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縦隔リンパ節部位別転移頻度と予後
飯岡 壮吾, 早乙女 一男, 三瓶 善康, 土屋 俊晶, 平田 正信, 小松 彦太郎, 柳内 登, 西山 祥行, 石渡 弘一, 秋山 三郎, ...
1987 年 27 巻 1 号 p.
1-10
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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pN
2非小細胞肺癌241例の手術例より縦隔リンパ節の部位別転移頻度を求め, その手術成績より手術適応について考察を加えた.縦隔リンパ節転移の好発部位ほ癌の原発肺葉によって異なった.治癒手術率は70%で, その術後生存率は3年: 37%, 4年: 22%, 5年: 21%であった.#8, 9転移例には4年以上生存例はなく, 右上葉と左肺原発例の#7転移例の予後は悪い傾向にあった.また, 60歳以上例, 腫瘍5.1cm以上例は各々その未満例より有意に生存率が低かった.
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手島 昭樹, 茶谷 正史, 井上 俊彦, 黒川 英司, 児玉 憲, 土井 修
1987 年 27 巻 1 号 p.
11-21
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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1978年から1982年までの肺癌手術例212例を対象とし, 補助的に術後照射が施行された42例について再発形式と照射野, 線量の関係を検討した.扁平上皮癌は照射野内再発が主で, 腺癌は照射野外再発が多かった.扁平上皮癌の胸壁, 気管支および血管断端, 心膜の遺残病巣に対しては50~70Gyの照射にて良く制御された.しかし扁平上皮癌の縦隔照射および腺癌に対する照射では, 相対治癒手術群以下では50Gyでは制御されていなかった.
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佐久間 貴彦, 西尾 浩, 中村 慎一郎, 宝来 威, 池上 晴通, 松田 実
1987 年 27 巻 1 号 p.
23-29
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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肺癌症例及び対照症例において, 血清中のNSE値を測定し, 腫瘍マーカーとしての意義を検討した.小細胞癌に特異的に血清NSEの高値を高率に認めた.また小細胞癌では血清NSE値は臨床病期と相関して上昇したが, 非小細胞癌では両者に相関は見られなかった.小細胞癌で治療経過中の血清NSE値の推移を調べると, 治療に反応して血清NSE値は低下し, 増悪時には上昇しており, NSEは肺小細胞癌の有用な腫瘍マーカーと考えられた.
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翁 秀岳, 木下 巌, 中川 健, 松原 敏樹, 加藤 岳人, 金井 道夫, 石川 泰郎, 土屋 永寿
1987 年 27 巻 1 号 p.
31-39
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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浸潤型5例を含む胸腺腫19例を臨床病理学的に検討した.非浸潤型では, 2例の肺癌合併を認めたが, 胸腺腫は全別されその再発を認めず, 上皮細胞型はround-oval, spindle, mixedと様々であったが, リンパ球混在度は殆んどが中等度であった.浸潤型では, 高度広範な上大静脈浸潤や心嚢内播種が非治癒手術や非切除となる原因であり, 上皮細胞型は全例round-ovalであったが, リンパ球混在度低度例に治療後も遠隔転移による予後不良例がみられた.
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肺癌患者における血清および血漿NSEの比較
尾関 雄一, 豊増 泰介, 柳 秀憲, 菊地 敬一, 尾形 利郎, 鈴木 節, 永川 俊彦
1987 年 27 巻 1 号 p.
41-46
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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肺癌症例, 患者対照, 健常者について, 血漿及び血清中のNSEを測定し比較検討した.また, 肺癌2症例について経時的に血漿NSEを測定し, 臨床経過と比較した.患者対照及び健常者では血清, 血漿NSEとも正常値を示したが, 肺癌ではNSEはEDTA-2Naを用いた血漿で, 血清よりも有意に高値を示した.また, 肺癌の全組織型で高い陽性率を示し, 臨床経過とよく相関して変動し, 肺癌の腫瘍マーカーとしての高い有用性が示唆された.
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山口 哲生, 長尾 啓一, 水谷 文雄, 林 あや, 椙田 隆, 栗山 喬之, 渡辺 昌平
1987 年 27 巻 1 号 p.
