地理学評論
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50 巻, 4 号
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  • 杉浦 芳夫
    1977 年 50 巻 4 号 p. 201-215
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    大正期に世界的規模での流行をみたスペインかぜのわが国における流行過程は,これまで不鮮明であるとされていた.本稿は,その拡散経路を推定しつつ,この点の再検討を行なうことを目的としている.日本帝国死因統計を資料として, 1916年7月~1926年6月の10か年の各月ごとの府県別インフルエンザ死亡率を因子分析にかけた結果, 3つの流行地域が抽出された.それによると,第1因子は西日本地域,第2因子は都市地域,第3因子は東日本地域を識別していることがわかった.そして,因子得点間のクロス相関から3つの流行地域の時間的前後関係を検討してみると,スペインかぜは,西日本の主要港湾ならびに横浜港から侵入した可能性のあることが示唆され,その拡散過程において近接効果と階層効果が働いていたことも明らかとなった.以上の分析結果は,従来の通説とは異なり,わが国におけるスペインかぜの流行過程に,一の空間的秩序のあったことを意味するものである.
  • 竹内 常行
    1977 年 50 巻 4 号 p. 216-237
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    富山平野の山麓にはかなり広い隆起扇状地が発達しているが,これらの隆起扇状地にも古くから水田が広く拓かれている.このことは天竜川,相模川,荒川や松本平その他の隆起扇状地と較べて著しい特色である.この理由を明らかにするために,隆起扇状地が2段以上発達している,小矢部川から黒部川に至る8河川の隆起扇状地が,どのような用水路によって拓かれてきたか,また各河川の灌瀧区域の用水事情はどのようであったかを調査した.その結果,用水源である河川の本流あるいは支流の集水面積が,灌概区域に対して広い神通川を除いて,必ずしも集水面積は広くはないが,多雪地帯であるために,最多要水期に雪解水が豊富であることと,各河谷の勾配が急で,比較的短い距離で導水できることなどの有利さが,加賀藩の政策と相侯って,広く水田開発を可能にしたことがわかった.しかし,大部分の地域が夏期の渇水期の水不足に苦しんだ実情をも明らかにして,近年の合口事業やダム建設の効果にも論及した.
  • 林 陽生
    1977 年 50 巻 4 号 p. 238-248
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 50 巻 4 号 p. 249-251_2
    発行日: 1977/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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