肺癌
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41 巻, 1 号
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  • 3. 細胞診 III. 成績の報告と細胞判定基準
    福岡 正博, 宝来 威
    2001 年 41 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 病理病期とDNA ploidy patternによる層別化の検討
    山本 達也, 川村 雅文, 小林 紘一, 石原 恒夫
    2001 年 41 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    病理病期I-IIIA期の非小細胞肺癌に対する術後化学療法の効果に関する臨床研究の対象となった症例を, DNA ploidy patternによって後層別化し予後を検討した.
    対象をI期とII・IIIA期の2群に分け, 各群を無作為割付によりそれぞれ2つの治療群に分けた. I期はA群: 術後CDDP+VDS (CV療法)×1コース+5-FU経口投与, B群: 術後化療無施行, II・ III A期はC群: 術後CV療法×2コース+5-FU経口投与, D群: 術後5-FU単独経口投与に分けた. このうちDNA ploidy patternが検索可能であった128例についてDNA ploidy pattern別に予後を検討した.
    I期のdiploid症例の5生率はA群81.2%, B群100%であり, 無化療のB群に比べCV療法を行ったA群の方が有意に予後不良であった (p=0.03). I期のaneuploid症例の5生率は, A群83.5%, 群78.9%で予後に差を認めなかった (p=0.98). II期・III A期のdiploid症例の5生率はC群25.0%, D群58.3%で, 予後に差を認めなかった (p=0.44). II期・III A期のaneuploid症例の5生率はC群32.7%, D群8.3%であり, CV療法を行わなかったD群に比べCV療法を加えたC群の方が, 予後良好な傾向があった (p=0.07).
    術後化学療法の検討に際して, DNA ploidy patternによる層別化を図ることは意義があるものと考えられた.
  • Toshio Fujie, Takako Yano, Noriaki Takahashi, Satoshi Tanikawa, Masayu ...
    2001 年 41 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Objective: We investigated the effects of two macrolides on the induction of angiogenesis by human bronchiolo-alveolar carcinoma A 549 cells in vitro. Methods: We chose clarithromycin (CAM) and midecamycin (MDM) as 14-and 16-membered ring macrolide antibiotics, respectively. By using human umbilical vein endothelial cells (HUVEC), we performed a wounding cell migration assay, proliferation assay and tube formation assay with MATRIGEL® to investigate the effects of these macrolides on angiogenesis in both a direct manner, and an indirect manner mediated by A549 cells. We next measured the concentrations of angiogenic factors such as basic fibroblast growth factor (basic-FGF), vascular endothelial growth factor (VEGF) and interleukin-8 (IL-8) present in culture supernatant from macrolide-treated A 549 cells by enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) and also measured the concentrations of urokinase plasminogen activator (u-PA) in culture supernatant from macrolide-treated HUVEC and macrolide-treated A 549 cells by ELISA. Results: The culture supernatant from A 549 cells promoted each step of HUVEC angiogenesis; migration, proliferation, and tube formation. The culture supernatant from A 549 cells treated with CAM and MDM at 0.1 and 1.0μ g/ml which correspond to their concentrations in serum at clinical administration inhibited migration of HUVEC. However, the inhibitory effect of MDM was weak. The culture supernatant from A 549 cells treated with CAM, but not with MDM, inhibited proliferation and tube formation of HUVEC. Both macrolides showed no direct effect on HUVEC angiogenesis. The concentrations of basic-FGF in culture supernatant from A 549 cells were below the assay sensitivity limit. A549 cells produced interleukin-8 (IL-8) as well as VEGF, and both macrolides inhibited the production of these factors. The culture supernatant from MDM-treated A 549 cells did not affect proliferation or tube formation of HUVEC. Both macrolides suppressed A549 cells from secreting u-PA, an endothelial cell migration factor, at 0.1 and 1.0μg/ml, but promoted them at 10μg/ml. This biphasic manner of the effect of macrolides on u-PA production was similar to that on HUVEC migration. Conclusion: The present results indicate that macrolides, especially a 14-membered ring macrolide, are a potential inhibitor of angiogenesis promoted by lung cancer cells. Their sites of action may be on cancer cells but not endothelial cells. However, the precise mechanism of the inhibitory effect of macrolides remains to be determined.
