地理学評論
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80 巻 , 10 号
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  • 大呂 興平
    80 巻 (2007) 10 号 p. 547-566
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    北海道では1950年代後半以降, 肉用牛繁殖部門が急成長してきた. この成長は, 異なるタイプの経営が複雑に展開することにより実現されたものである. そこで本研究では, 北海道の代表的な子牛産地である大樹町を事例に, 肉用牛繁殖部門の成長過程を, 経営群の進化という概念により考察した. 経営群の進化とは, 地域の経営群において特定のタイプの経営が増減し, 経営群の構成が変化する過程をいう. 本研究ではこの過程を, 個々の農家が経営タイプを変化させる際の, 資本装備の導入, 適応的な技術習得過程, 維持という三つの局面に注目して説明を試みた. 大樹町の肉用牛繁殖経営群では, 時間の経過とともに小規模経営, 中規模経営, 大規模経営という異なる技術的特徴を持つ経営が現れ, それらが地域の基幹農業部門の動向や補助事業の実施などと関連して複雑な展開を示した. 小規模経営は, 農家の副収入源として, 他部門の動向に規定されながら広範に展開した. 中規模経営は, 他部門に対して所得が劣るため, 主に畑作の冷害や子牛価格の高騰時に一時的に成立した. 大規模経営は, 酪農や畑作に生計を依存できない少数の農家が, 大型補助事業を利用することで成立し, 技術力の違いによる収益格差を伴いながら展開した.
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  • 成瀬 厚, 杉山 和明, 香川 雄一
    80 巻 (2007) 10 号 p. 567-590
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    近年, 日本の人文地理学において, 言語資料を分析する研究が増加しつつある. 本稿では, そのような論文を方法論的な観点から批判的に検討することを目的とする. まずは日本の地理学における言語資料分析を概観し, 言説概念の英語圏地理学への導入・批判を紹介することを通じて, 地理学研究で言語の分析をすることの意義を探求した. 人文地理学における言語の分析は, 単に新たな研究の素材の発掘や量的分析を補完する質的分析にとどまらない可能性を有している. それは, 社会を根源的に見直す概念となり得る. 現在の研究に不足しているのは, 言語資料の分析方法に関する詳細な検討, 関係する主体のアイデンティティの問題, そしてその言葉の生産過程における政治性への認識, である. 地理学的言説分析とは, 生産された言葉が発散するように地理空間に流通し, それを人々が消費し, 解読することによって, 意味的に収束させていく過程を分析し, また同時に, その意味的収束において発信者と受信者のアイデンティティと記述要素としての地理的要素との関係を論じていくことである.
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