地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
72 巻 , 2 号
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  • 関根 智子
    1999 年 72 巻 2 号 p. 75-92_2
    発行日: 1999/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,衛星画像データに基づき分類された土地利用と,地形や道路などの諸条件が,居住地域の生活環境とどのように関係しているかを分析することを試みる.リモートセンシング(RS)を利用することによって,SPOT衛星画像データから,市街地,空き地,畑・草地,水田,果樹,森林,水域の7タイプの土地利用が識別された.さらに,それらの土地利用区分に基づき,地理情報システム(GIS)を用いてベクトル形式の土地利用分類図が作成された.生活環境評価圏としては半径500m圏を設定し,評価圏内の生活関連施設への近接性から生活環境水準を求めるとともに,ベクトル形式の土地利用分類図,DEM(デジタル標高モデル),およびデジタル道路地図上に評価圏を重ね合わせ,評価圏内の土地利用構成割合,標高差,道路密度をそれぞれ算出した.
    これら九つの土地利用に関連する変数間の多重共線性を除去するため,主成分分析を行った.その結果,「市街地一森林」,「標高差」,「水田」,「水域」,「空き地」,「果樹」の六っの主成分で全分散の約96%を説明できることが明らかになった.次に,これら六つの主成分を説明変数に,生活環境水準を目的変数にとり重回帰分析を行った結果.「市街地一森林」,「水田」,「水域」,「空き地」の四つの主成分で生活環境水準の変動の約56%を説明できることがわかった.
    そこで,四つの主成分に基づき120の生活環境評価圏をクラスター分析し,「市街地」,「市街地・空き地」,「水田」,「森林」,「森林・空き地」,「森林・水域」の六つの地域クラスに分類した.この六つの地域クラスに対し,生活環境水準との間の独立性を求めたところ,やや強い関係があり,また,その関係は1%水準で有意であった.
  • 中口 毅博
    1999 年 72 巻 2 号 p. 93-115
    発行日: 1999/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    日本の地域環境計画においては,目標の設定に活用可能で更新の容易な環境総合指標の開発が望まれている.・本研究では宮城県の環境基本計画を例に,計画目標や政策の展開方向に沿った環境総合指標の作成方針を明らかにした上で,陸域生物生息環境指標,大気浄化機能指標,土壌侵食防止機能指標,雨水流出抑制機能指標の四つの自然環境総合指標を選定し,それらの算定式や作成方法を提案した.県全体およびメッシュ別・標高帯別の指標値を算定した結果,陸域生物生息環境指標,雨水流出抑制機能指標は過去から将来にわたり低下し続け,大気浄化機能指標は上昇していたが近年は下降傾向にあり今後も低下すること,土壌侵食防止機能指標は過去から将来にわたり横ばいであることが示された.メッシュ別にみると,標高の最も高い地域よりも,むしろ300~600m前後のいわゆる里山地域が存在する標高帯に指標値の高いメッシュが多く存在する.さらに計画目標達成に向けての課題として,身近な自然の保全,市街地内の緑化の強化,森林や農地の維持管理の徹底,森林の水酒養機能の保全や雨水の浸透・貯留を推進することの重要性が明らかになった.
  • 濱里 正史
    1999 年 72 巻 2 号 p. 116-128
    発行日: 1999/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    生活環境における利便性を明らかにする際には,いくつかの近接性測度を用いて多面的に検討することが望ましい.本稿はこうした立場から,空間的移動に伴う心理的負荷量(時間距離負荷量)および限界距離を考慮した新たな近接性測度を提案することにより,生活環境研究に資することをその目的とした.時間距離負荷量は,時間距離の関数であり,その導関数は単位時間距離負荷関数である.単位時間距離負荷関数は,沖縄本島中南部地域で実施した面接調査の結果に基づいて定式化し,時間距離負荷関数は,単位時間距離負荷関数を基に導出した・こうして得られた時間距離負荷関数を,累積機会測度に組み込むことにより,空間的移動に伴う心理的負荷量および限界距離を考慮した新たな近接性測度を構築した.その結果,新たな近接性測度では,距離減衰効果が対数関数として定式化された.また,新たな近接性測度は,生活関連施設が限界距離よりも居住地に近接した位置に存在することによって,居住者が被らずにすむ心理的負荷量の総計を示すものであった.
  • 1999 年 72 巻 2 号 p. 129-136,139_1
    発行日: 1999/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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