラヴァードーム群 6. 志学砕屑流
    の経過が与えられる.三瓶山と大山の関係については,三瓶山の大田軽石流に附随した降下火山灰が大山のKey b層の直後,浮布池軽石層が大山のKey a層と同時の活動である.被覆火山灰から出雲古砂丘は大田軽石流の時代の形成であり,鳥取古砂丘はより古く,乃木面と同期またはそれ以前と結論した.乃木面は恐らく下末面に対比されると思われる.
  • 平野 昌繁
    1967 年 40 巻 10 号 p. 564-574
    発行日: 1967/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    Contact models in slope development are discussed here on the basis of the mathematical model of slope development which has been proposed by the writer. Generally speaking, gentle slope appears in the region where the erosional coefficients of the constituent material are larger. On the contrary, steep slope is preserved for a longer interval in the region where the erosional coefficients are smaller.
    Origin of the gentle hillside slopes composed of accumulated debris can be successfully explained along this course. Several examples of structural relief due to differential erosion are also examined in this manner. Compared with the actual topography, the results obtained here are considered to be highly acceptable.
  • 1967 年 40 巻 10 号 p. 575-584_2
    発行日: 1967/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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