地理学評論
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47 巻, 7 号
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  • 柏谷 健二, 横山 康二, 奥田 節夫
    1974 年 47 巻 7 号 p. 413-425
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    ガリーの発達過程を幾何学的形態の変化として把握することを目的として,本稿においてはガリーの有する幅,間隔,あるいはその数の統計的法則性とその水理学的発生条件を検討した.その結果ガリーは各々の斜面において特有な幅,あるいは特定の間隔に集中することが解った.また,これらのことからガリーの本数も,一つの斜面においてその幅に比例する傾向があることが解った.
    次に,ガリーの水理学的発生条件として新たに導入したSoil Factor (ƒ1/3/Kただしƒ;表面流出率, K; 固結度)なる物理定数が対象とする斜面の侵食性を示すものとして有効であることが解った.
  • 大嶽 幸彦
    1974 年 47 巻 7 号 p. 426-436
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    ストラスブールの北西10~20kmにある4村の例をとり, 17世紀中頃以後の農業経営の規模と形態の変化を追求し,大農経営の存在形態を明らかにしようとした.
    1660年, 1740年の農業経営形態の分析からは,村落居住者の中における農業経営体間の規模の差異,特に大農経営と零細・小農経営との階層差が明らかとなった.
    次に, 19世紀後半から20世紀中頃までの農業経営規模を追ってみると,雇用労働力に依存した大農経営がつねに存在した.一方,小農経営は次第に減少した. 10ha以上の大農経営はそれほど減少していない. 1942年の経営規模は中農標準化傾向をもっていたといってよい.農業経営体が上・下の階層によりはっきり分化することは,プロテスタント村においてよりもカトリック村においての方が著しいことが明らかとなった.これはプロテスタント村で一子相続の慣習を堅持しなくなったことと,カトリック村において大農が,昔の農業日雇の社会的上昇を抑える傾向があったことによるものである.
  • その総観気候学的方法による検討
    小川 肇
    1974 年 47 巻 7 号 p. 437-461
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    山地の風の分布を把握するための有力な手段の1つとして,風による偏形樹がある.これを用いる際に当面する重要な課題は,その成因の検討を厳密に行ない,それが示す風の内容を明確におさえることである.筆者はその第1歩として,尾瀬ヶ原南稜の針葉樹の偏形を対象にし,その成因およびその分布の示す意味を総観気候学的方法により検討した.
    その結果, (1) 当地域の偏形樹は,冬期卓越風ではなく,主として厳冬期の低温で比較的乾燥した風の乾燥化作用により形成されたこと, (2) 多量の降雪を伴う冬期卓越風は,その形成の抑制要因として働くこと,が明らかにされ, (3) この2点から表日本の山地の偏形の形成要因は冬期卓越風であることが想定された.また (4) 偏形分布は, (1) に述べた風の分布を表わしているが,その風の,同一条件下の局地的分布を示しているとはいえないこと,したがって偏形樹を用いて山地の風の小気候を論ずる場合には,その分布の同時性について十分考慮すべきであること,が指摘された.さらに (5) 偏形分布と積雪・植生分布との“くい違い”の原因についても明らかにされた.
  • 1974 年 47 巻 7 号 p. 462-480_2
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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