日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成21年度春期第53回日本歯科理工学会学術講演会
選択された号の論文の110件中1~50を表示しています
特別講演
  • Lim Bum-Soon
    セッションID: SL-1
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/17
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    The most common side effect of fixed orthodontic treatment is enamel demineraliza-tion or white spot formation around orthodontic brackets. Preventing these lesions is an impor-tant concern for orthodontists because the lesions are unaesthetic, unhealthy and potentially irreversible. Knowledge of adhesion patterns of cariogenic streptococci to orthodon-tic materials can provide valuable information on the cause of enamel demineralization during orthodontic treatment. Streptococcus mutans and Streptococcus sobrinus are the main causative organisms for enamel demineraliza-tion during orthodontic treatment. The adhesion of 2 cariogenic streptococci strains to 11 orthodontic raw materials (5 light-cured orthodontic adhesives, 5 bracket raw materials, and hydroxyapatite) was investigated. The degree of adhesion varied by material type. Each cariogenic streptococci strain showed a characteristic adhesion pattern. The cariogenic streptococci adhered to the glass ionomer significantly more than to the composites, whereas there was no significant difference in the adhesion amount among the four composites. The adhesion amounts were highest in the plastic brackets and lowest in the monocrystalline sapphire brackets. Generally, adhesion of cariogenic streptococci was signifi- cantly higher for bonding adhesives than for bracket materials, and adhesion to resin-modified glass ionomer was the highest. The remaining orthodontic adhesives on the enamel surface provide sites for the rapid attachment and growth of oral microorganisms due to their rough surfaces. Orthodontic bonding adhesives are one of the most potent risk factors for enamel demineralization during orthodontic treatment and clinical observations have indicated that the most common sites for demineralization are at the junctions of the bonding adhesives and the enamel. Bonding adhesives around brackets should be removed carefully during the bonding procedure to avoid enamel decalcification. Cariogenic streptococci can adhere diversely according to adhesive type and that the adhesion of the cariogenic streptococci is not influenced by its fluoride-releasing properties. Incorporation of silver nano-particles into bonding adhesives, however, was successful on both physical and antimicrobial level.
  • 三林 浩二
    セッションID: SL-2
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/17
