肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
41 巻, 7 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 白日 高歩, 安光 勉
    2001 年 41 巻 7 号 p. 747
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 西窪 美喜, 栗山 啓子, 有澤 淳, 黒田 知純, 真能 正幸, 児玉 憲, 鍔本 美津子
    2001 年 41 巻 7 号 p. 749-753
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    HRCT上すりガラス濃度 (ground-glass opacity: GGO) を呈する限局性肺病変は, 組織学的に腫瘍が肺胞上皮 置換性に進展する小型肺腺癌の可能性が高く, 早期診断に有用である.1990年3月から1999年12月に当センターにて1カ月以上の経過観察後に縮小傾向がないために外科切除された2cm以下の限局性肺病変232病変中, 術前のHRCT (スキャン厚: 2mm) で視覚評価により病変の大部分 (80%以上) がGGOを呈する49病変を組織学的に検討した. 47病変 (96%) が小型肺腺癌であり, Noguchi分類type Aが22病変, type Bが20病変, type Cが5病変で, 他の組織型の肺癌は認めなかった. 残り2病変 (4%) が良性病変で, pulmonary lymphoproliferative disorderとsarcoidosisであった. HRCTにてGGOを呈する2cm以下の限局性肺病変のほとんどは予後がきわめて良好とされるNoguchi分類type A-Bの小型肺腺癌であり, type Cの肺腺癌や稀ではあるが良性病変も認められる.
  • 静脈性梗塞の存在について
    河端 美則, 叶内 哲, 星 俊子, 池谷 朋彦, 村井 克己, 青山 克彦, 星 永進, 金沢 実
    2001 年 41 巻 7 号 p. 755-762
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺梗塞は肺動脈の閉塞に伴うとされてきたが, 転移性肺腫瘍による肺静脈閉塞のみでの肺梗塞を経験した. そこで肺腫瘍に伴う肺梗塞を様式別に分け, 病理学的に検討した.対象は葉切594検体中に肺梗塞を伴った26検体と外科的生検1検体で, 平均年齢は59歳, 男性21例, 女性6例であった. 腫瘍による肺動静脈の閉塞の程度と, 肺梗塞の小葉内位置を考慮し, 肺梗塞を様式分けし成績をまとめた. 病変を, その程度に応じて半定量的にスコア化した. 結果は, 動脈性梗塞7, 混合性16, 静脈性4検体であった. 動脈性梗塞と静脈性を比較すると, 梗塞周囲の動脈病変の程度は前者で2.7±0.5であり, 後者は1.3±0.5であった. 静脈病変の程度は0.7±0.5と2.8±0.5であった. いずれも5%以下の危険率で有意差をみた. 新鮮梗塞周囲の動静脈の血栓. 塞栓は無かった. 鍍銀染色では各群とも梗塞内毛細血管病変がみられ, 梗塞局所における両血管の関与が推測された. 梗塞の部位を小葉中心性と小葉間中心性にわけ得た場合, 動脈性梗塞では5: 0箇所, 静脈性では0: 13箇所で両群問には1%以下の危険率で有意差がみられた.
  • 中田 昌男, 佐伯 英行, 栗田 啓, 高嶋 成光
    2001 年 41 巻 7 号 p. 763-766
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発性肺癌に対する胸腔鏡補助下肺葉切除術 (以下VATS葉切) の意義について検討した. 当施設では1995年4月から2000年12月までに98例の肺癌症例にVATS葉切を施行した. 対象例の臨床病期はIA 80例, IB 13例, IIA 2例, IIIA 2例, IIIB 1例で, 病理病期はIA 65例, IB 18例, IIA 4例, IIB 3例, IIIA 7例, IIIB 1例であった. VATS葉切に要した手術時間は183.7±52.5分 (95~330分), 術中出血量は203.9±230.0ml (15~1345ml) であった. cIA期VATS葉切施行例を同時期に開胸によって葉切を施行したcIA 57例と比較すると, 3年生存率は開胸症例が73.0%, VATS葉切が91.7%で有意にVATS葉切が予後良好であった (p=0.02). 無再発3年生存率および腫瘍径2cm以上の症例の無再発3年生存率は差がなかった. 術後在院日数はVATS葉切が10.8±4.1日で有意に短かった (p<0.0001). cIA期肺癌においてVATS葉切は開胸術と予後に差がなく, QOLも良好であることから同病期の標準的術式になりうると考えられる.
