地理学評論
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Print ISSN : 0016-7444
56 巻 , 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 佐藤 芳徳
    1983 年 56 巻 10 号 p. 667-678
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本稿は,栃木県中禅寺湖において,環境トリチウムをトレーサーとして,湖水の混合および集水域内の地下水の平均滞留時間を明らかにした.現地調査は1978年7月29日から8月3日まで行ない,水平的に4点,それぞれの観測点で水深20mおきに湖水を湖底まで採取し,周辺の主な表流水および地下水も採取して,そのトリチウム濃度を測定した.また,湖の水収支を1952年から1977年まで1年ごとに計算した.水収支計算結果,トリチウム濃度測定結果,降水中のトリチウム濃度を入力として完全混合モデルを用いた湖水の平均トリチウム濃度の計算結果から,以下の結論が導かれた. (1) 湖への全流入量は平均6.09m3・sec-1で,湖水の平均滞留時間は約5,9年である. (2) 湖からの流出は,地下水流出が卓越し,平均4.76m3・sec-1,である. (3) 湖は, 1年周期で考えれば,完全混合しているとみなしてもよい. (4) 集水域内の地下水の平均滞留時間は4年以内である.
  • 平井 幸弘
    1983 年 56 巻 10 号 p. 679-694
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    関東平野中,部の加須低地と中川低地とでは,沖積層の層序・層相や低地の微地形に違いが見られる.この違いをもたらした要因を明らかにするために,沖積層の堆積環境の地域的差異と時間的変化を,沖積層堆積直前の地形(前地形)の変化という視点から考察した.
    中川低地では,最終氷期極相期に渡良瀬川・思川によって,深い谷(中川埋没谷)が形成された.後氷期の海進はその谷の全域に及び,海成層が堆積した.その後,河川は勾配の緩やかな幅広い谷底を自由蛇行し,それに沿って自然堤防を発達させてきた.
    加須低地では,沖積層に薄く被覆された洪積台地(埋没小原台~武蔵野面)が存在している.後氷期の海進は,この台地を開析した複数の小さな谷(加須埋没谷)の下流部にのみ及んだ.その後,河川による堆積は,最初谷中に限られていたが,谷が埋積されると,沖積層の堆積域は台地面上へと拡大し,地域全体が「低地」化した.しかし,台地を覆っている沖積層は薄いため,沖積面下の台地の凸部が微高地(台地性微高地)として島状に残っている.河道は,埋没谷の位置とほぼ一致し,蛇行帯の幅が狭く,自然堤防も直線的な形態を示す.
  • 岡本 耕平
    1983 年 56 巻 10 号 p. 695-712
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,名古屋市における認知距離をできるだけ多様な角度から検討することによって,研究方法の違いを越えて認められる認知距離の基本的性質を明らかにすることである.分析の結果,認知距離を規定する要因は,被験者の属性より,むしろ起点(被験者の位置),終点,認知される距離の種類などの刺激中心要因群であることがわかった.刺激中心要因群は,都市構造と関係するr本研究では特に,起点を複数選定し,しかも直線距離と時間距離の認知形態を比較した結果,名古屋市の都市構造が認知距離に及ぼす影響を見い出した.また名古屋市では,都心方向への距離は,都市縁辺方向への距離に比べて過小評価され, Lee (1970) の結果を支持した.
  • 安原 正也
    1983 年 56 巻 10 号 p. 714-727
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    多駈陵源流部の森林小流域 (0.56ha)において,流域の水文地質学的環境を明らかにした上で,降雨時および降雨終了後の3次元的な地中水の挙動の解明を試みた詞査・観測手段としては,ハンドオーガーによるポーリンク,ストレーナー深度の異なる2種類の観測井群およびテンシオメータ群を用いた.
    研究の結果, (1) 地表面下約1mに上端を有する難透水層が,流域内の広い範囲に分布する,この難透水層が,降雨時および降雨終了後しばらくの間,一時的に「浅層地下水体」を形成し,一方, V字型を呈する基盤の旧侵食面上に存在する「深層地下水体」を被圧する働きをなす. (2) 難透水層は,谷底下部および尾根部付近には存在しない.特に,尾根部付近に難透水層が存在しないことは,降雨時の深層地下水体の挙動を決定する上で,重要な意味をもつ. (3) 降雨強度が特に強い場合に限り, A層とB層の境界面上に一時的な飽和帯が形成され,洪水流の形成に貢献すること都など流域の水文地質学的環境と,それと関連した地中水の挙動が明らかになった.本研究の結果は,他の多摩丘陵源流域にも適用しうる可能性があり,このような知見は防災面や地形発達研究の上からも重要である.
  • 1983 年 56 巻 10 号 p. 728-734
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 56 巻 10 号 p. 732a
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 56 巻 10 号 p. 732b
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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