日本肺癌学会病期分類案I, II期肺癌で組織診が判明し, 4500rad以上の照射をうけ, 非切除の症例45例の長期観察結果を分析した. 相対5年生存率はそれぞれ扁平上皮癌I期29%, 同II期11%, 腺癌II期0%, 小細胞型未分化癌II期0%であった. 扁平上皮癌, 腺癌は原発巣死が多く, 小細胞型未分化癌は転移巣が主な死因であった. 扁平上皮癌では1700-1950retが良好な長期生存率を得ていた. 化学療法との併用は生存率曲線を改善しているといえなかった. 放射線治療ではI, II期であっても, 手術不能症例では良好な長期生存率を得ることは容易でないこと, 中心型肺癌では肺門に2000ret, 脊髄には1500ret以上の照射は避けるべきことが強調された.
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