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    近年,社会の高齢化に伴い,口腔衛生さらには摂食・嚥下の機能評価に対する関心が高まっている。本講演では,口臭成分メチルメルカフ゜タン用のガスセンサや,咽頭内圧の変化を計測する光ファイバ式圧力センサについて説明する。また,匂い成分の情報化が可能な生化学式ガスセンサや,柔軟性に優れたウエアラブルセンサ等も紹介し,口腔ケア,摂食・嚥下研究,健康科学への展開について概説する。 口臭の多くは揮発性硫化物であるが,その中でも嗅覚閾値の低いメチルメルカフ゜タン(MM)は主要な口臭成分である。そこでMMを計測可能な生化学式ガスセンサを,肝臓の薬物代謝酵素の一つであるモノアミン酸化酵素type-A (MAO-A)を利用し作製した。 MAO-AはMMを酸化触媒することから,その反応に基づく酸素の消費を検出することで,MMガスを選択的に計測することができる。実験では酸素感応型光ファイバと組み合わせ,光ファイバ式の口臭センサを開発した。本センサはMAO-Aの基質特異性に基づく高い選択性を有し,MMガスのモニタリングが可能で,病的口臭の閾値とされる200ppbより低い濃度から定量が可能であった。今後,口臭レベルの診断のみならず,光ファイバ形状を利用した口臭源のスクリーニングへの応用が考えられる。 他方,光ファイバ式の物理量センサも多数開発されている。例えば,ファイバ先端にMEMS式の圧力可変型ダイヤフラアムを取り付け,圧力変動を光学的位相変化でとらえるセンサが開発されている。そこで咽頭変動及び内圧変化をモニタリングするため,高分子で作製した微小なチューブサックを光ファイバ式圧力センサに取り付け,咽頭圧計測用光ファイバセンサを開発した。本センサは極めて細く且つ柔軟であり,チューブサックの先端形状を曲面化していることから,容易に咽頭部への挿入が可能である。 本センサを咽頭内圧の計測に適用したところ,市販のピエゾ式シリコンチューブ型咽頭圧センサと同様に,咽頭圧変動の変化モニタリングへの応用が可能で,光ファイバ式センサは,その外径がピエゾ式に比して細いことから被験者への負担が少なく,挿入性に優れた咽頭圧計測が可能であった。
  • 金 教漢
    セッションID: SL-3
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/17
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    韓国では2009年現在11校の歯科大学(歯医学専門大学院を含む)がある。韓国の歯科大学での教育は日本の歯学部とほぼ同じシステムであるが(6年制,2年予科4年本科),歯医学専門大学院は2004年度から韓国政府の政策によって導入されたものでアメリカの4+4制と同じシステムである。現在は全国11校の歯科大学の中でソウル大学, 慶熙大学,慶北大学,全南大学,全北大学,釜山大学の6大学で歯医学専門大学院制度を部分的または全面的に導入している状況で,今後この制度の導入が拡大することが予想されている。2つのどちらかのシステムで卒業し国家試験で合格後,歯科医師免許を取得し,歯科医師として活動することが出来る。歯科大学出身は歯医学学士,歯医学専門大学院出身は歯務修士の学位が授与される。 現在韓国では約 25,000人の歯科医師,それに約 10,000以上の歯科医院があるが, 多くの歯科医院がソウル地域に集中している。その上 2000年頃から始まった歯科医院の大病院化の傾向は最近の不景気にもかかわらず盛況である。 最初に述べたように,韓国の歯科教育における一番の大きな変化は歯医学専門大学院システムの導入である。2009年1月に行われた国家試験において,歯医学専門大学院生は高い合格率を示し,結果的に新しい教育制度の導入がある程度順調に定着していることが証明されたと言える. 2009年2月には歯医学専門大学院生の第1期生が社会に進出し始め,歯科系全体では彼らが歯科系に新しい風をもたらすことを期待している。 本講演では、韓国歯医学専門大学院の教育課程の変化と,韓国の歯医学全般における現状と今後の課題に関して紹介する。
  • 宮入 暢子
    セッションID: SL-4
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/17
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    客観的指標に基づいた研究評価への関心とニーズが高まる中、弊社が提供するインパクトファクターが注目を集めて久しいが、その実態はあまり知られていない。弊社が継続的に開催している「インパクトファクターセミナー」の参加者に対するアンケートでは、回答者の約半数が、インパクトファクターが「どこから」「どのように」計算されているかを知らなかった。表面的な関心の高さと実質的な認識のギャップが、多くの誤解を生んでいる。 インパクトファクターは、引用索引データベースWeb of Science®(以下WoS)の収録対象雑誌に付与される「論文あたりの平均被引用数」である。ある2年間に掲載された論文数を分母とし、分子にはそれらがその後の1年間に引用された回数をとる。インパクトファクターは他の雑誌評価指標とともにJournal Citation Reports®(以下JCR)データベース上で年に一回更新されている。 日本歯科理工学会の英文誌Dental Materials Journal(以下DMJ)は2002年初頭よりWoSへの収録が開始され、JCR上では2004年に最初のインパクトファクターが付与された。当時、自誌引用率の高さが原因でJCRへの収録が取り止めとなった雑誌が相次いでいたが、DMJ誌についても同じ問題がみとめられたため、2006年よりJCRの収録より外れたまま、現在に至っている。 本来、学術雑誌を選択する際の単純な「目安」として利用が提唱されたインパクトファクターが、なぜ「研究の質」や「雑誌の格」を示すものとして広まったのか。なぜそれを取得することが、あたかも学会や雑誌自体の「目標」であるように錯覚されているのか。なぜ自誌引用の高さが問題となるのか。 こうした疑問にこたえるため、本講演ではインパクトファクターの仕組みや学術雑誌指標の本来の利用目的とその意義について紹介する。また、引用データのよくある誤用例、特に論文レベルでの引用分析と雑誌指標の違いについても解説する。本講演がDMJ誌の将来について考える一助となれば幸いである。
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