地理学評論 Ser. A
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58 巻, 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 中村 圭三
    1985 年 58 巻 8 号 p. 477-491
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    北海道遠軽の谷に面した山地 (417.5m) 斜面上において1979年7月21日から22日にかけての夜間,および長野県菅平盆地の大松山 (1,648.7m) の斜面上において1980年8月25日と28日の日の出前に,係留気球を用いて斜面上100m高度までの小気候観測を実施した。その結果,遠軽の山地斜面上においては,冷気流とその上層の反対流とが確認された.一方,大松山の斜面上100m高度までの水平・鉛直風速および風向とを合成して求めた斜面の方向に沿う風の成分を解析した結果,山頂から0.9~1.9km(標高1,370~1,270m)離れた斜面上に冷気流域が形成され,この領域内には強い接地逆転層が発達することがわかった.斜面下部で,この冷気流の末端は上向きに転じはじめる.これらの観測結果をThyerの数値モデルと比較検討した結果,遠軽の山地と大松山の両斜面上に冷気流に関する循環系が形成され,観測した気流はその一部であると推論された.
  • 宮内 崇裕
    1985 年 58 巻 8 号 p. 492-515
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    東北日本内帯に比べ穏やかであるといわれる東北日本外帯の第四紀地殻変動像を知るために,上北平野を研究地域として選び,地形学的手法,火山灰編年学的手法により区分・編年のなされた段丘の変位や基盤の地質構造から,第四紀地殻変動を考察した.そして,以下のような結果を得た.
    奥羽脊梁山脈や丘陵地と上北平野の分化は,第四紀前半における平野西縁の南北性の逆断層・擁曲の活動により進行し,擁曲運動は鮮新世末より第四紀を通じて継続してきた.少なくとも第四紀後半には,平野全体は隆起運動を続け,最近12万年間の平均隆起速度は最大0.3mm/年である.平野北部では東西性の摺曲運動が,また平野南部では北方への傾動運動と南北性の撹曲に平行な摺曲運動がみられる.
    平野全体の隆起傾向は,第四紀にはいってからの脊梁山脈・北上山地の隆起運動を受け継いだものであり,平野南部での北方への傾動は,北上山地の曲隆の影響が平野部まで及んでいることを示すと考えられる。南北性の活構造は,東北日本の第四紀に卓越する広域応力場で形成されたと考えられるが,同じ応力場では東西性の地殻変動の原因は説明できない.
  • バイナリー型地理行列を中心にして
    矢野 桂司
    1985 年 58 巻 8 号 p. 516-535
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    今日,因子分析法と主成分分析法は,研究目的の多様化に応じて,さまざまな地理行列に適用されている.しかしながら,地理学では,いずれの地理行列に対しても,データの標準化に基づいた相関行列を入力データとする因子分析法のみが十分な吟味なしに適用されてきた.その結果,分析する地理行列によっては,因子分析法の不適切な適用,さらには,誤った解釈を引き起こす可能性が生じてきた.
    本稿は,こうした状況を多少とも回避するために,地理的データの基準化に着目し,バイナリー型地理行列への直接因子分析法の適用を概観した.そして,その有効性を二つの研究成果, (1) 中心機能の階次区分・中心地の階層区分研究, (2) 交通ネットワーク研究,の追試を通して検討した.その結果,バイナリー型地理行列への直接因子分析法の適用の正当性が示された.
  • 渡辺 満久, 宇根 寛
    1985 年 58 巻 8 号 p. 536-547
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    In the eastern marginal area of the Niigata Plain, the Kaj igawa Fault, the Tsukioka Fault and the Muramatsu Fault are distributed. Each fault has a sense discordant with the uplift of the Tide and Echigo Mountains.
    In order to examine the tectonic features of the active faulting and mountain building, (1) distribution and deformation of river terrace surfaces in the eastern margin of the Niigata Plain, and (2) gradients of river terrace surfaces distributed along the Kaji River and the Agano River, were investigated. The results are summerized as follows.
    The western part of the Tide and Echigo Mts. has been tilted and uplifted since early Pleistocene, and the middle part has been uniformly uplifted. A large amount of gravel derived frcm the mountains were deposited, forming the ST surface (alluvial fan surface), at the western foot of the mountains. Since the formative period of the ST surface, active reverse faultings have occurred with westerly upthrown sense and left lateral slip. They are presumably the rej uvenations of pre-existing normal fault beneath the Niigata Plain, under compressional field.
  • 池田 宏
    1985 年 58 巻 8 号 p. 548-549
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 大内 俊二
    1985 年 58 巻 8 号 p. 549-550
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 杉谷 隆
    1985 年 58 巻 8 号 p. 550-552
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 58 巻 8 号 p. 553-555,558
    発行日: 1985/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 58 巻 8 号 p. 557
    発行日: 1985年
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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