  • 高橋 広行, 中川 徹, 名和 健, 菅原 陽一, 遠藤 勝幸, 柳内 登, 青木 隆敏, 中田 肇
    2001 年 41 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要旨: 低線量らせんCTを用いた肺癌検診で発見され, 病理組織学的に確認された異型腺腫様過形成 (atypical adenomatous hyperplasia, AAH) 5例について, その頻度, 画像所見について検討した. 検診対象者数は7,980人 (男性6,136名, 女性1,844名, 平均年齢57歳), うち初回受診者数は5,991名である. 肺癌疑いで病院へ紹介された49例のうち, 40例に病理組織学的検索がなされ, 5例がAAHと診断された. AAHの頻度は0.083%であった. AAHの画像所見は, HRCT上の大きさは7.9mm~12.4mm (平均9.8mm) で限局性のスリガラス濃度領域 (ground glass opacity; GGO) のみからなっていた.3 例は検出直後の精検の3カ月から12カ月の期間経過観察されていたが, 大きさの増大は見られなかった.
  • 矢満田 健, 椎名 隆之, 牧内 明子, 蔵井 誠, 近藤 竜一, 沼波 宏樹, 高砂 敬一郎, 町田 恵美, 羽生田 正行, 天野 純
    2001 年 41 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1997年の肺癌TNM分類の改訂によりI期のA, Bへの細分化が行われた. 1982年から1999年に当科で標準手術が施行された病理病期I期非小細胞肺癌390例の術後再発および予後より, 病期I期非小細胞肺癌の病期分類の問題点について検討した. 今回の改訂で細分されたIAおよびIB期の5年生存率は, それぞれ81.2%, 64.9%また術後再発率は11.8%, 19.5%で病期IA期が有意に予後良好であった. 組織型別に予後をみるとIB期扁平上皮癌の5生率が53.0%と他に比べ予後不良であった. IA期について腫瘍径別に予後を検討すると, 10mm以下の36例は全例無再発生存中で有意に予後良好であった. IB期については腫瘍径31~50mmと51mm以上の2群の予後に差を認めなかった. 腫瘍径30mm以下で胸膜浸潤によりIB期になった34例の5生率は81.3%でIA期肺癌の成績と同等であった. 病期分類をあまり複雑化するのも適当ではないが, 腫瘍径, 組織型等を考慮した一歩進めた病期I期の細分化も考慮すべきではないかと思われた.
  • 清水 わか子, 奥村 敏之, 鬼塚 正孝, 石川 成美, 山本 達生
    2001 年 41 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    非小細胞肺癌pN2症例における術後放射線照射の意義をretrospectiveに解析する. (対象と方法) 1993年1月より1998年10月までに術後照射が行われた病理学的N2であった非小細胞肺癌31例を対象とした. 男女比は23: 8, 平均年齢60.6歳, 腺癌18, 大細胞癌5, 扁平上皮癌8であった. 照射は術後平均30.1日で開始された. 6MVまたは10MV-リニアックX線で切除断端・縦隔・両鎖骨上窩を含むT字照射野で4-50Gy/23-28回/5-週, 断端陽性または近接例では10-14Gy/5-7回/1-2週を追加し総線量を60Gyとした. 平均経過観察期間は39.1カ月であった. (結果) 3年累積全生存率 (OAS) 65.6%, 3年無病生存率 (DFS) 40.7%, 3年局所制御率 (LC) 77.3%であった. 非扁平上皮癌では20例 (87.0%) がT1-2であったが, 扁平上皮癌は4例 (50.0%) がのみであった. またOAS, DFS, LCは扁平上皮癌で87.5%, 100%, 100%, 非扁平上皮癌で61.8%, 35.1%, 70.5%であり, DFSで有意差が認められた. (結論) 扁平上皮癌では術後照射による局所制御が予後を改善すると考えられるが, 非扁平上皮癌では, 遠隔転移が予後因子であり, 術後照射の有用性は認められなかった.
  • 川村 光夫, 高橋 保博, 折野 公人, 佐澤 由郎
    2001 年 41 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大腸癌肺転移切除例21例 (24回手術) について長期予後を検討した. 対象の性別は男13例, 女8例で, 大腸癌切除から肺転移巣出現までの無病再発期間は平均25カ月 (0-85カ月) であった. 転移巣の個数は, 1個のみ17例, 2個以上4例, 一側性19例, 両側性2例で, 大腸癌の術後病期はII期3例, III a期5例, III b期8例, IV期5例であった. 術式は部分切除9例, 区域切除1例, 肺葉切除11例で, 術後の平均観察期間は48カ月で術後5年, 10生存率はそれぞれ46.9%, 23.4%であった. 術後5年以上再発なく生存した4例は, すべて単発例かつ区域切除以上の完全切除例であったが, 2個以上の多発例や肝転移の合併例は, ほとんどが2年以内に再発癌死し予後不良であった. また, 初回再発から60カ月生存した例もあり, 大腸癌肺転移の予後については, 術後5年以上の最終転帰を含めた長期間のfollow-upが重要と考えられた.
