地理学評論
Online ISSN : 2185-1719
Print ISSN : 0016-7444
55 巻 , 8 号
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  • 田中 真吾, 井上 茂, 野村 亮太郎
    1982 年 55 巻 8 号 p. 525-548
    発行日: 1982/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    兵庫県南半部の,加古川支流の杉原川流域に広い分布を示す山麓緩斜面の性格を検討した.これらの緩斜面は,主として岩屑よりなる堆積性の地形面-麓屑面であり,それらは4~5面に細分できる.それぞれについて分布形状や構成物の特徴を検討し,また,それらと麓屑面分布地域の構成岩石,断層線,姶良・アカホヤ火山灰などとの関連をみた.その結果,断層により著しく破砕された流紋岩地域の山地・山麓において,I面は最終氷期以前の氷期およびその後の間氷期に, II面は最終氷期中に,それぞれ寒冷期の主として凍結破砕作用によって岩屑が生産され,それらが種々の様式のマスムーブメントによって移動し,斜面下方や山麓に堆積して形成された. III面は最終氷期最盛時から後氷期に入って後,約6,000年前までの間に,主として土石流扇状地として山麓のより下流側に, IV面,V面はそれ以降の時期において上述の各面に切りこみ,扇状地として形成され,段丘化したことが明らかになった.
  • 犬井 正
    1982 年 55 巻 8 号 p. 549-565
    発行日: 1982/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    武蔵野台地の北部には,高度経済成長期前まで,江戸時代から農民によって育成されてきたクヌギ・コナラなどの平地林が広範に分布し,農用林野としての伝統的な利用形態が存続していた.高度経済成長期に,薪などの生活資材の採取が消滅し,平地林の一部は工場用地などに転用された.しかし,その中にあって,上富二区のように現在でもかなりの平地林を残している地域も存在する.これらの地域は, 1970年以降市街化調整区域に指定されたところが多く,都市的土地利用への転用が法的に規制された.特に上富二区においては,農業の再生産資材として落葉を採取するという平地林の利用形態が存続してきたことも,平地林が残存してきた直接的な要因であることがわかった.上富二区は,現在,商品的野菜作物としてのかんしょと根菜類の産地であるが,ここでは多くの農家が堆肥材料のみならず苗床醸熱材として,平地林から供給される落葉を利用している.そこには,耕地と平地林の所有面積に応じた興味深い関係がみられた.
  • 白坂 蕃
    1982 年 55 巻 8 号 p. 566-586
    発行日: 1982/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    わが国の山地集落では, 1950年代後半から著しい人口減少がみられた.そこでは挙家離村などによって集落が消滅した例もあり,この面についての研究は数多い.こうした中にあって,積雪高冷地にあっては,スキー場の開発によって,既存の集落が観光集落として著しく発展したり,また従来の非居住空間であったところに新しく集落が形成された場合も少なくない.しかし,これらについての実証的研究はきわめて少ない.そこで筆者は,スキー場の開発が,その集落の形成と発展において,中心的役割を演じた場合を「スキー集落」と規定し,研究を進めてきた.
    スキー場とその立地集落についての地理学的研究には,自然条件や開発過程にとどまらず,集落の従来からの産業構造,スキー場開発対象地の土地所有形態,開発資本と村落共同体の性格,労働力の供給などの諸問題を複合構造体としてとらえる必要がある.
    本稿では,従来,集落のなかった非居住空間におけるスキー場の開発に伴う新しい集落の形成について,長野県栂池高原をとりあげて研究を進めた.その結果,栂池高原では,スキー場の開発によって,既存集落の伝統的生業が大きく変貌し,集落の立地にまでも変化がおこり,それまでの非居住空間に,観光集落としての新しいスキー集落が,主として地元住民の移住によって形成された.このような積雪高冷地においては,冬季における就業機会の存在が重要な集落発展の要因であり,また,農林業的土地利用と競合のみられない共有林野の存在が,大規模なスキー場の開発およびそれに伴う新しいスキー集落形成と大きく関連していることが明らかとなった.
  • 1982 年 55 巻 8 号 p. 587-589,594
    発行日: 1982/08/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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