地理学評論
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40 巻, 2 号
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  • 服部 〓二郎
    1967 年 40 巻 2 号 p. 49-65
    発行日: 1967/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    都市を地理学の対象として取り上げる場合,最も基本的で共通な視点は,都市圏に支えられた中心地という概念に絞られるであろう.このように都市を地域的概念・空間的現象としてとらえる立場では,都市パターンの進化は,中心都市 (Central City) と非中心都市 (Non-central City) の成立・分極化という地域指向的過程での追究が必要となってくる.本研究は,(1)都市が果している地域的役割から,中心都市と非中心都市との二つの異質な都市集団を抽出すること,(2)二つの都市集団によって抽きだされている都市パターンを概念図式化すること,(3)概念図式化の過程を通じて都市パターンの形成・盛衰を左右していると思われる空間秩序の所在を究明すること,などがその目的である.
  • 白井 義彦
    1967 年 40 巻 2 号 p. 66-86
    発行日: 1967/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,木拒川下流における耕地の区画整理の地域的特色とその展開の諸要因を明らかにし,さらにこの中から都市化の手法としての区画整理の実態をとらえ,都市化に計画性を付与するために,区画整理を通じて大都市圏における都市と農村との土地利用の調整策を提起することにある.研究対象地域は,都市化が著しい名古屋市郊外の10市29町村を対象とする.論述の進め方としては,まず対象地域の土地利用の特性を明らかにし,ひとまず1899~1960年における耕地の区画整理地を丹念にしらべ,その展開の地域差とその展開を左右した要因を明らかにする.こうした半世紀をこえる区画整理史において,今日最も重要な問題となってきたのは都市化に対応した区画整理の政策的欠如である.今後の大都市圏における区画整理の意義を考え,二つの事例調査(名古屋市大野木土地区画整理組合・江南市古知野土地改良区)をとりあげて実態調査を行った.大局的にみれば,この地域の区画整理は,都市化に対応した新しい区画整理方式を行なうことによって,乱雑に進行し深まりつつあるスプロール現象を防止しなくてはいけないという意見に到達した.
  • 栗原 光政
    1967 年 40 巻 2 号 p. 87-104
    発行日: 1967/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    中京工業地帯では,最近,重化学工業化が進んでいる.工業化の顕著な, 1956, 60, 63年について,工業従業者密度1方粁26人以上の125市町村を対象に,それぞれ全出荷額に対する重化学工業の出荷額比率を求め,重化学工業・準重化学工業・軽工業に区分し,重化学工業化地域を明らかにするのを目的とした.重化学工業は名古屋市を中核とし,これを取りまいて東に刈谷・豊田,西南に桑名・四日市,北に各務原の各地区に立地している.しかしこれら3地区は最近の工業化によって漸次一連の工業地域たらんとしつつある.この場合重化学工業化は伝統工業の集積地をさけ,工業集積度の低い地域に向けられている.
    これら名古屋を中心とする40粁圏内に立地する周辺の重化学工業地と名古屋との関連を捉えるため,周辺地の主要機械工業 (13工場)を選び,その関連工場の地域別比率を求めると,いずれも名古屋に20~40%の関連工場を有している.これによると40粁圏外に立地する主要機械工場 (3) は名古屋に10%前後の関連工場を有する程度で,前者とは明瞭に区別される.名古屋を中心とする40粁圏内には,名古屋から進出する工場数も多く,重化学工業化も顕著で,この圏域内における重化学工業地・準重化学工業地が中京工業地帯の主要部をなすものと考える.
  • 1967 年 40 巻 2 号 p. 105-109_2
    発行日: 1967/02/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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