地理学評論
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40 巻, 11 号
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  • 水山 高幸, 前田 昇, 井上 茂, 高橋 達郎, 羽田野 誠一, 守田 優, 岡 義記, 池田 碩, 大橋 健, 加藤 瑛二
    1967 年 40 巻 11 号 p. 585-600
    発行日: 1967/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    1966年秋におこなわれた日本地理学会・人文地理学会共催の現地討議「阪神の地形」の資料に討議内容をも加味して,阪神とその周辺の地形の概要とその問題点とを論じた.以下のような事柄を含んでいる. 1) この地域についての地形研究史. 2) 大阪平野の地形面の分類と各地形面の性格を述べ,その変位についてもふれた. 3) 生駒山地が地塊山地であり,急崖を撓曲では説明し難いことを論じた. 4) 北摂山地の礫層の分布とそれより構成される地形面について記載し,その形成について検討を加えた. 5) 六甲山地における花崗岩の割れめ・風化と地形との対応関係を調査した. 5) 琵琶湖西岸の段丘面について記載と分類とを行った. 6) 今後解明すべき課題を概括した.
  • 篠原 重則
    1967 年 40 巻 11 号 p. 601-624
    発行日: 1967/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本研究は四国地方の製炭業を村落構造との関連において類型的に考察し,同地方の製炭地域の区分とその地域性の解明を意図した.このため,製炭地域の類型化の指標を,製炭業の生産関係—製炭形態—と製炭技術の特性に求めた.これらの事項について,旧町村ごとに代表的製炭集落を1集落選定し,アンケート調査を試みた.その結果,次のような製炭地域が区分された.すなわち, a)四国東南地域, b)四国西南地域, c)肱川流域, d)地方都市周辺山地地域, e)四国山地中軸地域.
    各製炭地域の代表的製炭集落について,製炭業と村落構造の対応関係を比較検討した結果,四国地方の製炭地域類型の原型は,和歌山県と大阪府池田地方に見出すことができた.四国東南地域と四国西南地域は和歌山県の系統につらなり,国・公有林が広大であったり,私有林の大山林地主が存在する村落構造と対応して,前近代的な製炭形態が普遍的に残存する.技術的には,大阪市場と技術導入先の和歌山県との位置関係からして,東部から西部に傾斜し,これが両地域の類型をわかつ.肱川流域は池田地方の系統につらなり,林野所有の比較的均等な村落構造と対応して,自営製炭が卓越する.集約的,合理的な製炭体制が確立し,技術的にも進化している.地方市場と結合した製炭地域は,技術的には和歌山県とも,池田地方とも関係しないが,その存在形態は池田地方の類型に近い.四国山地中軸地域は伝統的製炭地域ではなく独自の性格が稀薄である.
  • 山村 順次
    1967 年 40 巻 11 号 p. 625-643
    発行日: 1967/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    日本の主要観光地を観光市場構成からみると「大都市型」,「中間型」,「地元型」に分類でき,一般に「地元型」から「大都市型」へ移行するにつれて発展段階は低次から高次へと対応する.ここで高次の発展段階にあると考えられる東京周辺の温泉観光地について分折した結果,戦前においては,各温泉地間の発展段階の差異(発達較差)は大きくなかったが,現時点では熱海をはじめとして箱根,伊豆の諸温泉地は観光地化が顕著であるのに対し,北関東の伝統的温泉地は戦前の発展度に比べて相対的に停滞性で特色づけられた.しかし北関東においても鬼怒川,水上は急速かつ高度な発展をとげた新興温泉地として把握された.そして温泉観光地の発展段階として, I.湯治場, II.休養地, III.休養地+遊覧地, IV.遊覧地, V.温泉観光都市の5段階が考えられた.
    このような発達較差形成の一般的外的要因として第一義的には大都市からの近接性,鉄道直通化,道路交通の進展と観光広域化などが考えられるが,さらにこれら交通条件の有利性をふまえた上での中央観光資本(主に私鉄資本)の積極的な観光開発が強く作用していることを知り得た.
  • 福岡 義隆
    1967 年 40 巻 11 号 p. 644-653
    発行日: 1967/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    局地的な地温分布は,微地形や土壌水分に強く支配される.本報では特に後者の影響,すなわち地温と土壌水分の関係に注目して地温分布を調査した結果を報告する. 1964年の夏および冬の2回にわたり,東京西郊における約50km2の範囲について,地温(深さ75cm)の地理的分布をサーミスタ温度計による移動観測によって調べた.その結果,夏は低温域が谷沿いや畑地・林地に,高温域が家屋の密集地域に現われ,冬は谷位置の一部と市街地に低温域が,畑地(主に台地上)や林地に高温域が認められた.さらに,場所による差は夏に大きく,冬に小さいこともわかった.また,川岸近くの地点の多くは,異常な値を示している.これを一応土壌水分の影響とみなし川岸近くにおいて,地温と土壌水分の観測も補足的に行なった結果,みかけ上の関係は認められた.
  • 1967 年 40 巻 11 号 p. 654-662_1
    発行日: 1967/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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