肺癌
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12 巻, 3 号
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  • 小林 延年
    1972 年 12 巻 3 号 p. 145-154
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    癌発生の外来要因の一つとして, 大気汚染物質に関連した諸種粉塵の経気道性肺内沈着と同時に3, 4-ベンッピレン (B.P.) に代表される癌原性炭化水素の吸入による発癌因子が注目される. ハムスターを用いB.Pと同時に粉塵 (アルミナ, シリカ) 混合液を気管支内に注入, 肺癌の発生状況を見ると, B, P単独投与に較べてmixed dust投与群では肺腫瘍の発生率の上昇と長期間に亘る粉塵の肺内貯留が認められた. 実験的肺瘢痕の生成過程と合わせ, 生体の局所条件の上に癌原物質との長期間の接触による癌化の可能性について考察した.
  • 松田 実, 宝来 威, 服部 正次
    1972 年 12 巻 3 号 p. 157-169
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    組織学的に確認された燕麦細胞癌33例を対象とし, 喀痰, 気管支擦過物, TV-ブラシュ法により細胞診断を施行し, 100%の陽性率をえた. 本腫瘍細胞は核の大小不同が著明であるが大多数の症例において, 核径11μ以上の大型細胞が混在していた. またヘマトキシリンに濃染する核と淡染する核がみられ, 後者の方が早く変性すると考えられる. 位相差顕微鏡で観察したもっとも新鮮な癌細胞は, 核縁が均一でクロマチンは細網状であるが, 気管支鏡あるいはTV-ブラシュ法でえた癌細胞では, 約30%に変性クロマチンを混じていることから, 本腫瘍細胞は生体内で早くから変性をおこすことを示している. さらに本腫瘍のタッチプレパラートと, 気管支carcinoidおよびneuroblastomaのそれと比較した結果, 二者間に共通の性格をみいだした.
  • 原 耕平, 吉村 康, 松本 武典, 籠手田 恒敏, 木下 勇, 高木 正隆, 奥野 一裕, 石崎 驍, 中野 正心, 富田 正雄, 中村 ...
    1972 年 12 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
    去10年間に経験した空洞を有する原発性肺癌23例を, 扁平上皮癌の15例, 腺癌の5例, 未分化癌の3例に分けて, 臨床像とレントゲン像の特徴につき検討を加えた. 扁平上皮癌の2/3と未分化癌の全例は, 空洞が大きく, その大部分に炎症の合併が考えられた. すなわちこれらの組織型の肺癌では長径4cm以上の空洞が多く, 乏血性壊死に感染も加わって空洞が形成される可能性が考えられた. これに対し, 腺癌は大きさが4cm以下でも空洞を形成することが多く, 乏血性壊死による因子が主因と考えられた.
  • 1972 年 12 巻 3 号 p. 183-282
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/22
    ジャーナル フリー
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