  • 石和 直樹, 中谷 行雄, 稲山 嘉明, 渡部 克也, 前原 孝光, 林 康史, 高梨 吉則
    2001 年 41 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発性肺癌140例を対象とし, パラフィン切片を使用した免疫組織化学染色にてThyroid Transcription Factor-1 (TTF-1) の発現について検討した. 肺腺癌に関しては, 分化度・組織亜型との関連性についても検討した. また肺腺癌と他臓器の腺癌との発現を比較し, TTF-1の肺腺癌組織診断マーカーとしての有用性を検討した. 正常肺組織においてTTF-1は, II型肺胞上皮細胞, Clara細胞, 一部の細気管支粘膜上皮基底細胞の核に陽性であった. 原発性肺癌におけるTTF-1の陽性率は, 腺癌83%(50/60), 小細胞癌67%(20/30), 扁平上皮癌8%(3/40), 大細胞癌20%(2/10) であった. 肺腺癌に関しては, 分化度とTTF-1発現に有意な相関がみられ, また組織亜型ではpapillary typeがtubular typeよりも有意に陽性率が高かった. 他臓器の腺癌では, 甲状腺癌が93%で陽性になる以外では, 90例中大腸癌の1例に陽性例を認めたのみであり, TTF-1は肺腺癌の組織診断マーカーとして極めて有用であると思われた.
  • 中原 和樹, 大瀬 良雄, 田原 稔, 守尾 篤, 後藤 毅, 益田 貞彦, 薬丸 一洋
    2001 年 41 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    〈目的〉左非小細胞肺癌において,(1) N0, N1症例に対して上縦隔上部縦隔リンパ節 (#1, 2, 3) の郭清は必要か,(2) N2症例に対する系統的拡大郭清 (両側縦隔リンパ節郭清) は予後を改善するかを考察する.〈対象・方法〉左非小細胞肺癌切除例のp N0, N1, N2症例220例を対象として, 上縦隔上部リンパ節の郭清の有無による予後と再発部位の相違, ならびにN2症例の肺葉別リンパ節転移部位, 再発部位を分析した. 〈結果〉pN0症例は114例で5生率は70.5%だった. 郭清度別の比較では, 完全郭清群が73.2%(n=27), 不完全郭清群が69.5%(n=87) で有意差を認めなかった. pN1症例は48例で5生率は45.2%, 郭清度別5生率は完全郭清群が37.9%(n=23), 不完全郭清群が52.0%(n=25) で, ともに有意差を認めなかった. p N2症例は58例で原発部位は左上葉42例, 左下葉16例だった. pN2症例の5生率は23.1%で, p N0, p N1症例に対し有意差を認めた. 原発肺葉と縦隔リンパ節の転移部位の関係をみると, 左上葉は#4, 5, 6, 左下葉は#4, 5, 7のいずれかに転移を認めた. p N2症例で, 術後再発をリンパ節だけに認めたのは左下葉が3例, 左上葉1例だった. 左下葉例は対側縦隔再発だったが, 左上葉例は患側縦隔再発だった. 〈結論〉 (1) pN0, N1症例では, 上縦隔上部リンパ節の郭清を省略できる可能性がある. (2) 左肺のp N2症例に対する系統的拡大郭清は, 下葉症例のうち#7に転移を認め,#1-4,#8, 9に転移を認めない症例でのみ予後改善に寄与する可能性がある.
  • 木村 秀樹, 岩井 直路, 柿澤 公孝, 安藤 総一郎, 千代 雅子
    2001 年 41 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    原発腫瘍径, GTでの縦隔リンパ節腫大の有無, 初診時の腫瘍マーカーを参考にして縦隔鏡 (Video-assisted Mediastino-scopy: VAM) の適応基準を作り, これに則ったVAMを施行することにより, 肺癌の治療方針決定に寄与し得るかを検討した. 対象は当科に入院し治療を受けた原発性肺癌217例のうち75歳以下, 病期IIIA期までの総合的治療プログラムに適応した111例である. このうちVAMの適応になった症例が66例, ならなかった症例は45例で, 前者はVAMを行い, 45例が陰性でそのうち43例に手術が行われ, 21例の陽性例は化学療法2クール後, 効果判定により9例が手術, 残り12例には放射線照射を行った. VAM非適応の後者はそのまま手術を行った. VAM陰性の43切除例のうち3例にN2が認められたが, 1例は左肺癌の#5 (ボタローリンパ節) 転移でありその他2例はfalse negativeの誤診例であった. VAM非施行例で切除になった45例のうち2例がN2であったがいずれも右上葉肺癌の# 3リンパ節転移であった. 縦隔鏡の適応基準を設けることで肺癌の治療方針決定に寄与し得ると考える.
