地理学評論
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56 巻, 7 号
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  • 石井 實
    1983 年 56 巻 7 号 p. 449-470
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    日本における近代地理学の発達史の中で,写真技術とその発達は,地理学の研究と大きなかかわりがあるといえる.このことは,近代地理教育史においてもほぼ同様である.それにもかかわらず,従来,両者の関連についての体系的な研究は乏しく,とりわけ地理学的観点に立って撮影され,あるいは利用されてきた「地理写真」に関する考察は少ない.その上,地理学界における写真の評価も必ずしも高いとはいえない。
    地理学においては,「言語的方法」と同様,地理写真は地図とともに,思想の重要な表出形態をなしているとみることができる.本研究は,このような地理写真について,わが国における地理学史をふまえ・その概念の形成過程を明らかにするとともに,主たる対象や利用形態の変化について,地理学の諸文献や「地理学評論」に掲載された論文を資料として分析したものである.
    この結果, 1. 写真界の動向との関連も考慮しつつ,日本の地理写真史を4期に区分しうること, 2. 写真利用が景観論の隆盛と後退を反映していること, 3. 写真利用の普及は, 1930年代の郷土地理教育の隆盛と密接な関連があること,などを指摘しうる.
  • 田 京淑
    1983 年 56 巻 7 号 p. 471-495
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    中心地システムの研究は,クリスタラーの古典的中心地理論に始まり,都市施設を主とする通常の中心地システムの研究だけではなく,農村における定期市システムの研究も進められている.そして,最近では,定期市システムの研究の進展とともに,定期市システムから通常の中心地システムへの変容過程を扱う研究がみられるようになった.
    本研究の目的は,定期市システムから通常の中心地システムへの変容過程を究明することにある.研究地域としては韓国忠清北道地域を選定したが,それは経済成長に伴う生活水準の向上,バス交通の発達および都市施設の増大などにより,農村地域から都市的機能地域への変容の著しい地域であることによる.研究結果は,次のようにまとめられる. (1) 中心地システムは,生活行動の変容が特に著しい3時期に対応し,それぞれ特性をもつ三つのシステムが認められた. (2) 1940年は,典型的な定期市システムの時期であり,中心地は三つの階層構成を呈していた. (3) 1965年は,定期市の発展期で,新設の定期市による準1次中心地が生まれたが,同時に高次の中心地では,都市施設の発展がみられた.この二つの矛盾する現象から,この時期には定期市システムと通常の中心地システムの併存がみられる.このシステムを混合システム都さらに定期市システムの要素がより強いことから,「定期市的混合システム」と名づけた. (4) 高度経済成長期を経た1980年は,都市施設の充実が一層目立ち,高度の都市施設をもつ4次中心地が新しく形成されるが,一方では,定期市が衰退または消失している.このように,この時期には都市施設が卓越する中で定期市の機能の残存がみられ,それに対応する中心地システムを「都市的混合システム」と名づけた. (5) 生活水準の向上,交通の発達とともに住民の生活行動は,局地的スケール (1940年)から地域的スケール (1965年),さらに国家的スケール (1980年)へと拡大している.したがって, 1980年における中心地システムを国家的スケールで考察すると,本地域と深いかかわりをもつ高次の地方中心地は存在せず,プライメイトシティーの首都ソウルが,最高次の中心地として本地域を直接支配するプライメイトシステムが認められた.
  • 1983 年 56 巻 7 号 p. 496-497,507
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 56 巻 7 号 p. 506
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
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