地理学評論
Online ISSN : 2185-1719
Print ISSN : 0016-7444
ISSN-L : 0016-7444
55 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 吉村 稔
    1982 年 55 巻 4 号 p. 223-238
    発行日: 1982/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    モンスーンアジアの夏季降水量に見られる変動傾向と大気大循環の関係を,主に因子分析の手法を使用して調査した結果,次のことが明らかとなった. (1) 同地域内はその変動傾向から a)インド北部・東部,ビルマ,フィリピン等と b) インド西部・南部,タイ,日本等の2地域群に大別できる. (2) これら地域群に異符号の降水量偏差をもたらすものは, 500mb・100mb面ともに同セクターの中緯度と高緯度の高度差であり, 500mb面における個々の天気系の強さ, 100mb面における南アジア高気圧の南縁部の動向は,若干異なった地域群に対し,前述の効果を持つ. (3) 因子スコアと高度場の相関,第1因子と第II因子の因子スコアの符号の組合せとの関係から,同セクターの500mb面では1929年まで高指数, 1930~1954年は平均的ないし低指数型で, 1955年以後変動が大きくなった.また100mb面では,第1期には,南アジア高気圧はその西部で発達,第2期には,やや南に張り出しの倍い時期と発達の悪い時期があったと考えられる.
  • 田口 雄作, 永井 茂
    1982 年 55 巻 4 号 p. 239-257
    発行日: 1982/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    静岡県熱海市に設置した深さ80mの観測井において, 1980年6月下旬から約3か月間にわたって発生した,いわゆる伊豆半島東方沖群発地震に対応する水位変動を観測した.なかでも, 6月29日16時20分に発生したM=6.7の主震で,本井の水位は, coseismicに約80cm低下した.低下した水位は,もとのレベルに復帰するまでに1年2か月の時間を要した.得られた水位記録をもとに,地震との対応を求めたところ,地下水位低下量は,地震のエネルギーの大きさに対応し,地震後の時間の経過につれて減少することが判明した.本井の地下水は自由地下水的な性状を示しており,初川の河川水によって伏没かん養されている.したがって,水位変動に与える影響は,降水がもっとも大きく,気圧との対応は顕著でない.このような水文学的性状は,主震の発生前後でほとんど差異は認められない.これらの現象を考慮して,地震による地下水位変動のメカニズムに関するモデルを提案する.
  • 柳町 治
    1982 年 55 巻 4 号 p. 258-273
    発行日: 1982/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    木曾山脈・檜尾岳南西の線状凹地は,この山脈で広域的に分布する北東一南西性の線状凹地のうち,最大級の凹地である.本稿では,この線状凹地の成因と形成環境を,檜尾断暦Iの活動との関連で検討した.
    檜尾断層1は,北東一南西性の並進断層であり,また高角度の左正移動断層でもある.この断層は,領家帯の構造線である小屋敷断層が檜尾岳~熊沢岳間の鞍部を横断する部分に相当するが,この付近では,ほぼ流理面に沿って活動し,周氷河性平滑斜面を変位させた.断層線の全長は1.6km以上に達する.実移動は最大でも17m程度,また垂直移動,走向移動はそれぞれ11~14m, 5~7mであったとみられる.断層の活動期は,晩氷期以降であった可能性が強い.線状凹地は,この断層の活動によって生じた断層変位地形である.線状凹地の形態的特徴のみによって,檜尾断層Iの垂直移動の量,断層面の傾斜角を推定すると,かなりの誤差が生じ,それぞれ18~43%, 8~35%に達する.
  • 1982 年 55 巻 4 号 p. 274-276,278
    発行日: 1982/04/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 55 巻 4 号 p. 277
    発行日: 1982年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top