肺癌
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21 巻, 1 号
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  • 木村 誠, 中島 信明, 早川 和重, 岡崎 篤, 前原 康延, 鈴木 良彦, 新部 英男
    1981 年 21 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去19年間に, 当科にて放射線治療を施行した原発性肺癌521例のうち, 73例が大細胞癌と診断されていた.これらを, 新分類に基づいて, 未分化な類表皮癌, 未分化な腺癌, 大細胞癌, 巨細胞癌に分類し, 比較検討した.未分化な腺癌では脳転移が高頻度にみられた.未分化な類表皮癌は照射効果がもっとも良好であった.X線像では, 未分化な類表皮癌や腺癌は, 本来の組織型の特徴を有していた.巨細胞癌はとくに予後不良であった.
  • 山田 隆一, 高木 啓吾, 西山 祥行, 北沢 正, 沢谷 修, 宮崎 泰弘, 田中 邦子, 福島 純, 西脇 裕, 鈴木 一成, 松山 智 ...
    1981 年 21 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    6年1月より, 5例の手術例と3例の非手術例からなる8例の肺門部早期癌を経験した.2例は進行肺癌を重複しており, 死亡したが, その他の6例は, いずれも健在である.肺門部早期癌は, 肺門部発生であるが故に, 治療としての手術は多大な侵襲となり, 手術不能例も多いものと考えられるが, 5例は手術以外の治療が奏効して生存している事から, 手術以外の治療も充分期待出来るものと考えられる.
  • ことに腹部臓器癌との関連
    吉川 浩一, 岩井 和郎, 小山 明, 河端 美則, 和田 雅子, 杉田 博宜
    1981 年 21 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    癌性胸膜炎は肺癌では腺癌にもっとも多く, 未分化癌, 扁平上皮癌の順に少なくなるが, 腹部臓器癌からの胸膜炎発症もあり, ことに剖検まで原発不明だった例では過半数を占めた.これら肺癌、肺外臓器癌に伴う胸膜炎は癌性リンパ管症を伴う頻度が有意に高く, また肺内および肺外血行性転移の率も, 胸膜炎非合併例より高いのがみられた.腹部臓器癌の一部では, 横隔膜を貫通して癌浸潤が胸腔に到達していた.それらの臨床像の検討を行った.
  • 橋本 武志, 沢村 献児, 古瀬 清行, 岸田 敏子, 寺本 友昭, 楠 洋子, 福岡 正博, 山本 暁
    1981 年 21 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    喀疾細胞診による早期肺癌発見のアプローチとして, 肺門部早期癌及び準早期癌22例を対象とし, それらの症例の喀疾中に出現した癌細胞, いわゆる “早期癌細胞” の形態学的特徴について検討した結果, 大別して表層型癌細胞と妾基底型癌細胞の二種類の細胞がみられた.いずれの細胞もスクリーニングの時点で, 非癌細胞として見落される可能性がある細胞で十分な注意が必要と思われた.また, 表層型癌細胞のみでなく, 妾基底型癌細胞に目を向けることによって早期癌の判定がより容易となった・
  • 藤村 重文, 山内 篤, 近藤 丘, 半田 政志, 岡部 健, 塩ノ崎 文博, 赤荻 栄一, 須田 秀一, 橋本 邦久, 仲田 祐
    1981 年 21 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発性肺癌の術後5年生存例57例を対象として, 術前の各種臨床的パラメーター, PPD皮内反応成績 (PPD), tumor doubling time (tD) 等に関して検索し, 肺癌切除例106例の成績と比較検討した.
    肺癌切除例と比べて5年生存例では, 年令が比較的若年に分布し, 末梢血Hb量が高値を示した.PPDは全体として増強しているのがみられ, 組織型別にみると腺癌例で増強してし、るのが明らかであった.tDは, 5年生存例で明らかな延長がみられ, とくに扁平上皮癌例で著明であった.PPDが増強している症例では, 腫瘤径の短いもあほどtDが延長している傾向にあった.
    これらの成績から, tDが肺癌予後に対して重要な因子の1つになると共に, 肺癌の発育には, 弱いが免疫機序が関与していることが考えられた.
