地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
63 巻 , 9 号
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  • 吉永 秀一郎
    1990 年 63 巻 9 号 p. 559-576
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    最終氷期以降の斜面の地形変化傾向を検討する1つの試みとして,十勝平野東部,大豊台地のKs I面上に谷頭を有する小流域の谷壁斜面を取り上げ,その発達過程を明らかにした.
    調査流域の谷壁斜面は,傾斜変換線を境とするいくつかの斜面単位に分類できる.これらの各斜面単位では,それぞれの斜面単位を覆うテフラを母材とする土層の層序が一定である.また土層層序の変化するところは傾斜変換線の位置に一致する.このことから段丘面の編年と同様に斜面の編年に際しても,テフラ層序およびテフラを母材とした土層の層序を用いることが有効である.
    このような手法を用いて明らかになった調査流域の最終氷期以降の斜面の発達過程は,後氷期初頭(約9,000年前)を境として様式が異なる.後氷期初頭以前は,谷頭の上流への伸長および水流の下刻に伴う斜面の不安定化に起因して地形変化が進んでいる.これに対して後氷期初頭以降は,谷床高度の安定により水流の側刻が始まり,これに影響されて崩壊が発生することによって斜面形成が進行した.このような水流の縦断形の変化の傾向および斜面発達様式の違いは本流河川の河床高度変化の影響を受けたものではなく,調査流域内で独自に生起した現象であり,それは最終氷期以降の気候変化に伴う降水量の変化に影響されていると考えられる.
  • 束村 康文
    1990 年 63 巻 9 号 p. 577-592
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では小氷期末の19世紀前半をとりあげて,東アジアの夏季の寒帯前線の出現位置と出現頻度を復元し,当時の乾湿分布との関係を議論した.寒帯前線位置の復元は,19世紀前半の毎日の天気分布図(風,寒暖の記録を含む)について類似している現在の天気分布図を捜し出し,それに対応した現在の総観天気図中の寒帯前線位置を採用するという方法をとった.6月から9月まで,寒帯前線帯の位置の推移を調べた結果,冷涼な年代である1825~1840年はそれ以前の1815~1824年に比べて,盛夏期へ入る際の前線帯の北上の時期が遅れていた.また,8月にも前線の南下が数度あり,9月においては寒帯前線が南偏することが多かった.これらの寒帯前線によって,東アジアの湿潤域は,1825~1840年には華中と日本に出現することが多かった.
  • 小笠原 洋子
    1990 年 63 巻 9 号 p. 593-605
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    The period 1550-1850 is well-known as the Little Ice Age in Europe. The purpose of this paper is to describe the summer climate of Edo in the early nineteenth century. For that purpose, the rainfall was estimated using a historical weather record. The daily weather record for Edo is available from “Hirosaki Hancho Edo Diary, ” a document of the feudal Tsugaru Clan. This study covers the summer months, June, July, and August, in the 1830s and 1840s.
    First, the summer days in the diary were sorted into four rainfall types according to the weather which was recorded in the diary:
    R1: heavy rain, R2: rain all day,
    R3: thunderstorm,
    R4: rainy days not included in the other three categories.
    Days with no rainfall were sorted as type N. Each of these rainfall types is given a class value which indicates the hypothetical daily precipitation. The hypothetical daily precipitation amounts were obtained by analyzing the distribution of recent observed daily precipitation. Last, the pre-cipitation of Edo was evaluated relative to each type of rainfall. Precipitation was estimated by substituting the class value.
    The results of this study are summarized as follows. Summers in Edo are considered to have been wetter than now. It often rained heavily in July and August. The difference is particularly remarkable in August. Summer precipitation in the 1830s and 1840s is estimated to have been 1.2-1.5 times that of today.
  • 1990 年 63 巻 9 号 p. 606-608,615
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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