地理学評論
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47 巻, 8 号
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  • 脳卒中及び心臓病死亡について
    籾山 政子, 片山 功仁慧
    1974 年 47 巻 8 号 p. 481-497
    発行日: 1974/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    世界的にみて総死亡および乳児死亡に存在した季節変動形態の地域による型の相違は脳卒中・心臓病という成人病にもあてはまる.すなわち,寒冷で人工気候の発達した北欧・北米の緩慢型と比較的温暖な中欧・南欧および日本の冬季集中型とである.
    現在最も緩慢な形態を示すアメリカ合衆国も地域的にみればその形成過程に差がある。すなわち,太平洋岸のような比較的温暖な地域における一層の緩慢化,寒冷な北東部の冬季集中からの緩慢化,南部における夏山征服後の緩慢化,等が挙げられる.また平生温暖な地域における異常寒波の影響も無視できない。また人工気候の発達した大平原北部では,乳児死亡は最も緩慢な形態であったのに反し,脳卒中・心臓病は死亡の冬山が明白である.これは乳児と成人との人工気候の関与の相違を如実に示したものと思われる.日本では北海道だけは冬季集中を克服し,北欧・北米に近い緩慢な形態を呈する.
    脳卒中の中では,死亡の冬山は脳出血と脳硬塞の両者から構成されるが,夏季平均気温が約24°Cを超す地域にみられる死亡の低い夏山は,脳硬塞によって構成される.またこの夏山の高さの度合には地域差がみられる.この夏山の存在,さらに高さの度合に地域差がみられることは,脳硬塞が高齢者に多い疾患であるだけに,人間の気候環境への馴化の問題を示唆するものとも思考され,今後さらに追求を要する課題となろう.
  • 淡野 明彦
    1974 年 47 巻 8 号 p. 498-510
    発行日: 1974/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    今日,私鉄資本は単なる鉄道業としてにとどまらず,観光・娯楽・流通・不動産といった第三次産業のあらゆる分野にまで手を拡げ,「私鉄コンツェルン」とよばれるまでに肥大化した.私鉄資本がマーケットを拡大する場合には,工業資本が新しい工場の新設という形をとるのと同様に,鉄道やバス路線の新設といった形をとって新たな地域に進出し,その進出意図にかなったように地域を変容させていく.
    本稿では西武鉄道が西武秩父線を建設して秩父地方に進出していった事例をとりあげ,この路線の建設を通しての私鉄資本の進出が秩父地方をどのように変容させていったかを明らかにすることを目的とした.西武鉄道が西武秩父線建設においてめざしたのは,秩父地方の観光開発と天然資源開発であったため,この両面から秩父地方の変容をおさえていった.緒果として,西武秩父線は私鉄資本とセメント資本の中央から地'方へのパイプの役割を果し,「観光の秩父」「セメントの秩父」の性格がさらに強化されていく実態が把握された.
  • 浮田 典良
    1974 年 47 巻 8 号 p. 511-524
    発行日: 1974/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    沖縄県八重山諸島(石垣島・西表島やその周辺の島々)では,数kmの遠隔地まで水田耕作にかよっている農家が少なくない.石垣島では,島の南岸の集落から北部の水田まで,かつては馬または馬車で,いまではオートバイや自動車で通耕している.また西表島については,小さな離島(竹富島・新城島・鳩間島)からの船による通耕がみられる.遠距離通耕の発生要因は二つあった.第一はマラリアである.水田のある石垣島北部や西表島は第二次大戦直後までマラリア地帯であったので,人々は無病地に住み,有病地の田まで耕作にかよった.第二は人頭税である.八重山では1637年から1902年まで人頭税が課され,田の有無にかかわりなく米を上納させられたので,遠隔地まで水田耕作にかよわねばならなかった.このような遠距離通耕につき,主要通耕先,通耕手段,通耕の季節と期間などを明らかにし,また近年におけるその変化について検討した.
  • 杉村 暢二
    1974 年 47 巻 8 号 p. 525-530
    発行日: 1974/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 47 巻 8 号 p. 531-544_2
    発行日: 1974/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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