地理学評論
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55 巻, 9 号
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  • 伊勢屋 ふじこ
    1982 年 55 巻 9 号 p. 597-613
    発行日: 1982/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    茨城県,桜川上流部における洪水堆積物は,下部が泥層で,上部が砂層という堆積ユニットを持っており,しかも上部の砂層内についてみても,砂の粒径が上方に次第に粗くなる,逆グレーディング (reverse grad-ing) を持つことが判明した.この洪水堆積物の堆積構造とその平面的分布を調べ,また洪水時に浮遊土砂観測や流況の観察を行なった.その結果,逆グレーディングをした洪水堆積物の成因について次の結論を得た.
    洪水堆積物下部の泥層は,洪水流中のウォッシュ・ロード濃度がきわめて高く,しかも氾濫水の淀んでいる氾濫初期に堆積したものであることがわかった.また,洪水堆積物上部の砂層とその中での逆グレーディングは,下部の泥層堆積後,ウォッシュ・ロード濃度が急減し,水位上昇に対応して河岸でのわき上がりが強まる結果,河岸付近で浮遊する砂が次第に粗粒化することを反映したものであると解釈した.
  • 福岡・札幌市の比較考察
    伊東 理
    1982 年 55 巻 9 号 p. 614-633
    発行日: 1982/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本研究は,昭和51年商業統計国勢統計区資料を用いて,福岡・札幌両市の小売業種の分布パターンの類型化と,小売商業の地域構造について比較考察したものである.クラスター分析などにより,小売商業の業種分布の類型化を行なった結果,両都市の小売業種の分布パターンは類似し,「求心型」,「分散型」,「主要幹線指向型」,「離心型」の4群に類型化されることが判明した.次に,因子分析法により,小売商業の地域構造を求めた結果,次のことが明らかになった. (1) 両都市とも「高次的中心機能」と「遍在的立地機能」が2大主要因子を構成し,さらにこうした2因子構造では説明できない小売業種の存在も明白となり,福岡市では「自動車関連業種」の因子なども抽出された. (2) 両都市の小売商業の地域構造を比較すると,福岡市では商業中心地の規模的分化がみられるのに対して,札幌市では中心商業地区を除くと,商業中心地は比較的未分化である.
  • 杉浦 芳夫
    1982 年 55 巻 9 号 p. 634-655
    発行日: 1982/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,明治中期のわが国における電灯会社の普及を事例にして,イノベーションの拡散過程と,拡散チャンネルとしての都市群体系との対応関係を検討することにある.対象時期の市内配電時代(明治20~31年)に全国48市町村で開業した電灯会社は,大都市から小都市に向かって拡散していった.他方,関連文献・資料からは, (i) 溌電方式の違い, (ii)工場照明として電灯を採用した紡績会社への近接性,といった要因の介在も示唆された.しかし,統計的分析を通じて,主に都市規模や都市の配置関係が,全体の普及過程を規定していることがわかった.そこで,対象都市を人口2万人以上の36市町に限定し,相互作用空間における人口の空間的自己相関を手がかりにして,都市群体系内での各都市の近接性と開業年次との相関関係を調べた.その結果,両者の間には一定の相関がみられ,電灯会社が当時の都市群体系を通して拡がっていった可能性があることが明らかとなった.
  • 早津 賢二, 新井 房夫
    1982 年 55 巻 9 号 p. 656-657
    発行日: 1982/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 55 巻 9 号 p. 658-659,661
    発行日: 1982/09/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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