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Fibrinogen値と胸膜癒着との関係
藤木 新治, 堅田 均, 川端 昭子, 東口 隆一, 竹澤 祐一, 三上 理一郎, 喜多 悦子
1983 年 23 巻 4 号 p.
449-455
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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胸膜炎における胸膜癒着と, 血漿Fbg上昇との関係を明らかにする目的で, 癌性胸膜炎のOK-432胸腔内注入治療を行なった例を対象として下記の成績を得た.
1. 胸膜癒着像を残し, 2ヶ月間以上再貯留を認めなかった例 (有効例) で, OK-432注入後血漿Fbg値は全例上昇し, 胸水中Fbg値は80%に上昇した. 胸水Fbg値は血漿Fbg値より低値を示した.
2. 無効例では血漿および胸水Fbg値は注入後.上昇は認められなかった.
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特に造影像と治療効果, 予後との関連について
足立 秀治, 佐古 正雄
1983 年 23 巻 4 号 p.
457-471
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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肺癌における気管支動脈造影像を分析し組織型との関連につき検討した結果, 特に腫瘍濃染像は組織型により異った特徴ある所見を示した. またneovascularityの程度と腫瘍濃染像はBAI効果と関連がみられた. BAI効果と併用療法による一次効果は90%で一致し, BAI効果と生存月数との関連では, 特に扁平上皮癌でBAI有効例に生存月数の長い傾向がみられた. 濃染像の分析は肺癌の治療方針の決定や予後の推定に有意義と考える.
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中田 肇, 仲山 親, 木本 龍也, 中山 卓, 吉松 博, 村上 勝, 堀江 昭夫, 馬場 謙介
1983 年 23 巻 4 号 p.
473-478
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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原発巣がT
1あるいはT
2の肺癌手術例で縦隔および肺門リンパ節郭清が可能であった10症例について術前のCT所見と摘出されたリンパ節の病理組織所見を対比して, CTの診断能を検討した.
1)#3~#6のリンパ節群では異常な腫大をCT上で比較的容易に検出できていたが, 腫大したリンパ節は組織学的には必ずしも転移によるものではなかった.
2)#1,#2および#7~#11の群ではCTによるリンパ節腫大の検出はかなり困難であり, 組織学的に転移により明らかに腫大していたものでも殆どすべてCT上陰性であった.
3) CT上リンパ節が小さく異常なしと診断されたものにも組織学的に転移が証明された.
4) したがって, CTの診断的価値は限定されたものであると思われる.
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木村 荘一, 稲垣 敬三, 荒井 他嘉司, 平田 正信, 手塚 毅, 田島 洋
1983 年 23 巻 4 号 p.
479-486
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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我々は現在まで, 肺癌による癌性胸膜炎2例と悪性びまん性胸膜中皮腫, 胸腺扁平上皮癌の胸腔内播種例各1例に胸膜肺全別術を施行したので, 臨床的検討を加えて報告した. 肺癌によるものは術後5ヶ月, 17ヶ月で死亡しており, 術前に慎重なる適応決定と有効なる補助療法の必要性を痛感させられた. 悪性びまん性胸膜中皮腫と胸腺扁平上皮癌によるものは術後生存中であり, これら疾患に対しては本法は考慮されてもよい方法である.
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荘田 恭聖, 松島 敏春, 原 宏紀, 加藤 収, 川根 博司, 副島 林造
1983 年 23 巻 4 号 p.
487-492
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
肺癌患者166例の気管支鏡検査時に施行した細菌学的検査の有用性を臨床的に評価した. その結果, 気管支鏡検査時に閉塞1生肺炎を合併していた55例では34例 (62%) に起炎菌が検出され有用であった.起炎菌はグラム陰性桿菌78%, グラム陽性球菌22%であった. 一方閉塞性肺炎を合併していなかった111例では気管支鏡検査時の非常在菌の検出率は低く, またその経過をみても検出された菌による肺炎を合併した例は6例 (5%) あるにすぎなかった. 抗酸性菌の検出は1例に認められ, 肺癌病巣と結核病巣が近接している場合には有用と考えられた.
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山根 靖弘, 坂井 和男, 村田 望, 萩原 真理, 高橋 淳, 岩崎 勇, 井出 源四郎
1983 年 23 巻 4 号 p.
