地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
70 巻 , 5 号
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  • 谷 謙二
    1997 年 70 巻 5 号 p. 263-286
    発行日: 1997/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,戦後の大都市圏の形成とその後の郊外化を経験した世代に着目し,その居住経歴を詳細に明らかにしたものである.方法論的枠組みとしてライフコース・アプローチを採用し,名古屋大都市圏郊外の高蔵寺ニュータウン戸建住宅居住者 (1935~1955年出生)を対象として縦断分析を行った.その結果,移動性が最も高まる時期は離家から結婚までの間であり,さらに離家を経験した者の多くが非大都市圏出生者であった.大部分の夫は結婚に際しては大都市圏内での移動にとどまるのに対し,妻は長距離移動者も多く,中心市を経由せずに直接郊外に流入するなど,大都市圏への集中プロセスは男女間で相違が見られた.結婚後の名古屋大都市圏への流入は転勤によるものであり,その際は春日井市に直接流入することが多い.それは妻子を伴っての流入であるために,新しい職場が名古屋市であるにもかかわらず,居住環境の問題などから郊外の春日井市を選択するためである.
  • 長岡 信治, 横山 祐典, 中田 正夫, 前田 保夫, 奥野 淳一, 白井 克己
    1997 年 70 巻 5 号 p. 287-306
    発行日: 1997/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    有明海南東岸の菊池川下流,玉名平野の完新世における海面変化および地形発達を,航空写真判読,ボーリング調査・貝化石の14C年代測定,硫黄・珪藻分析などの結果に基づいて考察した.平野は三角州と自然堤防帯からなり,それらを構成する沖積層は基底礫層 (BG) ・下部層 (LS: 砂・シルト)・中部層 (MC: シルト・粘土)・上部層 (US: 砂)に分けられる.この内, MCは発達の良い完新世の海進堆積物である. MCを形成した海進では,初期の約9000年前には海水準は-20m付近にあり,その後は5.5m/103yrの急激な速度で上昇し,約4900年前には2mの最高海水準に達した.それから現在まで,海水準は緩やかに低下し,現海水準に達している.この海退に伴い上部砂層が堆積した.このように,完新世最高海水準が見かけ上現在よりも高くなる海水準変動は,海面上昇に伴うハイドロアイソスタシーによる陸側の隆起を示している.
  • 林 陽生, 黒瀬 義孝
    1997 年 70 巻 5 号 p. 307-320_1
    発行日: 1997/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    地形が複雑な中山間農業地域を対象に,日射環境のメッシュ分布を推定した.解析対象とした要素は,日の出および日没時刻頃の日陰域,日照時間,水平面全天日射量,斜面全天日射量である.推定に用いたモデルの特徴は, (1) 従来より詳細な250mメッシュを用いた点, (2) 日射の地形による遮蔽効果を考慮した点である.
    日の出と日没頃の日陰分布の時間的変化から,日照時間が同値でも,地点により午前と午後への日照時間の配分に大きな違いがあることが明らかになった.また,低平地や尾根で日照時間が長く,狭小な地形あ周辺では日照時間が短縮する特徴が現れた.
    全天日射量については,斜面全天日射量が水平面全天日射量より大きな地点が主に南向き斜面の中腹に分布することなどが明らかになった.
    これらの特徴は,中山間農業地域に賦存する潜在的資源の評価を行う上できわめて重要であると考えられる.
  • 1997 年 70 巻 5 号 p. 321-326,329
    発行日: 1997/05/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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