地理学評論 Ser. A
Online ISSN : 2185-1735
Print ISSN : 0016-7444
73 巻 , 1 号
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  • 鈴木 毅彦
    2000 年 73 巻 1 号 p. 1-25
    発行日: 2000/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    飛騨山脈南西部の貝塩給源火道から噴出した貝塩上宝テフラ (KMT) は,大規模火砕流堆積物と中部~東北南部を覆った降下テフラからなる大規模テフラである.本稿ではその特性・分布・年代を示し,噴出前後に形成された地形面の編年・古地理について論じた.KMTの認定においては,黒雲母・石英・高ウラン濃度ジルコンの存在,火山ガラス・チタン磁鉄鉱の化学組成を指標とした.従来の放射年代値と房総半島上総層群中での層位から,KMTは海洋酸素同位体ステージ (MIS) 17.3~15.2に降下し,その年代は0.58~0.69Maの間と判断された. KMTは関東の狭山面・阿須山面・喜連川丘陵上位面,松本盆地の梨ノ木礫層堆積面形成後まもなく降下した.これら地形面はMIS17~16に形成されたと推定され,当時は扇状地面を広く発達させる地形形成環境があったとみられる.また, KMT噴出時,飛騨山脈中軸部がすでにかなりの高度を有していた可能性を指摘し,阿武隈山地に発達する小起伏面群の形成年代の上限を示した.
  • 川澄 隆明
    2000 年 73 巻 1 号 p. 26-43
    発行日: 2000/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    立山は,主に閃緑岩で構成される主稜部と,主稜部の西斜面に形成された立山火山からなる.立山火山北東部の室堂平とその周辺に堆積する氷成堆積物と火山噴出物の層序および層相によって,後期更新世前半における氷河前進の時代および氷河作用と火山活動の関係を検討した.層序は,下位から順に,立山第2期火砕流堆積物, K-Tz (95~90 ka), 立山礫層,雷鳥台砂礫層(ca.70 ka),室堂礫層,玉殿溶岩, DKP (52~50 ka) である.立山礫層は主稜部から流下した氷河の氷底堆積物であり,立山第2期火砕流堆積物に形成された氷食谷の中に堆積した.雷鳥台砂礫層は, Tt-E (ca. 70 ka) に対比される軽石を多量に含み,立山火山活動によって主稜部の氷河が融解したときの土石流堆積物である.室堂礫層は,成長した立山火山から流下した氷河の氷成堆積物である.後期更新世前半の氷河前進は立山火山活動によって2期に区分され,それぞれ95~70 ka (MIS 5b~4) の間, 70-50 ka (MIS 4~3) の間に起こった.
  • 磯田 弦
    2000 年 73 巻 1 号 p. 44-55
    発行日: 2000/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    1980年代末のバブル崩壊は首都ロンドンに最大の打撃を与えたにもかかわらず,ロンドンで人口流串の縮小と人口獲得がみられた.この一見不可解なイベントをNHSCRによる毎年の年齢別移動を観察し, Fielding (1992) の「エスカレータ地域モデル」を動的に拡張して次のように解釈した.社会上方移動の機会が最も豊富なロンドンは,好況期には全国から青年をかき集める一方で中年以上の世帯を郊外に流出せしめるが,不況になるとこの空間的・社会的移動が不活発になり,人口がロンドンに閉じこめられてしまう.そして若い世帯が多いロンドンでは自然増加によって人口規模が膨れあがってしまうのである.
    1990年代前半の不況の場合には住宅価格の急落が人口移動減少の最大要因であった.政策により民間賃貸住宅が希少なイギリスでは多くの移動に住宅の買替えが必要となる.住宅市場の停滞が住宅買替えを困難にしたのである.
  • 2000 年 73 巻 1 号 p. 56-56,58_1
    発行日: 2000/01/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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