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とくに胸部写真上びまん性陰影を呈し粘液産生の強度な症例について
小松 彦太郎, 米田 良蔵, 石原 尚
1984 年 24 巻 6 号 p.
691-700
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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胸部写真上両側肺野にびまん性陰影を呈し粘液産生の強度な細気管支肺胞上皮癌5症例を対象に検討した.腫瘍細胞の形態から2群に分類できた.両群は粘液の染色性にまた胸部X線学的にも初期像および肺内散布巣の形態に差がみられた.しかし両群ともリンパ節転移, 血管浸襲, 遠隔転移のみられないことから基本的進展様式は経気道散布と思われる.また両群の中に肺容積の減少のみられる例とみられない例があった.
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とくに腺癌を中心にして
山中 晃, 玉田 二郎, 伊藤 元彦, 寺松 孝, 岡田 慶夫
1984 年 24 巻 6 号 p.
701-711
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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Lysozyme, lactoferrin, およびsecretorycomponent (SC) は健常気道系において主に気管支腺細胞に見出される.免疫組織化学的方法を用いて肺癌組織129例についてこれら3種の蛋白の産生能を検索し, さらに61例においては組織化学的にsialomucin産生の有無も検討した.この結果, これらの蛋白産生が腫瘍発生母地の検索の指標となりうることを見出した.腺癌亜型を中心に各組織型の組織発生について考察した.
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山下 長司郎, 坪田 紀明, 良河 光一, 河野 富雄, 神村 和仁, 千原 久幸, 石井 昇, 中村 和夫, 高田 佳木, 大林 加代子, ...
1984 年 24 巻 6 号 p.
713-719
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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術後大細胞癌と診断された26例 (10.4%) を対象とした.P-TNM分類1期では5生率58%と比較的良好であったが, III, IV期では予後不良であった.予後と組織学的所見を検討したところ, 腫瘍の発育様式, 巨細胞の出現頻度及び脈管侵襲像の3項目が予後と関連をもつことが判明した.即ち浸潤性発育を認めるもの, 高頻度に巨細胞の出現するもの及び著明な脈管侵襲を認めるものは予後を悪くする因子と考えられた.
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森田 耕一郎, 小田 達郎, 毛利 平
1984 年 24 巻 6 号 p.
721-726
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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肺葉切除が行われた19例を対象とし, 6種の血清糖蛋白を術前および術後経時的に測定し, これら血清糖蛋白値およびその変動と, 肺癌進展度ならびに術後経過との関係について検討した.肺癌病期分類別による血清糖蛋白値の変動では, pn因子においてα1AG値がpn1群に比べpn2群で有意 (p<0.05) に低値を示した.又, α2HS値が術前に比べ術後高値となった症例に予後良好例を多く認めた.
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前原 康延, 中島 信明, 早川 和重, 斉藤 吉弘, 平岡 成恭, 中村 勇司, 新部 英男
1984 年 24 巻 6 号 p.
727-733
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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群馬大学医学部放射線医学教室において放射線治療を施行した, 組織型の明らかな, 70才以上の高令者原発性肺癌新鮮例178例の治療成績について検討した.類表皮癌の治療成績が, 他の組織型の治療成績に比べ, 良好であった.とくに, 個別化した放射線治療を施行した昭和51年以降の類表皮癌I・II期症例の5年相対生存率は, 50%と良好であった.高令者肺癌に対しても, 放射線治療は, 十分に根治的治療となり得るものと考えられる.
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沢田 勤也, 福間 誠吾, 関 保雄, 石田 逸郎, 松村 公人, 末吉 貫爾, 高島 常夫, 峯 清一郎
1984 年 24 巻 6 号 p.
735-742
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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肺癌脳転移の発生頻度は8.8%で大細胞癌>小細胞癌>腺癌>扁平上皮癌であった.初発症状は多彩で脳転移までの期間は腺癌が長く, 脳転移先行例も腺癌が多かった.脳CTから腺癌は単発, 充実性, isodensityが多く, 円形, 病巣周辺の高度浮腫といった特徴がみられた.治療は放治+化療例が多いが予后は開胸術+開頭術がよく, 生存例も多い.死因は, 脳転移を直接死因とする例が半数を越えていた.
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東口 隆一, 堅田 均, 上野 美智代, 成田 亘啓, 三上 理一郎, 今井 俊介, 螺良 義彦, 北川 正信
1984 年 24 巻 6 号 p.
743-748
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
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症例は, 70才男性, 咳漱, 呼吸困難多量の漿液性喀疾を主訴とし当科入院.胸部X線上両側肺野に浸潤陰影を伴う多発性空洞陰影を認めた.剖検にて, 乳頭型腺癌, 細気管支肺胞型と判明した.剖検肺には両側に粘液様物質を貯留する円型薄壁空洞が多発していた.空洞はチェックバルブ作用によるtension cavitiesと考えられた.又他の部位には壁の厚い空洞も認められ, 空洞形成の機序には腫瘍細胞の粘液過剰産生, 易剥脱性, 間質の脆弱性等が関与していると推定された.
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増田 秀雄, 尾形 利郎, 菊地 敬一, 高木 啓吾, 千先 康二, 河合 俊明, 鈴木 実
1984 年 24 巻 6 号 p.
749-754
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
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アスベスト曝露歴のない21才男性に発生した限局性線維性胸膜中皮腫を光顕, 電顕及び免疫組織化学的に検索した.腫瘍は胸膜下結合織より発育しており, 電顕的には, 線維細胞に類似した構造を示した.酵素抗体法により, 中皮細胞に陽性とされる抗keratin抗体は, 本腫瘍に陰性であった.以上より限局性線維性胸膜中皮腫の形態像は, 胸膜下間葉系細胞に類似し, 表面の中皮細胞との類似点は認められなかった.
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足立 秀治, 高田 佳木, 渡辺 英明, 奥田 謙一郎, 長谷川 正和, 清水 雅史, 藤井 正彦, 亀田 京子, 佐古 正雄, 岡田 聰, ...
1984 年 24 巻 6 号 p.
755-761
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
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極めて稀な右主気管支原発の神経鞘腫の1例を経験し, fiberscope下に高周波焼灼装置を用い半月スネアを腫瘤基部にかけてpolypectomyを施行した.出血は全くみられず, 気管内腔に突出する部分を完全に切除し得た.fiberscope下にpolypectomyを行った報告は今までにみられないが, 気管及び気管支のpolypoid turnorに対し本法は極めて有用な治療法と考える.
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東田 有智, 上西 豊基, 坂本 和久, 山崎 公世, 幸田 友子, 高木 洋, 大石 光雄, 津谷 泰夫, 中島 重徳, 蓑田 正照, 鈴 ...
1984 年 24 巻 6 号 p.
763-767
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
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α-fetoprotein (AFP) 異常高値を示した原発性肺癌を経験したので報告する.症例: 62才, 男性.主訴: 乾性咳噺.現病歴: 1981年5月頃より乾性咳嗽, 全身倦怠感が出現した.胸部レ線上, 右上肺野の異常陰影指摘された.血清のAFPは18,000ng/mlと高値を示したが, またCEA, LDHも高値を示した.剖検により原発性肺癌 (小細胞癌) のみで肝転移等は認めなかった.これらの腫瘍組織は特異螢光抗体法によってAFP産生腫瘍と考えられた.
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1984 年 24 巻 6 号 p.
769-790
発行日: 1984/12/30
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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