地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
57 巻 , 4 号
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  • 長沢 利明
    1984 年 57 巻 4 号 p. 217-236
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    文化地理学の研究対象のひとつである言語資料をもとにして,琉球列島久米島の基層的文化複合の地域性を本稿では分析する.調査地である久米島島尻において,筆者は9名の高齢者インフォーマントから計198種の有用植物方名を採集したが,それは,栽培植物(穀類),同(蔬菜類),同(工芸作物・果樹類),薬用植物,天然果樹類,食用野草,生活および生産資材用植物,防風林・生垣・庭木用植物,その他の有用植物の9区分に分類された.そして,これらの方名リストを,琉球方言分布地域内の5圏域(奄美大島圏・南奄美圏・沖縄本島圏・宮古圏・八重山圏)での事例と比較対照し,久米島島尻方名リストの文化地理的な位置づけを試みた.その際に,共通音節をともなう類例の存在が確認された植物種数の比率を「方名共通率」として表示し,比較分析の成果とした.分析の結果, 5圏域との方名共通率は,奄美大島圏56.4%, 南奄美圏62.0%, 沖縄本島圏83.0%, 宮古圏50.4%, 八重山圏56.3%となり,久米島島尻事例と沖縄本島地域との近縁性が顕著にあらわれるという結果が得られた.ここでの指標をもとにみる限り,久米島と沖縄の中心地域との基層的文化複合面における密接な関連が認められた.
  • 太田 陽子, 寒川 旭
    1984 年 57 巻 4 号 p. 237-262
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    鈴鹿山脈東麓地域の活断層と地形との関係を調査し,活断層の変位様式,変位時期,変位速度などに関する知見を得,活断層のタイプを分類した.本地域の活断層は,西の一志断層系と東の桑名・四日市断層系とに大別される.前者はI-1からI-8の,後者はK-1からK-3のセグメントにわかれる.いずれもほぼ南北方向に走る西上りの逆断層で,第四紀における東西圧縮の場で形成されたものである.活断層は,その変位時期にもとづいて,第四紀断層 (Qf, 第四紀の前半まで活動したことは確かであるが,それ以降の活動の証拠がないもの)と,狭義の活断層 (Af, 段丘面を変形させており,第四紀後半の活動が確実なもの)とにわかれる.山麓を限る一志断層の大部分はQfにあたり,山地と平野との分化を生じさせたが,第四紀後半の活動は小さい. Afは,さらに位置・変位様式にもとついて以下の四つに細分される. Af1: Qfの延長上にあるもの, Af2: Qfより約2km東側に位置するもの, Af3: Af2よりさらに海岸側に位置するもの, Af4: Af2およびAf3の背後にあるもの.第四紀後半に最も活動的であったものは,一志断層そのものではなくて,その東側のAf2およびAf3で,前者は新旧の段丘間の地形境界を,後者は段丘と海岸低地との地形境界を形成した.これらの断層の活動度はB級で最大1,000年に0.6m以上の平均変位速度をもち,変位の累積性が認められる. Af4は, Af2, Af3の副断層として生じた短いもので,活動度は小さくC級であり,一般に逆むき低断層崖をなす.主要な活断層Af2, Af3に沿っては,変位地形はおもに撓曲崖の形態をとるが,これは断層面が低角であることと,段丘の基盤をなす岩石が厚い未固結の奄芸層群であることによると考えられる.
  • 松岡 憲知, 上本 進二
    1984 年 57 巻 4 号 p. 263-281
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    日本アルプスの稜線縦断面にみられる起伏と岩質の関係について検討した.花崩岩などの単一の岩種からなる稜線では,起伏は岩盤中の節理の発達程度(密度・結合度)に対応し,突出部ほど節理の発達が少ない.また複数の岩種からなる稜線でも,岩種にかかわらず,起伏は節理の発達程度に対応している。例えば,赤石山脈の堆積岩地域では,チャートや砂岩などの節理の発達の少ない岩石が突出部を構成し,節理の発達の著しい頁岩が鞍部を構成するという対応関係が認められる.節理の発達がとくに著しい断層破砕帯は,深く切れ込んだ鞍部を形成する.
    現在の日本アルプスの高山地域では,風化作用の中で凍結破砕作用が卓越している.凍結破砕作用に対する抵抗性の大きさは,主として岩盤中の節理の発達程度に依存している.したがって,現在の凍結破砕作用の進み方は,現在みられる稜線上の起伏の状態と調和的であり,組織地形はより明瞭になっているといえる.
  • 伊藤 真人, 正木 智幸
    1984 年 57 巻 4 号 p. 282-292
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    Several glaciated valleys in the Northern Japanese Alps were filled up with outwash in each glacial stale (Fukai, 1960; Koaze et al., 1974; Shiki, 1974; Ito, 1982b, 1983). Many accumulation terraces develop along other nonglaciated valleys in such a high mountain area. Based on a tephrochronological study, Machida (1979b, 1980) indicates the possibility that deposits forming the accumulation terraces were supplied in each glacial stale. It is considered that these deposits were produced on mountain slopes by periglacial processes and due to the recession of timber line (Washburn, 1973; French, 1976; Ono and Masaki, 1980).
    Using a tephrochronological method, this study aims to examine (1) the distribution of accumulation terraces located along the River Chigawa, on the eastern part of Mt. Gakidake (2, 647.2m) in the Northern Japanese Alps (Fig. 1), and (2) the ages of debris supply during the late Pleistocene.
    Five terraces develop along the middle to downstream of the Chigawa ; they are classi-fied into Terraces I to V in this paper (Figs. 3 and 4). Except for Terrace I, others are accumulation terraces. Terraces II and III seem to have been formed under periglacial conditions, judging from the much amount of frost shattered debris involved in the terrace deposits. The timber line probably falled down at lower altitude (about 1, 000m) during the supply of these terrace deposits.
    The pumice fall deposit, DPm (Tateyama Volcano), covers the gravel layer of Terrace II (Fig. 2). The pumice fall deposits, EPm (Tateyama Volcano) and DKP (Daisen Volcano), cover the gravel bed of Terrace III, or are intercalated into this bed (Fig. 2). In view of the presumed age of DPm fall, a stage of accumulation terracing (Terrace II) in this area should be once of the cold periods before 100, 000 years B. P.. After the stage, a periglacial environment seems to have governed this area during the period between 70, 000 and 40, 000 years B. P., on the basis of the presumed age of the EPm and DKP.
    These two periods of debris supply correspond to the glacial stades where have been proposed in other high mountain area of the Northern Japanese Alps (Fig. 6).
  • 1984 年 57 巻 4 号 p. 293-294,299
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 57 巻 4 号 p. 298
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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