北海道地域福祉研究
Online ISSN : 2759-3193
Print ISSN : 1349-9874
24 巻
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  • 村川 弘城, 佐藤 大介
    2020 年24 巻 p. 1-14
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    発災が危惧されている大規模自然災害を想定し、地域住民一人ひとりの災害への対応力等を位置づけ、意識向上を含めた防災教育の実践と検証を進めていく必要がある。本研究は防災教育の諸課題に対応すべく、「防災教育に関するコンテンツがない」課題に着目し、防災意識を高める教育プログラムの実践と検証を目指すものである。具体的に、防災教育に関するコンテンツの構築を目指すために、村川ら(2018)が開発した防災教育用ゲーム型教材「B72」を活用し、防災意識を高める教育プログラム(以下、本プログラム)の実践と検証を、大学生を対象に実施する。研究方法として、本プログラム受講による気づきを明らかにするため、大学生53 名の自由記述アンケートをもとに、KJ 法を利用した分析を行った。結果、防災意識として① 災害の疑似体験による学び、② 災害に対する意識の変容、③ 自分たちがすべきことへの気づきの3 つが得られた。本プログラムの受講により、災害の怖さや、災害によって生み出される様々な問題対処ができないことに大学生自身が気づき、自らを振り返らせ、災害時に私たちに何ができるのかを考える契機となっていた。これは、地域理解、情報収集、判断能力など、様々な力を蓄える必要性を感じることにつながる結果となった。
  • ― アドボカシーの定義の内容分析から ―
    小川 幸裕
    2020 年24 巻 p. 15-29
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国の法定後見活動で、本人意思にもとづく包括的な生活支援が実現されるには、「財産管理」「身上監護」「契約に付随する事実行為」の一体的展開が重要となる。本人意思の形成と把握、表明された意思の実現に関わる活動となる「法律行為に付随する事実行為」は、アドボカシー概念を基盤に行われることが期待されるが、わが国におけるアドボカシー概念は十分に検討されていない。そこで、本論では、わが国のアドボカシーの定義内容の分析から、アドボカシー概念を構成する主要な要素を抽出し、法定後見活動との関連を検討した。アドボカシー概念に関する36 の定義を分節で整理した結果、アドボカシー概念の主要な要素として「エンパワメント」「意思決定支援」「代弁」 の3点を抽出した。アドボカシー概念は、エンパワメントの理念と過程を基本に、意思決定支援における本人意思の尊重と代理代行決定のバランスを図りながら、本人を取り巻く環境調整および改善によって、意思表明から意思実現を可能にする活動であることが確認された。法定後見活動でアドボカシー概念を基本とした「法律行為に付随する事務」が基盤に位置づけられることで、本人意思にもとづいた財産管理と身上監護が一体的に展開されると考えられる。
  • 澤崎 勇気, 藤井 智子, 伊藤 俊弘
    2020 年24 巻 p. 30-43
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、軽度認知機能障害(以後MCI とする)のリスクを有する者と健常な者の物忘れに対す る不安感を比較し、物忘れに対する不安感に影響を与える要因を明らかにし、早期受診・早期対応 への示唆を得ることを目的とした。認知症の診断や要介護認定を受けていない65 歳以上の通所型 介護予防事業に参加している方282 名を対象に病気関連不安認知尺度などを用いた無記名自 記式質問紙調査およびMCI の状態を簡便に判定する日本語版Montreal Cognitive Assessment(以後MoCA-J とする)による面接調査を実施した。その結果、有効回答数は201 人 (71.3%)、平均年齢は83.73 才であった。MoCA-J を用い健常群50 人、MCI リスク群(以後MCI リスク群とする)151 人の2 群に分け、各関連項目との差を検討した。平均不安点数(M±SD)は、健 常群が11.4±8.02 点、MCI リスク群が10.8±7.60 点で有意差は認められなかった。「認知症の専 門医を受診することに抵抗がある。」