  • 横山 和敏, 森本 英夫, 垣内 成泰, 下村 泰造, 傍島 徹, 福本 仁志, 堀口 洋一, 佐々木 進次郎, 武内 敦郎
    1981 年 21 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    癌性31例, 非癌性34例の各種胸水65例のCEA-Z値を測定した.胸水CEA陽性率は血清値と同様5ng/ml以上とすると, 癌性胸水は71%, 非癌性胸水は26%であった.CEA値12ng/ml以上の例では, 膿胸の2例を除き他はすべて癌性胸水であった.血清CEA陽性例では, 胸水値は血清値に比し高い傾向を示した.胸水CEA値の経時的測定は, 局所治療効果の判定, 癌の進展と相関するパラメーターの1つとして有用と考えられ
  • 子宮頸癌肺転移切除例及び非切除例の検討
    江口 研二, 西條 長宏, 新海 哲, 富永 慶晤, 仁井谷 久暢, 宮沢 直人, 笠松 達弘
    1981 年 21 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    子宮頸癌肺転移に対する化学療法 (Mitomycin他) の成績を58例につき検討し, 原発巣の制圧されている肺転移のみの症例では, 50%生存期間が12・3ヶ月で, そのうち化学療法有効群では, 14.5ヶ月と有意な生存期間の延長がみられた
    また肺転移切除例20例と, 臨床的に病変の拡がりの同程度な非切除例19例との予後をretrospectiveに検討した所, 50%生存期間に有意差は認められなかったが, 5年生存例は, 肺切除群4例と非切除群1例と手術例に多かった.
    適応を選択すれば, 今後合併療法により子宮頸癌肺転移症例の予後を向上させうると考えられた.
  • 大崎 饒, 阿部 庄作, 常田 育宏, 木村 清延, 三上 洋, 村尾 誠
    1981 年 21 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺門型肺癌にみられる気管支鋳型陰影 (bronchial cast shadow-BCS-) は98例中13例 (13.2%) にみられた.肺門腫瘤を上葉支にできる上部腫瘤と, 下葉支に生じる下部腫瘤とに分け, これらとBCSの出現の関連をみると, 上部腫瘤58例中11例 (18.9%), 下部腫瘤40例中2例 (5%) と上部腫瘤と関連して生じる率が多かった.これは気管支分泌液の重力によるドレナージに関与し, 常時ドレナージのかかる上葉の気管支にBCSが出来易いと考えられた.
    組織型別では扁平上皮癌と小細胞癌による腫瘤とBCSとの出現頻度には差がなかった.BCSの発生機序は腫瘍による気管支の閉塞のため腫瘍末梢部に気管支分泌液が貯留し, 濃縮する機序によるものが多いが, 気管支内に腫瘍の増殖 (cellular impaction) によるものもあることに留意する必要がある.
  • 鎗田 努, Paul Nettesheim, 大岩 孝司, 志村 寿彦, 鎗田 正, 馬場 雅行, 柴 光年, 崎尾 秀彦
    1981 年 21 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ハムスター気管の「局所発癌装置」をもちいて, 1.0%N-nitroso-N-methylurea (NMU) を週2回, 9週間投与したハムスターに, 2種類のretinoids, 13cis-retinoic acidとRO11-1430の過剰投与を行い, 発癌過程に及ぼすretinoidsの影響を検討した.合せぞ, retinoidsの短期及び長期の毒性実験, 血中vitaminA値の変動, NMUによりひきおこされる初期変化等について予備実験を行なった.両retinoids投与群共, 統計学的に有意差のある腫瘍発生抑制効果は認められなかった.
  • 松本 興治, 広瀬 光男
    1981 年 21 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    気道系に発生した異時性, 異所性の三重複癌の1例.症例は60才男子で, 昭和46年12月に肺癌 (未分化扁平上皮癌) で右中・下葉切除術を受け.52年2月に喉頭癌 (高分化扁平上皮癌) で左喉頭切除術を受けた.53年10月より咳漱・喀疾・微熱・体重減少をきたし, 12月5日に肺癌として左下葉切除術を行い, 高分化扁平上皮癌であった.
  • 吉田 猛朗, 桑野 博行, 原 信之, 古川 次男, 田代 英哉, 井口 潔, 石田 照佳, 田中 健蔵
    1981 年 21 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    69才の重喫煙歴を有する男性で, 左上葉の肺結核病巣が抗結核剤に反応しないために肺癌を疑われ, 気管支鏡を行った結果, 左上葉支上区入口部に粘膜の発赤と凹凸不整を認めたので, 擦過細胞診を行い癌細胞を得だ.左上葉切除後, 肺結核病巣中には肺癌病巣の共存はなく, 気管支断端に上皮内癌を認めたため左下葉を追加切除した.術後年の現在, 健在である.
  • 田中 文隆, 福間 誠吾, 沢田 勤也, 関 保雄, 石田 逸郎, 桑原 竹一郎, 丸山 孝士
    1981 年 21 巻 1 号 p. 87-92
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    53才, 男性に発症した稀な多発性肺過誤腫の手術例を報告した.左上下葉にそれぞれ径3.2cm, 1crhのほぼ円形の腫瘤を認め, 上葉部分切除および下葉切除を行なった.組織学的には軟骨性過誤腫であった.多発性肺過誤腫の症例は, 胸部レ線上, 転移性肺腫瘍との鑑別が極めて困難で, 報告例の多くは転移性肺腫瘍との診断で開胸術を施行している.本症例は, われわれの知る限りでは, 諸外国を含めて31例目の報告例である.
  • 1981 年 21 巻 1 号 p. 93-97
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 21 巻 1 号 p. 99-113
    発行日: 1981/03/31
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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