  • 石橋 陽子, 得地 令郎, 蒲池 匡文, 原田 真雄, 磯部 宏, 岡安 健至
    2001 年 41 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性. 健康診断で胸部異常影を指摘され当科へ紹介となった. 肺腺癌c T1N2MO, stage III Aと診断し,#2のリンパ節がbulkyなためneoadjuvant therapyの施行を考慮した. 40Gy/16frの放射線療法とCisplatin (25mg/m2, day 1, 8, 15) +Docetaxel (20mg/m2, day 1, 8, 15) の化学療法の同時併用療法を施行し, 治療後のCTでは原発巣は瘢痕のみとなり,#2のリンパ節も32x28mmから20×10mmまで縮小した. 治療効果はPR相当と判定し, 放射線化学療法後の手術療法 (右上葉切除+縦隔郭清術 (ND2a)) を施行した. 摘出標本の病理組織学的所見では癌細胞は認めずp T0N0であり, 放射線化学療法の効果はCR相当であった. 術前の放射線化学療法によりCRが得られた進行肺腺癌の一例を経験し, 集学的治療に向けてその有効性が示唆された.
  • 藤田 琢也, 藤野 昇三, 井上 修平, 紺谷 桂一, 澤井 聡, 花岡 淳
    2001 年 41 巻 1 号 p. 69-72
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は46歳女性. 胸部異常陰影にて受診した. 胸部CT上, 右肺S6に一部に気管支透亮像を伴った多発性結節影と浸潤影を認め, 左肺S8に胸膜嵌入像を伴った径2cmの腫瘤陰影が認められた. 右B6・左B8それぞれより経気管支肺生検を施行し, 右肺S6は肺クリプトコッカス症, 左肺S8は腺癌と診断された. 左肺腺癌に対し胸腔鏡ガイド下左肺下葉切除術を施行した. 右肺クリプトコッカス症に対しては, 術前より抗真菌薬の投与を行い術後も継続した. 肺クリプトコッカス症は希な疾患であるが, 画像上は多彩な陰影を呈し肺癌との鑑別が困難である. 本症例では経気管支肺生検にて肺クリプトコッカス症・肺癌と診断することができ, 両者に低浸襲でかつ有効な治療法が選択可能であったが, 肺癌との合併例では肺内転移との鑑別が重要である.
  • 本邦報告例21例の検討
    守尾 篤, 宮元 秀昭, 泉 浩, 山崎 明男, 細田 泰之
    2001 年 41 巻 1 号 p. 73-78
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    縦隔リンパ節転移のみを認めた稀な原発不明腺癌の1例を経験した. 症例は35歳, 男性. 咳噺, 発熱を主訴に近医を受診し, 胸部CTにて中縦隔腫瘍の診断で当科紹介入院. 胸骨正中切開下に腫瘍摘出術を施行した. 腫瘍は径7cm大であり, 右# 2,# 3, 右# 4リンパ節が一塊となったものであった. 術中迅速病理診断は低分化型腺癌リンパ節転移であったため両側縦隔郭清を施行し右# 1リンパ節にも転移を認めた. 術後の全身検索にて明らかな原発巣を確認できなかった. 術後早期に右頸部に再発したため右頸部郭清を施行し放射線治療 (50Gy) を追加した. 再切除後27カ月間経過した現在, 再発や原発巣出現の徴候なく健在である. 本症例は稀なT0N2M0原発性肺癌が考えられ, 今後も全身検索を含めた厳重な経過観察が必要である. 縦隔リンパ節転移のみを認めた原発不明癌は本邦では自験例を含め21例であり, 完全切除により予後が向上すると考えられた.
  • 石橋 洋則, 赤松 秀樹, 砂盛 誠
    2001 年 41 巻 1 号 p. 79-82
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は77歳, 女性. 検診で貧血を指摘され, 精査で骨髄異形成症候群と診断された. その際, 胸部異常陰影を指摘され, CTガイド下経皮針生検にて肺腺癌の診断を得た. 術前WBC 2900/μl, Hb 9.0g/dlであったが他に合併症はなく, 2000年4月に手術を施行した. 術中出血は100mlで輸血は不要, さらに術後感染症の合併はなかった. 腫瘍径17×14mmの中分化型肺腺癌で腫瘍近くに径2mmの同一肺葉内腫瘍結節を認め (T4), リンパ節は# 3へ転移があり (N2), III B期と診断されたが, 骨髄異形成症候群を合併した高齢のため, 化学療法などの追加治療を施行せず, 現在外来通院中である. 一次性骨髄異形成症候群に原発性肺癌を合併したいわゆる重複癌と考えられる症例報告は少なく, さらに手術例は検索した限りでは4例のみであり若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 2001 年 41 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 41 巻 1 号 p. 90-95
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2011/08/10
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