地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
71 巻 , 8 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 飯島 慈裕, 篠田 雅人
    1998 年 71 巻 8 号 p. 559-572
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    「植生の逆転」現象が見られる八ヶ岳連峰稲子岳の凹地内で1995年暖候期に行った気温観測結果から,凹地内で形成される冷気湖の季節性,形成状態についての知見が得られた.冷気湖形成を山頂と凹地底の気温差から定義したところ,冷気湖は観測期間132日に78日形成されていた.冷気湖は,夏季は太平洋高気圧下で形成され(夏型),9月以降は移動性高気圧下で形成されていた(秋型).夏型の冷気湖は逆転時間が短く,弱い冷気湖である場合が多いのに対して,秋型の冷気湖は一晩中持続し,強い冷気湖であることが多かった.こうした冷気湖の季節性は,放射冷却の大きさを決める上で重要な水蒸気量もしくは雲の発生の季節変化が要因の一つであると考えられた.また,冷気湖の逆転層の上限高度を見ると,逆転の強い冷気湖では上限高度は比高50~70m,弱い冷気湖では20m以下であることが推測され,凹地底付近では冷気湖の影響を強く受けている.
  • 梶田 真
    1998 年 71 巻 8 号 p. 573-587
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    奥地山村の地域経済は公共部門への依存によって特徴づけられる.本研究では岐阜県和良村における青年男子の就業過程として移動および職業歴を調査し,奥地山村における職業構造を分析した.その結果,後継者などを除くと村内の職業は従業員の現職就業年齢と学歴によって3グループに分類されることが明らかになった.第1の役場・農協の事務職員のグループは現職就業年齢が最も若く,学歴は最も高い.このグループは高賃金と福利厚生制度の充実によって特徴づけられる.第2の建設業・誘致工場労務職のグループは現職就業年齢の面では役場・農協の事務職員のグループに準じるが,学歴は低い.そして第3の中小工場労務職のグループは現職就業年齢が著しく高い.また高齢従業員の引退に伴う青年労働力の更新が可能になっているのは役場・農協の事務職員のグループのみで,他の二つのグループは労働力不足の問題が深刻化しつつある.
  • 高橋 伸幸
    1998 年 71 巻 8 号 p. 588-599
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    北海道中央部に位置する大雪山の北部東斜面の森林限界(標高1700m)で気温観測を行った.その結果,森林限界の年平均気温は,1995年に-1.9°Cであった.また,平年値に近い1995年暖候期の気温から求めた温量指数は18.3°C・月であり,吉良が示した森林限界め温量指数15°C・月を上回る.観測点付近の温量指数15°C・月の高度は標高1823mと推定される.一方,この森林限界とほぼ同高度にある大雪山中央部の風衝地(標高1710m)では,年平均気温が森林限界よりも1.0°C低く,不連続的永久凍土帯の気温に相当する.また,温量指数は13.8°C・月であり,15°C・月の高度は標高1658mと推定され,温量的にもこの風衝地は高山帯とみなせる.ほぼ同高度にある両地点で見られた気温状況の違いは,積雪や植生など地表面付近の気温支配要因の差によるものと考えられる.
  • 朴 〓玄
    1998 年 71 巻 8 号 p. 600-614
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿では,国際通話量から見た韓日間の国際的都市システムの結節構造と地方都市の位置づけを分析した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)韓日間の国際的都市システムは,首都間の結合関係が最も強い上位レベルと,地方都市間の結合関係が見られる下位レベルとの,2階層から成る重層的構造である.そのうち,上位レベルにおける首都間の結合は,首都の機能の多様性と経済的基盤の強さを再構築させ,国際的都市システムにおける,首都と地方都市との格差を作り出す重要な要因となっている.(2)下位レベルにおいて,絶対量は少ないが,釜山一福岡間の結合関係が強いことは,両都市が韓日の両国において地方中核都市であること(都市規模)と空間的に近接していること(空間的距離)とに起因する.とりわけ,こうした釜山一福岡間の結合関係は,韓日間の国際的都市システムにおける地方都市間の結合関係の事例として独特の位置を築いており,国際的都市システムにおける水平的構造の可能性を示唆するともいえる.
  • 1998 年 71 巻 8 号 p. 615-616,623_1
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
feedback
Top