47-56
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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原発性肺癌に合併した上大静脈症候群 (SVCS) の臨床的検討を行なった.進行肺癌203例の12.3%にSVCSの合併があり小細胞癌に合併頻度が高かった.SVCS例37例の検討によって, その臨床像を明らかにした.治療開始後の予後は, SVCS群と, 進行肺癌の非SVCS群とで比較すると, 全体的にも組織型別にも, 生存期間に有意差はなかった.しかし, SVCS症状の増悪例と無治療例とは, 低酸素血症の進行が早く, 予後不良であった.
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鈴木 公典, 山岸 文雄, 橋爪 一光, 長尾 啓一, 栗山 喬之, 瀧沢 弘隆, 里村 洋一, 渡辺 昌平
1987 年 27 巻 1 号 p.
57-66
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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昭和47~53年の全国肺がん患者登録カードをもとに全国87施設を訪問し, 収集し得た無治療の原発性肺癌247例を臨床的に検討した.平均年齢は66.5歳, 男女比は4: 1であった。臨床病期ではIII+IV期例, performance status (PS) では全身状態不良例が多かった.全例の中間生存期間は3.2ヵ月で, 1年, 2年, 3年生存率は各々7.29%, 1.62%, 0.81%であった.予後に関してはPSが最も重要な因子と考えられた.
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岩本 勲, 橋本 哲, 伊藤 重彦, 川原 克信, 綾部 公懿, 富田 正雄
1987 年 27 巻 1 号 p.
67-71
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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症例は62才女性, 四肢の脱力感を主訴とした右肺門部の中間細胞型小細胞癌である.筋電図検査でEaton-Lambert syndromeと診断し, 原病巣を切除した.術後7日目には患者は脱力感の軽減を自覚し, 筋電図検査でWaxingの改善をみている.現在, 術後1年6ヵ月経過しているが, 再発の徴候もなく健在である症例を経験したので報告した.
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坪田 紀明, 八田 健, 大林 加代子, 高田 佳木
1987 年 27 巻 1 号 p.
73-77
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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切迫窒息の状態で来院した気管腫瘍の症例に対し気管支鏡下に高周波を用いたsnare鉗子によるpolypectomyを行い腫瘍の一部を切除した.これにより危機状態を脱し, 患者の回復を待って, 更に病理組織診をも得て, 8気管輪切除端々吻合術を実施した.
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渡辺 幸康, 犬塚 祥, 笠原 大城, 槇島 敏治, 田中 勲, 井上 雅晴, 一迫 怜, 武村 民子
1987 年 27 巻 1 号 p.
79-85
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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Intravascular bronchioloalveolar tumor (IVBAT) は, 両側肺野の多発性結節を特徴とし, 緩徐に進行して呼吸不全に至る稀な肺腫瘍である.DailとLiebowが1975年IVBATと命名したが, 電顕的, 免疫組織化学的研究により今日では比較的悪性度の低い血管肉腫と考えられている.開胸肺生検にてIVBATと診断したが, 5年の経過で末期に腹膜播種をきたし, 腹水中より腫瘍細胞を証明した53才女性の1例を報告した.
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菅間 康夫, 三重野 龍彦, 松岡 緑郎, 青木 茂行, 石原 照夫, 荒井 達夫, 川井 俊郎, 吉良 枝郎
1987 年 27 巻 1 号 p.
87-92
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
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57才男性で胸痛及び体重減少を主訴に入院.肺野のcoin lesion, 縦隔の拡大, 肺動脈狭窄様心雑音, 右心負荷が指摘された.縦隔鏡下リンパ節生検で癌腫と診断, 肺動脈造影で左右主肺動脈分岐直後の狭窄, 右心カテで肺動脈幹部の昇圧と狭窄部を介し著明な圧較差が確認された.縦隔へ放射線照射療法を施行したが, 発症後約1年6か月で死亡した.剖検で, 低分化腺癌の広範な縦隔への浸潤と上記肺動脈狭窄及び肺性心が確認された.
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1987 年 27 巻 1 号 p.
93-114
発行日: 1987/02/25
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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