地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
62 巻 , 10 号
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  • 森山 昭雄, 光野 克彦
    1989 年 62 巻 10 号 p. 691-707
    発行日: 1989/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    伊那谷南部の盆地堆積物とその地形について調査した結果,伊那谷の竜東面を構成する伊那層(下部更新統)はその大部分が赤石山脈の隆起に伴って古小渋川水系によってもたらされたものであり,更新世前期には木曽山脈は大量の砂礫を生産するような急峻な山脈ではなかったこと,木曽山脈の隆起は更新世中期頃から始まって更新世後期に活発化したことが明らかになった.また伊那山脈は更新世前期に隆起を終了し、伊那層や竜東面の傾きや中央構造線などの活動が見られないことなどから,伊那谷から赤石山脈にかけての大規模な傾動運動(伊那一赤石傾動地塊運動)が少なくとも更新世中期から継続してきことを推定した.以上の事実は,山地が第四紀に入って一斉に隆起してきたとする従来の考え方に対して,各山地によってその隆起時期が異なるという山地地形の発達に関して一つの事例を提起している.
  • 中島 弘二
    1989 年 62 巻 10 号 p. 708-733
    発行日: 1989/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    生産活動をめぐる人間一環境関係研究は,もっぱら物質文化や生業活動の問題として文化地理学において取り扱われてきた.しかし Cosgrove (1978)が指摘するように,人間一環境関係とは文化から文化景観への一方向的流れとしてではなく,知と存在との,そして認識と実践との弁証法的関係としてとらえられるものである.本稿は近代阿蘇山麓の牧野利用の分析を通して,そうした弁証法的人間一環境関係を明らかにすることを試みた.その結果,牧野をめぐる社会変化が生態・社会両システムのシステム間関係に依存しているということ,そしてそうした関係が稀少性のさ中での共同主観化された意識と実践との弁証法的展開過程であることが明らかとなった.それは単に研究対象の問題のみにとどまらず,人問一環境関係という問題を設定する地理学者自身の認識論的プロブレマティックにかかわる問題である.
  • 渡辺 満久
    1989 年 62 巻 10 号 p. 734-749
    発行日: 1989/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    北上低地帯は,その西縁を逆断層に限られる典型的な構造性の内陸盆地であり,鮮新世以降に奥羽山地から分化してきたと考えられる.北上低地帯は活断層,第四系基底面の形状,および地質構造によって, O-typeの地域 (同低地帯の北部と南部)と hypeの地域 (中央部)とに分類される.
    O-typeの地域では,新第三系,第四系基底面,および第四系 (厚さ数丁十程度以下)に東方へ緩く傾斜する構造が認められる.この地域の西縁部は,活断層がきわめて直線的であることから,比較的高角の逆断層で限られると推定される.
    I-typeの地域では,第四系基底面は西縁の活断層系に向かって数度以内の傾斜で一方的に傾き,第四系の層厚は奥羽山地では 200m以上に達する.西縁部には東へ凸な多数の活断層線が認められることから,低角の逆断層から成る複雑な断層系が形成されていると考えられる.
    これらの構造的な特徴と,半無限弾性体に対する食い違いの理論に基づく計算結果から想定される地震時の地殻変動,および地殻とマントルの非弾性的な性質に起因して地震後に現われる地殻変動とを比較した.その結果,西縁断層系への傾動が認められる 1-typeの地域では,断層活動によって低地が奥羽山地から分化してきたと結論した. 0-typeの地域に認められる構造を得るには,地表で確認できる断層活動以外の要因を想定する必要がある.
  • 1989 年 62 巻 10 号 p. 750-762
    発行日: 1989/10/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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