(p<0.05)と答えた割合が、健常群が10 人(20.0%)、MCI リス ク群が54 人(35.8%)でMCI リスク群の方が有意に高かった。MCI リスク群の方が物忘れ症状を 高い割合で経験する傾向にあるが、健常群とMCI リスク群の平均不安点数に有意な差がなかった ことから、MCI リスク群の物忘れ症状は物忘れに対する不安感には影響しないと考えられる。 本研究では、認知症の早期受診への促進因子として不安感は作用しないことが明らかになった 一方で、不安点数の増加は「認知症の専門医を受診することに抵抗がある。」という認知症専門医 の受診に関する抵抗感を助長する可能性もあり、支援の際には留意する必要があることが示唆された。
  • ― セルフヘルプ・グループの有用性 ―
    澤野 尚子
    2020 年24 巻 p. 44-58
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    発達障害者支援において、障害が軽度であるため診断にまで至らず、現行の法制度による支援 を活用する機会がない人々は「グレーゾーン」とも呼ばれ、彼らは日常の活動の中でさまざまな困難 を抱きながらも、医療・福祉等の専門的支援の活用が難しいことから二次障害に苛まれる可能性が 高く、その発症予防が課題とされる。 本研究は、専門的支援を活用せず就労を継続する軽度発達障害者が日常的な活動の中で抱く 困難の要素を『生活困難性』として明らかにするとともに、セルフヘルプ・グループ(SHG)が持つ生 活困難性解消への有用性を検討することを目的とし、働く軽度発達障害者でかつ発達障害当事者 のSHG に参加する者を対象としてインタビュー調査を行い、KJ 法で分析を行った。 その結果、働く発達障害者の生活困難性は日常のあらゆる活動の中に存在するが、彼らは働き 続けることで学び、困難を乗り越える努力を重ねていること、SHG は発達障害者の自己・他者理解 や社会的スキル獲得に貢献しつつも、彼らを支える一方ではないこと、彼らのさまざまな活動による 経験や学びが複雑かつ相互に影響し合っていることが示唆された。また、働く発達障害者は働く段 階に至り、周囲との「違和感」や「差異」といった発達障害の自覚に至る前兆体験をしており、二次 障害予防の観点からもこの段階での支援が有用であることが示唆され、彼らが活用できるグループを 用いた新たな支援方法の提案を試みた。
  • ― 北海道における生活福祉資金制度特例貸付を対象として ―
    松岡 是伸
    2020 年24 巻 p. 59-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    COVID-19(新型コロナウィルス)の蔓延とそれに伴う緊急事態宣言をはじめとした感染症対策、 社会経済活動の停滞は、個々人の労働と生活に深刻な影響を与えてきた。このような状況下におい て、本稿の目的は、生活福祉資金制度の特例貸付(以下、特例貸付)には、どのような人々が相 談・申請しているのか、人々の労働や生活がどのような状態になっているかを明らかにすることである。 そのため、特例貸付を担う職員に対してインタビュー調査(研究協力者6 名)を実施した。分析は修 正版グランデッド・セオリーによっておこなった。その結果、COVID-19 の蔓延とそれに伴う社会経済 の停滞、特に北海道は二度にわたる緊急事態宣言を経験した中において、特例貸付を利用する 人々の労働と生活は、仕事が減少・減収し、生活においては自転車操業的状況に陥っており、再 生産がままならない状況もみられた。独創的な点は、感染症対策等により、社会(具体的には会社、 保育所等)の基準やルールが変更となり、それらに対応できない人々は、生活困窮へと追い込まれ やすく、不安定で脆弱な状況にあることを示唆することができた。
  • - 行政がバックアップし当事者団体が支援団体と協働する取組み -
    田中 敦
    2020 年24 巻 p. 74-88
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
  • 北海道地域福祉学会
    2020 年24 巻 p. 89-
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
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