地理学評論
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78 巻, 7 号
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  • 小岩 直人
    2005 年 78 巻 7 号 p. 433-454
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    奥羽脊梁山脈の諸河川では,最上流部付近において20ka前後に形成された堆積段丘の存在が指摘されてきた.本稿は宮城県名取川上流域において,最終氷期以降の河成段丘の編年を行うとともに,堆積段丘構成層の移動・堆積プロセスを検討し,堆積段丘の発達過程について考察した.その結果,名取川の上流部では河谷の埋積は酸素同位体ステージ4以前に開始され,最終氷期最寒冷期頃あるいはその直前に終了していること,河谷埋積期には土石流や流水が大きく関与した斜面プロセスにより河谷へ岩屑が供給されていること,埋積終了は最終氷期最寒冷期の気候乾燥化による岩屑供給の減少によって引き起こされたことが明らかになった.
  • 森川 洋
    2005 年 78 巻 7 号 p. 455-473
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    日本の「平成の大合併」にとって参考にすべき点があると考え,連邦国家ドイツにおける市町村地域改革と市町村の現状について調査した.市町村地域改革が1960~1970年代に実施された旧連邦州では,「市民に身近な政治」が重視され,当初漸移形態と考えられた市町村連合は単一自治体にほとんど移行することなく今日まで存続している.一方,1990年代に旧連邦州を模倣するかたちで実施された新連邦州の市町村地域改革では,いまだ小規模村が多く残存する州もあるが,市町村連合の多くは経済的利益を考慮して将来単一自治体に移行するものと考えられる.
  • 阿部 史郎
    2005 年 78 巻 7 号 p. 474-485
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,製造業が製品の納入において高速道路をどのように利用しているのかを,JITが典型的にみられる自動車部品産業の事例を用いて明らかにする.製品ごとに事業所間分業が行われているため,工場は分散していても製品の納入の空間はどの企業も広い.納入先までの距離が長いと高速道路の利用が高まる.企業が高速道路を利用する場合は,輸送において輸送時間の短縮と定時性の確保を重視している場合である.これは安定した生産を行うためである.企業が高速道路を利用しない場合は,輸送費の削減を重視している場合である.高速道路の利用には納入先の影響もある.下請のピラミッドの階層が下がると製品の単価が下がり,納入先からのコストの要求が厳しくなる.そのため輸送時間の短縮と定時性の確保を重視しているとしても,比重としては輸送費を無視できなくなる.
  • 2005 年 78 巻 7 号 p. 486-490,i
    発行日: 2005/06/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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