  • 平林 正孝, 奥田 雅人, 遠藤 和夫, 寺町 政美, 山口 和之, 森山 正浩, 渡辺 祐介, 中出 雅治
    2001 年 41 巻 7 号 p. 767-772
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    【目的】進行肺非小細胞癌に対するcarboplatin+weekly paclitaxel併用療法の至適投与量を決定し有効性を検討する.【対象】根治的放射線治療が第一選択とならない進行肺非小細胞癌で化学療法の先行治療なくPS0~2, 各臓器機能が保持された15例.内訳は, 男/女: 10例/5例, median age: 67歳 (46~76歳), PS1/2: 10例/5例, 腺癌/扁平上皮癌: 8例/7例, IIIB期/IV期: 5例/10例であった.【方法】(1) carboplatin: AUC=6 (day 1) を固定し, paclitaxelは50mg/m2 (day 1/8/15) より開始して1レベル毎に10mg/m2ずつ増量することとした. (2) Dose Limiting Toxicity (DLT) は第1コースにて評価し (1) 4日間以上持続するGrade 4の好中球減少 (2) 38℃以上の発熱を伴うGrade 3以上の好中球減少 (3) 脱毛以外のGrade 3以上の非血液毒性, として, 当初の3例全例にDLTが認められた場合, 或いは6例中3例以上にDLTが認められた場合にMTDとした. (3) 原則として4週間隔で2コース施行 (最大6コースまで).【結果】レベル4 (80mg/m2) にて2例に複数のDLTを認め, 内1例にnear fatalなlethargyをきたしたためMaximum Tolerated Dose (MTD) と判断した. 7例にPRを得ている. 現在paclitaxel: 70mg/m2にてphase II studyを施行中である.
  • 徳永 隆成, 作 直彦, 大野 彰二, 蘇原 泰則, 久力 権, 杉山 幸比古
    2001 年 41 巻 7 号 p. 773-777
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は55歳, 男性.咳嗽と発熱を主訴に入院. 胸部X線写真にて左側胸水を認め, 炎症反応高値, 胸水検査では好中球が97%より, 膿胸を考えた. 抗生剤投与, 胸腔ドレナージを開始したが改善がみられず, 外科的に左胸膜剥皮術を施行した.術後病理組織では悪性胸膜中皮腫, 肉腫型と診断された. 悪性胸膜中皮腫では発熱, 炎症反応高値を伴うものもあり, 胸膜の肥厚を伴う膿胸などとの鑑別を慎重に行う必要があるものと考えられた.
  • 山田 勝康, 鈴木 雅之, 秋田 裕子, 小笠原 智彦, 都築 豊徳, 佐藤 滋樹
    2001 年 41 巻 7 号 p. 779-782
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は61歳女性. 主訴は右胸部痛. 胸部単純X線写真で右肺尖部に腫瘤影を認めた. 針生検組織で顆粒の豊富な大型細胞の集簇を認めた. 腫瘤影の増大と胸痛の増悪を認めたため臨床的に悪性顆粒細胞腫と診断した. 放射線治療を行ったが腫瘍縮小せず, 治療開始9カ月後に呼吸不全で死亡された. 剖検では右上縦隔後部に原発巣を認め, 肺内に多発性の転移を認めた. 組織学的には原発巣, 転移巣ともに大型細胞と核異形を伴う紡錘細胞を認め, 核分裂像と壊死像も見られた.免疫組織化学的にはS-100蛋白とvimentinが陽性に染色され最終的に悪性顆粒細胞腫と診断した. 悪性顆粒細胞腫は報告が少なく, 極めて稀であると考えられた.
  • 高田 一郎, 畝川 芳彦, 田端 雅弘, 木浦 勝行, 上岡 博, 江口 研二
    2001 年 41 巻 7 号 p. 783-785
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例1は72歳の男性. 肺大細胞癌の術後経過中に腹部膨満感と貧血が出現し, 腹部GTにて小腸の腫瘤を発見された. 開腹術にて空腸に3個の腫瘤を認め, 病理組織より肺大細胞癌の転移と診断された. 術後化学療法を行い, 約3年間生存した. 症例2は51歳の男性.肺大細胞癌の術後に脳転移にて再発し, 全脳照射施行後の化学療法中に急性腹症を呈し, 開腹術にて空腸に穿孔を認め同部の病理組織より肺大細胞癌の転移と診断された. 脳転移の悪化にて32日目に死亡した. 肺大細胞癌の小腸転移が生前に診断されることは稀であり, これまで予後は極めて不良と考えられていたが, 症例1のように, 重篤な症状を呈する前に診断し, 適切な治療を行うことにより, 予後を改善しうる可能性が示唆された.
  • 2001 年 41 巻 7 号 p. 786-795
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top