地理学評論
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52 巻, 1 号
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  • 賓月 拓三
    1979 年 52 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1979/01/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    ある分類基準を採用し,その基準項ごとに気候要素の平均値分布を求め,その基準項それぞれの出現確率というかたちで気候像を把握するという総観気候学的研究の際に,当該地域内の気候要素の平均値の状態が基準項によって異なることが前提となろう.本研究では,関東平野の冬期気温を対象にあらかじめ4分類基準をとりあげ,推測統計学的方法を用いて,母平均に有意差がある地点の数および分布から上記の前提を検討し,総観気候学的により望ましい分類基準を判定した.4分類基準は,(a)極東における地上気圧配置型(YoshinoandKai, 1974), (b)東アジアにおける700mb等高度線型(Hohgetsu, 1975), (c)8方位別と(d)16方位別の館野における700mb高度風向である.その結果,最高・最低気温および較差のいずれの場合も,(b)より(a)が,(d)より(c)が,また全体としては(a)がより望ましい分類基準であることが判明した.
  • 池田 安隆
    1979 年 52 巻 1 号 p. 10-29
    発行日: 1979/01/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    大分県中部の第四紀火山地域には,短く屈曲に富んだ正断層が多数発達するが,その多くが地溝をなして分布している.このうちの主要な2つの地溝万年山地溝および速見地溝について,その具体的な発達過程を明らかにすることを試みた。両者は筑紫熔岩の流出後,およそ80~50万年前に活動を始めた.断層運動と並行して地溝内での火山活動があり,万年山地溝では万年山熔岩が,速見地溝では山陰系の火山岩類が噴出した.これらの噴出口の配列から,地溝中心部にはマグマの通り道となった開口割れ目が存在すると考えられる.速見地溝の北西縁では内側の断層の方が外側の断層より活動時期が新しい.これは開口割れ目を境にして両側のブロックが展張していくとすれば説明できる.地溝周辺の隆起も,開口割れ目の生成に伴う周囲の変形として説明できる.地溝を形成する断層運動自体は,開口割れ目の生成に伴う付随的な運動であろう.
  • 松倉 公憲, 木股 三善, 谷津 榮壽
    1979 年 52 巻 1 号 p. 30-39
    発行日: 1979/01/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    柿岡盆地北部,東山に発生した地すべりを取り上げ,この山体をつくるハンレイ岩の風化と,その結果生成される地すべり粘土について,鉱物の偏光顕微鏡観察,X線粉末解析等を行なった.その結果,ハンレイ岩の風化プロセスとして,角閃石から緑泥石,カオリナイトへの変質と,斜長石からカオリナイト,ハロイサイト,束沸石への変質が認められた.しかも,このハンレイ岩の風化層中に存在する膨潤性緑泥石が地すべりの素因になっていることが明らかとなった.
  • 1979 年 52 巻 1 号 p. 40-43,45
    発行日: 1979/01/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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