はじめに:
米国アリゾナ州の隕石衝突による炭素(マイクロダイヤモンド)生成について、これまで同隕石孔ダイヤモンド炭素は、隕石起源の地球外起源生成と考えられていた。実際、炭素質隕石からマイクロダイヤモンドが発見されている。しかし、炭素塊の含有元素(Ca, Si)は炭素質隕石とは異なり、地球の衝突岩石の石灰岩と砂岩起源であり、その蒸発起源の炭素であると新しく三浦(2005)が報告した。新解釈の報告であったが、隕石とターゲット岩石が直接反応した二次鉱物の形成の報告がなく、その点で衝突起源の炭素である詳細なデータによる説得力がさらに要求されていた。筆者は、ナノテク技術のFE-SEM 走査電子顕微鏡観察(JEOL7000F)による詳細な研究が本論文の目的である。
隕石溶融層の中に形成された赤金鉱:
鉄と塩素(Cl)-を含んだ赤金鉱は、これまで日本のアカガネ鉱山等から報告されているが、隕石衝突破片や、地表で発見された隕石から発見されている。筆者は、地球落下隕石(玖珂隕鉄、仁保隕石、美保関隕石など)破片の特に溶融層(ヒュージョンクラスト)から特異な組織をして発見されてり事を発見した。これらは人工的にも同じ特異な組織のアカガネ石を形成し粉末X線回折(XRD)で確認されています。
米国バリンジャー隕石孔の炭素塊:
米国アリゾナ州の隕石衝突による炭素(マイクロダイヤモンド)は、二種類の場所から観察される。1)鉄ニッケル金属破片中に不規則状に含む六八面体外形を示す炭素塊、2)多量の炭素塊中に不規則分布する鉄ニッケル金属破片の集合体などで観察される。いずれも鉄隕石起源の鉄ニッケル金属破片と炭素塊(微量のCa, Si を含むため衝突原岩起源)による集合体で地球外起源と隕石とは異なる組成と組織である。
米国バリンジャー隕石孔の炭素塊中の赤金鉱:
特異な急冷組織を示す赤金石粒子集合体が、1)六八面体外形を示す炭素塊中にはないがその周囲に分布していること、2)多量の炭素塊中に不規則分布する鉄ニッケル金属破片集合体の周囲に分布すること、そして3)二次的な鉄ニッケル酸化物中に二次的に不規則介在する炭素粒子の周囲に分布すること、などがFE-SEM観察で詳細にEDX組成分析とともに確認された。
炭素塊中の赤金石の形成:
以上のFE-SEM観察分析から、炭素塊は、鉄隕石が衝突溶融中に、原岩の石灰岩が蒸発して炭素化している周囲に付着して固化したことを示す。したがって、これらの炭素塊がターゲット岩のカイバブ石灰岩である事を示す生成鉱物組織であることを示すことが確認された。
まとめ:
本研究成果は、以下の通りにまとめられる。
1) 米国アリゾナ州の隕石孔の炭素(マイクロダイヤモンド)は、赤金鉱とその特異な急冷組織を不規則に炭素塊の周囲に形成され、地球深部では説明できないことがわかった。
2) 本研究結果を他の隕石の溶融層や実験と比較して、急冷衝突時に鉄と炭素源の混合でできたことを示す直接的な証拠であることがわかった。
バリンジャー・カーボン・ブロックは、影響の間、3つの集計から成ります。
3) 以上の対比的な研究データから、米国アリゾナ州の隕石孔のマイクロダイヤモンド炭素源は鉄隕石が地表の石灰岩と衝突してできたものであることが直接的に確認された。
謝辞:
著者は、この研究で議論していただいた多くの方々にお礼申し上げます。
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