493-498
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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ジメチルニトロサミン (DMN) およびジエチルニトロサミン (DEN) によるマウス肺腫瘍発生に対して, アルミニウム (A1) 後投与が抑制効果を示した. すなわち, AlはDMNまたはDENを週1回で3週間投与したその1週間後より週に1回連続投与し, ニトロサミン投与開始後18-25週で観察した. その結果, DMNまたはDEN単独投与群に比し, それぞれにAlを投与した群では腫瘍発生マウス匹数が減少するとともに, 1匹あたりの腫瘍発生個数に減少がみとめられた.
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今井 純生, 森 雅樹, 森 拓二, 本田 泰人, 立野 史樹, 中村 光成, 浅川 三男, 鈴木 明, 草島 勝之, 室谷 光三
1983 年 23 巻 4 号 p.
499-505
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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左肺B
1+2とB
3の分岐部を中心にして発生した扁平上皮癌2症例を報告した. 両者共に重喫煙者群に属し, X-P上肺門部腫瘤影と浸潤影を示した. 左肺上葉切除術を施行し, 腫瘍組織の浸潤は外膜を越えていなかったが, 肺門リンパ節 (症例1), 縦隔リンパ節 (症例2) に転移を認めた. 症例1は術後9ヶ月を経た現在迄, 再発・転移の徴候を認めないが, 症例2は術後肝転移が明らかになり, 10ヶ月後に死亡した.
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前田 世礼, 笹子 佳門, 井原 勝彦, 高尾 哲人, 林 徹, 柏井 利彦, 市原 紀久雄, 中村 正作, 田中 智之, 小田 冨雄
1983 年 23 巻 4 号 p.
507-511
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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重複癌の報告は近年著るしく増加しつつあるが肺と他臓器との重複癌は肺以外の臓器間の重複癌に比べ必ずしも多くない. 我々は肺癌と骨髄腫との合併例を経験したので報告する. 症例は71才男性である. 胸部レントゲン写真にて右肺及び右第III肋骨の異常陰影を発見した. 擦過細胞診にて肺腺癌を, 肋骨の生検にて骨髄腫を診断した. 肺癌に対して右肺葉切除術を施行した. 術後より抗癌剤による化学療法を行っているが, 転移を認めていない.
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篠田 雅幸, 唐沢 和夫, 国島 和夫, 高木 巌, 陶山 元一, 佐藤 秩子, 鹿野 昌彦, 井上 広治, 石川 裕, 堀場 通明
1983 年 23 巻 4 号 p.
513-518
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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いわゆるbenlgn clear cell tumor of the lungの2例を文献的考察を加えて報告した. 症例は5才男性と1才女性で, ともに健康診断時に偶然発見され. 外科的切除か行なわれた. これらの腫瘍は病理組織学的に腎細胞癌ときわめて類似しており, 術後腎の検索がなされたか, 原発巣の存在は否定的であった. 本症の組織発生は不明であるが. この2症例は上皮性の性格を有しており, 気管支腺由来の腫1瘍を考えたい.
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小川 利隆, 山口 豊, 藤沢 武彦, 有田 正明, 由佐 俊和, 木村 秀樹, 岡野 匡雄
1983 年 23 巻 4 号 p.
519-526
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
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非内分泌臓器の悪性腫瘍に種々の内分泌異常が随伴することは, いわゆる異所性ホルモン産生腫瘍として古くから指摘されていたが, 近年の検査技術の進歩によって, このような現象は決して稀なことではなく, むしろ悪性腫瘍の一般的な特性であるとさえ考えられるようになってきた. われわれは女性化乳房を呈した肺大細胞癌症例で定量的・定性的に腫瘍のFSH, hCG, Estradiol産生を証明しえたので報告する.
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高橋 憲太郎, 人見 滋樹, 前里 和夫, 鈴木 庸之, 奥田 正, 辻野 卓也, 裏辻 康秀, 倉沢 卓也
1983 年 23 巻 4 号 p.
527-535
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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胸部X線写真陰性, 喀痰細胞診陽性の症例に対し4回の気管支鏡を施行し早期肺癌と診断した. 右下葉切除術を施行し右B
9+10に発生したCISと判明した.内視鏡的には同部に縦走粘膜ヒダの収束途絶, 粘膜の凹凸, 易出血性が見られた.尚この症例は右S
10発生の小型腺癌との重複癌であった.
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1983 年 23 巻 4 号 p.
537-541
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
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1983 年 23 巻 4 号 p.
543-560
発行日: 1983/10/31
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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